土地の無断使用でもめた話!他人の土地の無断使用はどんな罪になる?
これは2016年7月にあった、私の土地の無断使用を解決したときの話です。
私は相続により自宅から車で1時間程度の離れた更地を取得しました。
相続手続き(納税や登記)が終わった後に現地を確認に訪問すると その土地に見知らぬ原付バイクが停まっているところに遭遇しました。
その土地は住宅地の中の一角だったので

たまたま近所の人が停めているだけかも…。
…と思い、その場では何も対応はせずに帰りました。
その後も約一か月くらいの間に 曜日や時間帯を変えてその土地を訪問して確認すると、やはり前回と同じように見知らぬ車と原付が私の土地に数台決まって駐車していることがわかってきました。
近隣の家を訪ね歩いて話を聞いてみたところ、そこに停めているのは近くの会社の従業員であることがわかりました。
相続した土地が駐車場として使われていた
通りがかりの近所の方に「自分がこの土地の所有者である」を伝えた上で 駐車してある車や原付バイクについて尋ねてみましたが 詳細がわかりませんでした。
そのため停めてある原付をスマホで撮影して、近隣の警察署へ相談することにしました。

長期間停めてあるところをみると、この原付は盗難車かもしれないですね。
…ということで警察から原付の所有者の自宅へ電話を掛けてくれましたが、コールはするも誰も電話に出ないため 詳しいことがわかりませんでした。
所有者については個人情報であるため教えてはもらえず、

現状では犯罪に関わりがあるか不明ですから、電話を掛ける以上の対応はできません。
…とのこと。仕方なく更地の近隣の家を訪問し、不法駐車の車と原付のことを訪ねて歩くしかありませんでした。
そんな中、ご近所の数件を訪問したところで、近くの会社の従業員が停めていることが分かったのでした。
土地家屋調査士を借り出して隣人を納得させたが…
私は自分の土地を無断で使われている状況なので、法務局で登記情報を調べてから 隣地の所有者の自宅を訪問しました。そして登記事項証明書や公図を使って状況を説明しました。
何度か話し合いに訪問したものの、隣地の所有者は自分が土地を私の土地を勝手に使っていることを納得しませんでした。
そこで以前より付き合いのあった土地家屋調査士と共に隣地所有者を訪問し、公図と住宅地図を照らし合わせて説明をすることで やっと状況を理解してもらうことができました。
この所有者は私の土地を自分の土地だと勘違いして 近くの会社の従業員用の駐車場として貸し出していたのです。
隣地も私の土地と同様に更地で しかも地続きとなっていたため 2区画を1区画と勘違いしてしまったとのことでした。
意味不明な隣人に悪戦苦闘し弁護士を依頼して解決
そこまでは「勘違いで申し訳ない」で終わる話だったのですが、この所有者は

すでに駐車場として貸しているのだから、このまま貸し続けたいのだが。
…という身勝手な申し出をしてきました。
私はその申し出をはっきりと断ったのですが、駐車場利用をやめるつもりはさらさらなかったようで、私の土地もしばらく継続して貸し続けられていました。
なんとも意味不明な隣人なので このままでは埒が明かないと思いました。
そこで知人に弁護士を紹介してもらい この所有者に直接交渉してもらうことになりました。さらに弁護士から従業員の駐車場として借りている会社へ その違法性を連絡してもらいました。
弁護士が出てきても 隣地所有者は納得しませんでした。
しかし借りていた会社の社長の方は良識のある人で助かりました。私の訪問と弁護士からの電話の説明から状況を理解してくれたのです。
「駐車場の利用をやめます」と申し出てくれたことで、この件はようやく解決しました。
他人の土地を無断使用したらどんな罪になる?
【関連記事】土地の無断使用をされた場合には、土地の所有者の権利を侵害する行為ですので、不法行為(民法709条)に基づき損害賠償請求をすることができます。
「普段使用していない土地だから損害はないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、そのような土地であっても損害賠償を求めることは可能です。
この場合の損害としては、土地の使用料相当額であり、たとえば、他人が駐車場として利用していたのであれば、近隣の土地の駐車料金の相場を請求することができます。
他人の土地を勝手に使用する行為は、刑法上の不動産侵奪罪に該当する可能性があります(刑法235条の2)
不動産侵奪罪とは、不動産に対する他人の占有を排除して、自己または第三者の占有に移すという犯罪です。たとえば、他人の土地に勝手に家を建てたり、資材置き場として土地を利用したりするような行為を指し、土地の所有者が不動産を侵奪されていることを認識しているかどうかは問われません。
不動産侵奪罪の法定刑は、10年以下の懲役と規定されています。不動産侵奪罪は故意犯ですので、他人の土地とは知らずに使用していたというような境界の越境事案については適用はありません。
引用元:他人の土地を無断使用すると罪になる?