負動産相続の痛い体験談!兄弟一人だけ相続放棄しない無知強欲な話
30代男性 私の母(70代)は5人兄弟の長女です。母の父親が亡くなったときに 母方の長男(80代)がすべての財産を相続しました。
その後に長男が他界した時、他の3人の兄弟は相続放棄しましたが、長女である私の母一人が相続放棄せず、築古の家・土地、100万円の預貯金を相続しました。
…と考えるのが普通ですが、そんなことは深く考えずに母は相続を決めたのです。そしてそれが間違いのもとでした。
無知強欲だと相続で痛い目に遭うという典型例だった…
母は昔から楽観的な性格で

もらえるモノは何でも全部もらっておこう!
…と考える人です。
古い家と土地と、わずかばかりの100万円の預貯金が手に入るとのことで、あまり深く考えずに「ラッキー♪」と軽いノリで相続人になりました。
つまり欲に駆られた…目の前のプラスの要素だけしか見ておらず、マイナス要素など全く考慮していなかったのです。
それ以前に 母は
…ということを全く知らなかったのです。しかも、もし要らなくなったら

返せばイイや!
…と単純に考え、ありえないほど相続を軽く捉えていました。
…ということも知りませんでしたが、そもそも母が相続放棄の手続きを期限内にしなかった理由は 単に「強欲」と「無知」 恥ずかしながらこの2つです。
売れない土地+空き家の解体費用200万円!結局100万円のマイナス相続
母の相続はマイナスにしかならない要らないモノまで付いてきて、たいへんな負担費用が発生してしまいました。
…という現実に直面し、そこでまず解体費用が200万円発生しました。
相続した預貯金100万円だけ見たら確かにプラスの遺産ですが、解体費用を差し引けば単純計算でマイナス100万円。
山奥の土地が売れずに所有すれば 固定資産税を毎年払い続けるわけですし、建物を解体して住宅がなくなり更地になった土地は固定資産税がこれまで以上に跳ね上がります。
これらをずーっと払い続けていくとなると とんでもなく大きなマイナスですが、相続してしまった以上は延々とマイナスを引き継がなければいけません。
重い経済的負担はもちろん、それまで仲が良かった兄妹との関係にも亀裂が入りました。
相続放棄だけでは済まない負動産管理のむずかしさ

こんな家も土地も要らない!
…と相続を放棄しようと思っても、時すでに遅し。
相続放棄の熟慮期間(3か月)が過ぎてしまった段階で法定相続人となることが確定します。
法定相続人全員が相続放棄したとしても、それだけで済むわけではありません。民法940条では

相続放棄は受理されても、財産管理人などをたてない限り、管理責任が残る
…とされていますので、その後の事務処理も山積しており、どちらに転んでも相続は大変な大仕事です。

【兄弟は他人の始まり】負動産と知っていて相続放棄?なぜ教えてくれなかった?
母の兄弟3人は負動産と相続の難しさを知っていたから、相続放棄をしたのだと思います。
面倒な処理を長女である母が一手に引き受けなければならなくなることを、彼らがどこまで理解していたのかはわかりませんが、
…と思いました。
デリケートなことなのでお金についてはあまり触れたくなかったのでしょうが、それでもこれは…「仕打ち」と呼ばれても仕方がないです。後始末を長女一人に押し付けて、自分たちは難を逃れたわけですから。
母の自業自得もあるので 親族を一方的に責めるわけにもいきませんが、
…と思わざるを得ません。
それまでどんなに仲良くしていても 家族であろうが親族であろうが、お金が絡むとギクシャクするものです。
それを実感した出来事でした。
