【遺産相続が争族になった体験談】争族の原因・事例・対策を教えて!

監修者
オレンジ@終活ガイド

終活の必要性を感じてホームヘルパー2級と終活ガイド1級を取得した 関東在住のおひとりさま予備軍女性です。友人知人からの相談に 資格を活かした終活のアドバイスをしています。このブログでは人生100年時代に 使える・役立つ終活の方法を紹介していきます。

争族は交通事故のようなもの。知識という保険が必要不可欠【30代男性】2010年5月

遺産争族

登場人物:80歳代の被相続人の祖父/祖父の事業を引き継いだ50歳代の叔父(祖父の長男)/祖父の次男で祖父と同居していた父親(50代)/孫で20代の私。

祖父の会社を引き継いだのは高卒で働いた祖父の長男でしたが、祖父が希望し同居していたのが祖父の次男である私の父親でした。

祖父としては、会社を長男坊に、自宅を次男坊に残すつもりだったようですが、相続した時には祖父の会社は借金を抱えており、会社も自宅も担保に入っていました。

債権者は担保物件を処分してお金に変えて欲しいと言うのですが、自宅には私達家族が住んでいます。

担保を外してもらうために父親が現金を用意すると、会社を引き継いだ叔父が「その現金は祖父が残したものだから勝手に使うな」と言い出したのが争族の始まり…と私は思っています。

しかし叔父側は、私の父親が祖父の財産を勝手に使ったのが、そもそもの争族のキッカケだと思っているようです。

私の父親は大学まで行かせてもらい、就職した会社も父親が選んだため、高卒で祖父の仕事を引き継いだ叔父(父親の兄)に負い目を感じ生きて来ました。

争族が始まるまでの叔父はメッチャ良い人だったし、負い目を感じている弟(私の父)に「好きでオヤジ(祖父)の会社を引き継いだ」と頻繁に話していたこともあり、子供の目から見ても仲の良い兄弟でした。

同居している私は祖父に色んなモノを買ってもらったし、どれも祖父との思い出が詰まっているのですがが、お金がいるとのことで それらは叔父が処分してお金に変えてしまいました。

子供達が相続のことで言い争うのを祖父はあの世で見たくないだろうな…そう考えたら祖父に買ってもらったモノは処分して良かったのかもしれないとも思えます。たとえ処分されても思い出は残りますし。

最終的には会社も家も残ったのですが、箱物が残っただけ。身内の争族に、会社の従業員や取引先は嫌気が差したのか 離れていきました。

争ってまで残した家ですが、サラリーマンの父親が管理するには広すぎて修繕が追い付かず、近々、小さい家に建て替える予定です。

箱物が大き過ぎるのは会社も同じで、多くの従業員さんが去った会社では存続が難しく、近々、更地にして貸し出すことになっています。

「先代(祖父)は偉大だった」とよく耳にする私達家族の中で特にそのことを痛感しているのは相続人である叔父(長男)と父親(次男)です。

この長男と次男の関係が修復するまでに約10年掛かりました。今では2人で祖父の墓参りをしていますが、10年で叔父と父親はずいぶん小さくなった、いや、叔父達が小さくなったのではなくて 祖父が偉大過ぎたのかもしれない。

争族というのは交通事故に似ていると思います。

望んで事故を起こすということはなく、事故は突然起こるもの。事故を起こすと、加害者と被害者に二分されますが、加害者だって望んで事故を起こしているわけではありません。

望んで起こすわけでない交通事故のために、常日頃から保険を掛けておく。相続の際の保険は、常日頃から相続に関して勉強をしておくこと、遺言を準備しておくこと。相続が決まってから慌てて勉強するようでは遅すぎます。

この世に生まれた以上、ほとんどの人が一度は相続を経験しますが、大多数が相続に関して無知すぎるのです。

相続に関して知識があれば、得はしなくても損もしません。今からでも遅くないので、誰もが相続について勉強をすべきです。

相続時の姉の狡猾さに失望して以後没交渉【40代女性】2016年1月

遺産争族

登場人物:父親(死去)享年63歳・一人暮らし(私の母親とは離婚)/姉は当時38歳、既婚で二人の子持ち/私は当時34歳、独身で一人暮らし

父親の死去に伴い、相続の話になりました。ちなみに当時の私は遠方に住んでいたため、葬儀の手配から何から何まで姉任せにしてしまっていました。

相続といってもたいした遺産がないことは最初からわかっていましたが、遺産がないどころの話ではなく 父は負債を抱えていたことがわかりました。

姉の話では、私が相続放棄の書類にサインをすれば負債も放棄できる、それが私のためだ…ということでした。

私は相続についての知識がなかったことや葬儀や面倒な手続きの一切を姉に任せっきりだったこともあり、姉の言葉に素直に従いました。姉に対して後ろめたい気持ちがあったのかもしれません。

それでも今思えば、きちんと調べたり 話を聞くべきだったと後悔しています。というのも、私は結局遺産がどの程度あったのかということを確認することもなく、相続放棄の書類にサインをして返送しました。

