みんなの体験談相続と争族

遺言書作成には遺言能力と時期が大事!相続問題で兄弟争いの体験談例

【監修者】
オレンジ@終活ガイド

生前整理という名の断捨離にいそしみつつアラカンでの熟年離婚を画策中のおひとりさま予備軍女性が、オレンジログの中の人です。

終活に活かすため終活ガイド1級とホームヘルパー2級を取得。このブログでは人生100年時代に備えた、黄昏期から始める終活と生活のヒントを紹介していきます。

遺言書作成には遺言能力と時期が大事!相続問題で兄弟争いの体験談例

遺言能力

原則として遺言は代理で行うことができず、また15歳に達すれば遺言することができます。

未成年者であっても ここに保護者の同意は不要です。

「遺言能力なし」とされるケースとは?

遺言能力

ただし15歳以上であっても「遺言能力なし」とされるケースがあります。

高齢者で認知症の疑いがあると医師から診断されている場合や、その他の精神疾患により意思能力がないと判断された場合です。

そういったことを考え合わせると、遺言書はあまり遅くならないうちに作成するのが良いということですね。

認知症だけでなく、高齢になると・・・

高齢になって自分の生活が子供に支配されると 遺言を自分の意思で自由に作れなくなったり 逆に作りづらくなってしまうこともあります。

遺言は自分の立場が強いうちに作成しておくのが最善でしょう。

相続は財産がない家庭の方が揉める!だから遺言が必要になる

遺言能力

我が家は財産がないので相続争いは起こらないですよ

…と言う人もいますが、決してそんなことはありません。

相続争いの原因のひとつは財産の額が少ないことにもあり、相続争いの遺産の額は 争いの70%が5,000万円以下です。

相続争いをなくすには 例えば自宅と預貯金の分配について平素からそれを都度口に出して しっかりと相続についての希望を伝えておくこと。子供達の意識に分配内容を植え付けながら 遺言書を作成するのが望ましいです。

遺言書の存在が相続争いを完全に防ぐものではありませんが、遺言書の有無で相続人の姿勢が変わってきます。やはり元気なうちに遺言は作成しておきたいものです。

遺言書作成のタイミングはいつ?

遺言能力

遺言書を作る時期は思い立った時です。何かきっかけがあった時やタイミングを見て色々と考えずに一気に作りましょう。

もしあなたが誰かから「認知症じゃないの?」などと言われたら、それは遺言書を作成する最後のチャンスかもしれません。

認知症と診断された時の問題点は 契約事項ができないこと。相続人からあなたの意思を信用してもらえなくなります。分配の意思が不確定だからです。

認知症の診断を受けた方が作成した遺言書は 無効になります。

認知症になると財産が凍結されることもありますので、認知症と診断される前に遺言書を作ることをお勧めします。

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【相続問題で兄弟争いの体験談】遺言書があれば絶縁は免れたはず!

遺言能力

これは私の父と伯父との間で起きた相続争いと兄弟絶縁のエピソードです。

私の祖父は事業を先代から引き継いで続けていました。

その会社を引き継いだのは高卒で働き始めた祖父の長男である伯父(50代) 祖父が希望して同居していたのが祖父の次男である私の父親(50代)でした。

祖父の希望は会社を長男に 持ち家を次男に残すということでしたが、そこまで明確に考えていたにも関わらず、なぜか祖父は遺言書を作ることなく 2015年にこの世を去りました。

祖父が他界して相続が発生した時にわかったのは、祖父の会社は多額の借金を抱えており、会社も持ち家も借金の担保に入っていたこと。私たちは債権者からは

今すぐ担保物件を処分してお金に変えろ!

…と迫られましたが、当時その持ち家には私達家族が住んでいました。

何とか持ち家の担保を外してもらうために父親がまとまった額の現金を用意したところ、会社を引き継いだ伯父が父に向って

その現金は祖父が残したものだ。お前が勝手に使うな!

…とぴしゃり!これが争族の始まりでした。

遺言能力

伯父は大学進学を断念して祖父の会社を継いでいたため、自分だけ希望通りに大学に進学させてもらった私の父は兄に対して負い目を感じていたのですが、そんな弟(私の父)に兄(伯父)は

俺は好きでオヤジ(祖父)の会社を引き継いだんだよ。

…と頻繁に話していたこともあり、子供の目から見ても 彼らはとても仲の良い兄弟でした。

会社と持ち家を残すために、私たちは祖父の思い出が詰まったものでも売れるものはすべて処分してお金に変えました。

遺言能力

父と伯父との間の相続問題がどうなったのか 当時20代の私には金銭面についての詳細が知らされることはありませんでしたが、最終的には会社も持ち家もなんとか残すことができたところで決着しました。

しかし父と伯父の絶縁は確定、そしてそこに残ったのは箱物だけでした。

身内の争族に、会社の従業員や取引先は嫌気が差したのか ほとんどの人が離れていきました。

やっとの思いで残した持ち家は サラリーマンの父親が管理するには広すぎて修繕が追い付かず、数年後にその土地の一角で小さい家に建て替えました。

箱物が大き過ぎるのは会社も同じで、多くの従業員が去った会社は存続が難しくなり、伯父はほどなくして事業をたたみ 建物を取り壊し 更地にして貸し出すことにしました。

私

子供達が相続のことで争うのを、おじいちゃんはあの世で見たくなかっただろうな。遺言書があれば 金策が大変なことに変わりはないけど、兄弟2人がここまで揉めることはなかったんじゃないかな。

身近で争族を見てきた私は 財産の多少にかかわらず 残していく者に迷惑をかけないようにしっかりと遺言書を書いておくことの必要性と重要性をひしひしと痛感したのです。