相続人調査を自分たちでやってみた体験談【離婚バツイチの遺産相続】
これは2021年10月に亡くなった 離婚歴のある叔父の遺産相続を親族で解決した話です。
2021年の10月に亡くなった叔父は若い時に結婚しており、妻と3人の子供がいました。
当時会社を経営をしていた叔父は30代で事業に失敗。40年ほど前に親や兄弟を頼って一家そろって私たちの住んでいる地域に戻ってきましたが、それからしばらくして奥さんは3人の子供を連れて家を出て行ってしまいました。
事業に失敗した叔父はとうとう事業をたて直すことができなかったので、当時やけになって家族に当たり散らしていたそうです。奥さんはそんな夫に嫌気がさし、いたたまれなくなったものと推測されます。
そんな叔父は晩年にバイクで出かけて交通事故に遭いました。骨折と脳の手術を受けて長期入院中している間に少しずつ認知症が進み、施設に入所していましたが、85歳で亡くなったのです。
相続人不在で死後事務手続きが滞る
叔父が亡くなった後に施設からの連絡で 叔父が300万円ほどの預金を残していることがわかりました。とりあえず火葬はしたのですが、遺骨を引き取る者がいないので 一時的に施設で預かってもらうことになりました。
叔父には3人の子供がいますから彼らが法定相続人です。叔父の遺産相続については妹である叔母や姪である私にはどうこうする権利はありません。
施設の後始末や叔父の遺品整理・供養などをしようにも、叔父の残した預金は相続人である3人の子供たちしか、法律上引き出すことはできません。
そこで行方が分からなくなっている叔父の子供達3人に なんとか連絡を取る方法を考えなくては…ということになりました。
自分たちで相続人調査をやってみた
私たちは、居所がわからない子供たちの所在を何とかして調べる方法を模索しました。

探偵や興信所に頼んで、現住所を探してもらうとか?
…という意見も出ましたが、探偵や興信所は多額の費用がかかるのでやめることにしました。弁護士や司法書士にまとめて調査を依頼することも考えましたが、やはりこちらも大きな費用がかかります。
そこで、私と妹と叔母の3人で協力して 叔父の戸籍をたどって3人の子供たちの現住所を探すことにしました。
市役所で戸籍謄本を取ると子供達3人の名前が載っていますから、さらにそこから彼らの戸籍の附票を請求することにしたのです。
そうやって戸籍を辿っていくことで 3人の子供達の現住所がようやくわかりました。
離婚して別れた子供達3人とも相続放棄することに
私たちから3人のいとこ達に宛てて、彼らの父親(叔父)が亡くなったこと、遺骨のこと、残した預金のこと、まだ死後事務手続きが残っているので連絡してほしい…という旨の手紙を送りました。
すると、3週間ぐらい経って、その手紙の返信が届きました。

幼い時に父と別々に暮らし暮らすことになって それ以降、私たちは「父親はいない」と思って生きてきましたから 父の遺産は受け取りません。3人ともこれから正式に相続放棄の手続きを取ります。
私たちはその手紙を見て少し残念に思いましたが、彼らの意思がはっきりしたことで、これから私たちがやるべき手続きがはっきりしたので、その点は良かったと思いました。
戸籍の附票を市役所に請求すると、音信不通になっていたとしても 親戚の現在の住所がわかることを、今回の経験を通して 私ははじめて知りました。
いろいろと手続きなどが面倒でしたが、調査費用を抑えることができたことはとても助かりました。
相続人調査は行政書士の得意分野
「街の法律家」と呼ばれる行政書士は、相続人調査で戸籍謄本をとる時に頼りになる存在です。
自分たちで調べられない場合に相続人調査をメインに依頼するなら行政書士がおすすめです。中には家系図を作成してくれる行政書士もいます。
ちなみに弁護士は遺産相続でもめ事や紛争が起こった時に相談する相手で、これらのトラブル解決は弁護士の専売特許です。
司法書士も法律全般に通じているので相談はできますが、弁護士のようにもめ事の仲裁はできません。司法書士は不動産相続時の登記変更などをメインとした専門家です。
相続手続きに必要な戸籍謄本とは?
戸籍にはその人物の出生から死亡までの間の親子関係、婚姻関係、養親子関係等に関する事項が記載されています。相続人を確定するには子や親や兄弟姉妹の有無の確認が必要なので、戸籍の調査が絶対条件になっています。
戸籍には戸籍謄本と戸籍抄本の2つがあります。戸籍謄本はその対象人物の籍に入っている、又はその者が入っている籍の全員の関係が記載されています。戸籍抄本はその対象人物以外の記載はありません。相続人の調査においては家族関係をすべて網羅している必要がありますので戸籍抄本ではなく戸籍謄本が必要となります(相続人の戸籍は抄本で済む場合があります)
また、婚姻したり死亡すると、その者は従来の戸籍から外れることになります。これを除籍といいます。つまり相続は被相続人の死亡により始まりますので被相続人は相続開始により戸籍から除籍されることになります。すなわち相続手続きでは相続人の戸籍謄本と被相続人の死亡を証明するため除籍の記載がある戸籍謄本または除籍謄本が最低でも必要となります。
引用元:相続遺言サポートオフィス
戸籍・除籍等は誰でも取ることができる?
戸籍・除籍等を請求できるのは、原則として、ご本人・配偶者及び直系血族(祖父母・父母・子・孫等)の方のみです。(ただし、配偶者・直系血族であることを証明できる戸籍謄本等の提示が必要な場合があります。)
例外としては、相続手続が生じたときに直系血族がいないときなどは、法定相続人となる傍系血族(兄弟姉妹・おじ・おば・いとこ)の方が請求できる場合があります。また、裁判手続など、正当な理由がある場合にも、それを証明する書類をお持ちになれば、第三者でも請求できる場合があります。それ以外の場合は、ご本人の記載した委任状が必要ですので、ご注意ください。
引用元:中央区
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