しばらくして、姉が父親が生前住んでいた家と裏山を売却したことを知りました。

その時になって初めて、父には夫妻だけでなく家と裏山という財産があったことを知りました。

それについて私が問い詰めても、それらが一体いくらで売れたのかすら 姉は答えてくれませんでした。

家の片付けや修繕、葬儀の費用などに売却代金を全て充てたということでしたが、最後まで具体的な金額は聞けませんでした。

以前から姉妹仲は良くありませんでしたが、このことが決定打となり、私たちは仲違いしてしまいました。これ以降、顔を合わせるのは父親の法事の時だけです。

お金のことは身内であっても話をしにくいものですが、その後の良好な関係のためにも、ハッキリとさせた方がよい場合もあります。

また、私のように何か後ろめたく思うことがあっても、その気持ちと相続権があることは別問題。身内でも注意しなければいけないと痛感しました。

争族は司法書士より弁護士に頼むべきと痛感【60代男性】2017年12月

遺産争族

親の後を継いで兄(60代)が農業をやっていますが、父が亡くなり、預金や家屋や土地について次男の私と分けることになりました。

争族のきっかけは、遺産の分割の仕方です。

預金については半分ずつで分けるということで決着がついてほっとしてましたが、家屋と土地について兄は「全部自分によこせ」と言いました。

私は次男で東京に出てきていましたから 相続を放棄しろというのでした。

不動産は相当なものでしたから 私は承伏できない!と揉めました。

その後も話し合いが何度か持たれましたが 兄は「自分が農業を引き継いでいるのだから」と言って譲りません。

私は法律通りの分け方が一番無難だと思っていたのですが、兄は全く承知しませんでした。

私は当然私のもらえる権利を放棄するなど考えられないことでしたから、何度か帰郷して話し合いの場を持ちました。

私自身も子供の学費問題や家屋の新築等をしていて お金が必要な時期だったので引き下がるわけにはいかず、くいさがりました。

まあ、今にして思えば それほど執着しなくてもよかったのかな…とは感じていますが。

最終的には、兄の方が少し譲ってくれて「家屋と土地を自分の名義にする代わりに一定の額を渡すから それで納得してくれ」とのことでした。

正直言って提示された金額は微妙で、もう少しもらえたらとは思いました。

しかし妻が「兄弟で争っても仕方がないから、ここら辺で了承したら」と助言してくれたのです。そこで兄と和解して なんとか相続問題に決着がつきました。

兄弟で親の遺産を分ける時には、お金がかかっても腕の良い弁護士を立てると物事はもっと明快に進むと思います。

私の場合は司法書士だったので、いまいち力がありませんでした。二人だけの争いでなく、力ある第三者を立てることをお勧めします。

遺産相続で手のひらを返した親族と絶縁【30代女性】2000年11月

遺産争族

登場人物:父親の兄弟…父方の伯父50代/伯母50代2人/父親40代/私10代/弁護士30代

父方の祖父母が事故で一度に亡くなって以来 遺産争いが始まりました。その時に伯父伯母達の猛反対を受けて 最終的に父は相続を放棄しました。

私の父は祖父母にとって遅く出来た子供でとても可愛がられていました。さらに父親が晩年の祖父母の面倒を一人だけで見ていた為、遺産を多めに相続する予定だったのです。

しかしそれは口約束によるもので、祖父母は遺言書を遺してくれませんでした。

相続問題が持ち上がるまでは週に一度は伯父の家にみんなが集まって食事をしたりしていて 親族の関係は良好でしたが、金の切れ目が縁の切れ目。相続を機に一気に険悪な関係になり、私自身も人間不信になりそうでした。

当人の話し合いでは解決には至らなかった為、最終的に弁護士を雇う予定でしたが、父親が「そこまでして遺産を相続したくない」と言ったので 結果的にうちは遺産相続を放棄。

それに伴い一切の親戚付き合いや連絡を拒否して 絶縁という形を取りました。あれから20年近くたちましたが 伯父伯母の葬儀にも参列せず、従姉達との付き合いも全くありません。

遺産争いは本当に労力とストレスを伴うものなので、相続の予定がある場合には必ず形に残るように遺言を残しておくべきです。

いくら口約束をしてもそれをよく思わない人間はどんな手を使っても相手を陥れようとするので用心が必要。それは例え血が繋がった身内でも例外ではありません。

 

遺言書がないことで兄弟があっさりと絶縁【60代女性】2010年10月

遺産争族

登場人物:私の夫は当時56歳/夫の長兄63歳/夫の次兄59歳/長兄の嫁59歳

夫の母親が亡くなり、その数年後、夫の父親が亡くなりました。

夫は男ばかりの兄弟の三男で、長兄は父母が住む実家の敷地内に家を建て住んでおり、次兄は父母が住んでいた実家の近所に住んでいました。

上の二人の兄たちは、父母らの生前に自分らが家を建てた土地を譲り受けていました。

夫の父が遺した財産は、実家の敷地、田畑、山、預貯金などと思われましたが、義父は遺言書を作らず、相続に関して何も取り決めもしませんでした。

私の夫だけが何も相続するものがないのは、常識から考えるとおかしいと思いましたが、相続人でもない私には、夫側の家の事情なので口出しはしませんでした。

義父が亡くなって納骨が終わった頃、長兄から手紙が来ました。財産を放棄してほしい旨の文書が同封されており、捺印するように…ということでした。

それを見た夫が大激怒したので、私は面倒な事になった!と思いました。

夫は怒りつつも、書面に捺印して財産を放棄したようです。夫は私に何も言いませんが、遺産らしいものは入ってきませんでしたし、その後は長兄と一切の付き合いがなくなったことに私も気づきました。

結果的に、おそらく長兄が全ての財産を相続したのではないかと思います。

私たちは亡き父母の法事にも顔を出すこともなく、年賀状のやりとりなくなり、もうかれこれ10年以上が経ちます。

夫は実家のある所在地の県には旅行ですら足を運ぶことも嫌なようで、テレビでその県が紹介されるだけでチャンネルを変えます。

遺産相続は兄弟の関係が悪化するだけでなく、その後の付き合いまで断絶するようなことになります。

自分が亡くなった後の家族のことを思うなら、生前に遺産のことを子供たちと話し合い、遺言を残すことが大事だと思います。

争族には弁護士という第三者を早めに依頼すべき【40代男性】2019年5月

遺産争族

登場人物:亡くなった父が80歳で、兄が50歳・兄嫁が47歳・私は47歳・私の妻が44歳・弟が38歳・弟嫁が38歳

2019年5月に父が脳梗塞で急逝しました。

通夜と告別式が終わって親族を見送った後に 兄・兄嫁・私・私の妻・弟・弟嫁の6人でファミリーレストランに行き食事をしながら父の話をし始めた時に「で、遺産どうする?」という兄が発した一言がきっかけで兄弟同士の遺産争いが始まりました。

私が「どうするって、そりゃ3人で公平に分けるだろ。」と発言したところ、兄が「いや、俺は長男だからいっぱい貰う」弟が「いや、最後に仲良くしてたのは俺だから俺がいっぱい貰う」となり議論が紛糾していきました。

兄と弟の発言を聞いた時の私の心境としては、(3等分にするのが1番平和的だと思うんだけどな)と呆れながらやり取りを聞いていました。

今思うと、私は父とあまり仲が良くなかったので、私の取り分は少なくていいから 兄と弟でうまく分けてくれと言えばよかったな。遺産相続の話が出たとき、もめにもめるところまで行く前に何とか落ち着いて話し合いの場を持てるようにすべきだったと後悔しています。

兄と兄嫁チーム対弟のと弟嫁チームの議論が平行線のままだったので、私と私の妻がまず話し合い、その結果「とりあえず落ち着いてくれ。2人の言い分はわかったから弁護士を入れて客観的に判断して貰おう」と伝えることに。そしてその通り弁護士を介入させることにしました。

弁護士を入れて7名で協議した結果、兄は現金500万円と都心のマンション一室、私は現金500万円、弟は現金600万円と地方の実家を相続する事になりました。

遺産相続の話が出たら兄弟や親族が争うようにならないように、身内だけで話し合うのは避けた方がいいと思います。

さらに各自に弁護士をつけるのではなく、相続人がまとまって1人の弁護士にお願いして判断してもらうのがいちばん良いと思いました。

お金に意地汚い親族を見て子供の金銭教育の必要性を痛感【40代女性】2015年6月

遺産争族

登場人物:義祖父90歳/義父母60代/義祖父の兄弟たち80代4人とその子供たち/私たち夫婦40代

義祖父が亡くなる前、私や義父母が住む土地には、昔の工場後の広い土地がありました。

その土地は義祖父が元気なうちに相続税対策をしておかないといけないとということで 義父母や私たち夫婦で話し合って法人化してマンションを立てようとした・・・それが争族のきっかけとなりました。

今まで笑顔でいた義祖父の兄弟とその子どもたちが家に乗り込んできて、土地を分けろ!分けないなら金をくれ!と言ってきました。

困ったときにお金をせびりにくるのが普通の親族だったようで、今までの付き合いさえ薄っぺらくみえて、軽蔑しました。

土地を持っているとお金があると思っていたのでしょうが、そもそも義祖父は経営が上手い人ではなく、現金なんてそんなにありませんでした。

義祖父もはっきり断るなりの対応すればいいのに、面倒なことはすべて義父母に任せっきり。傍から見ていても2人は気の毒になりました。

土地を守るためにすることだからこちらも借金を背負う可能性がある。それを一緒に背負えるのか!?と返したらとたんに無口になる親族もいましたが、それでも食い下がってきた親族もいました。

「いくらかのお金を渡すことはできるが、二度とこの家の敷居をまたがせない!それでもいいか?」とまで言われても 平然とお金を受け取っている親族の姿を見て、最低だな…と思いました。

人はお金がないと自立もできない。軽蔑される人間にもなる。どこかで甘えられると思ったら、本当に落ちるところまで落ちるものだなと思いました。

財産を持っている人は、相手のことを考えて厳しくも突き放せないといけないなと思いましたし、子どもや兄弟には自立できるお金の教育は絶対に必要だと、争族を通じて感じました。