相続放棄の費用は自分で手続きしたら数千円で済んだ体験談
40代女性 これは義父が亡くなり相続が発生したものの 自分で相続放棄することになった時のエピソードです。
義父(60代)は外国人の同世代女性(60代)と再婚して2人で暮らしていましたが 持病により他界しました。
他界してから義父の借金が発覚しましたが、これについてはその存在を継義母も把握しているにもかかわらず

借金は息子が返して。私はこの家をもらうし、ここから出て行くつもりはない。
…といった「我関せず」的な言動を見せていました。
借金は金額にして200万円ほど…と聞きましたが、継義母もはっきり把握していない様子です。
借金の詳細は不明な状態で このまま相続を進めていいものかわからず、私たちは困惑しました。
相続遺産は義父夫婦が暮らしていた持ち家がありましたから 売却すれば借金は完済出来ると思ったのですが、継義母が持ち家の売却を拒否した上で、こうはっきり明言しました。

お金がないから、借金は返せない。
私達には子供もいて、これから何かと要り用な世代です。

借金は1円でも肩代わりしてしまうと、全てこちらで払わざるを得ない状況になるだろう。それは避けたい。
プラスの相続はほぼ期待できないと考えた私たちは相続放棄をすることを視野に入れて 行政書士に相談したところ、

プラスの相続が今後出たとしても「受け取らなくてもいい」決意ができるなら、相続放棄がいちばん良いでしょう。
…という結論でした。

亡くなった本人しか把握していない借金は、個人的な貸し借りがあったと後々発覚する場合もあります。きちんとした金融機関からの借り入れであれば 調べれば全額把握できますが、個人的な貸し借りや、違法な金融業者からの借入の場合、第三者が調べるのはほぼ不可能です。相続した後になって思わぬ借金が後々発覚するケースも考えられます。

これは万が一プラスの相続があったとしても けっこうリスクがあるのでは…。
…と私たちは判断し、最終的に相続放棄することを決意しました。
義父の再婚相手である継義母にはその内容を伝え、継義母自身にも相続放棄をすることを勧めましたが、自宅を手放したくなかったようで 彼女は聞く耳を持ちませんでした。
最終的にはスムーズな意思疎通が困難となり、音信不通となってしまいました。
私達は外国人である継義母が日本でこのような手続きをするのは困難であろうと思い、継義母にとってもベストの方法を模索しながら サポートをする気持ちでした。
しかし気持ちが伝わらず、別々の対応をする事になりました。
相続放棄は 行政書士や司法書士、弁護士などに頼むとそれなりの金額が必要です。
安くて3万円、平均10万円前後を代行業務に支払うと聞きました。

相続で放棄するにも、法律家に頼んだら こんなにお金がかかるものなのか!
…と驚きました。
間違いなく相続放棄するには法律家にお願いするのがベストですが、夫が調べたところ

なんとか自分で相続放棄の手続きができそうだ。
…と言うので任せることにしました。
家庭裁判所へ自分で足を運ばなければならないので、手間と時間、細心の注意は必要ですが、窓口で手続きの方法を丁寧に教えていただけたそうで、問題なく相続放棄の手続きを終えることが出来ました。
直系の子供である第一順位の夫がまず相続放棄。第二順位はすでに他界。
最後に第三順位である義父の兄弟たちにも事情を話して順に手続きをしていってもらい、継義母以外のすべての法定相続人で無事に相続放棄の手続きが済みました。
それにしても、相続で受け取るものがゼロなのに こんなにも心労が伴うなんて 当事者になるまで知りませんでした。
相続放棄の手続きを自分でしたので、費用は数千円で済みましたが、

何も受け取らないのに、逆にお金がかかるなんて…なんか矛盾してない?
…と思いましたし、すべてが終了するまで心を削った出来事でした。
相続放棄の手続き費用、法律家に頼んだらいくらかかる?
相続放棄手続きを自分で行う場合の費用は、相続人1人につき約3000円~約5000円程度が目安となります。
■相続放棄の申述書に添付する印紙代:800円(申述人1人)
■郵便切手:500円程度(家庭裁判所によって異なる)
■被相続人の住民票除票又は戸籍附票:300円程度(市区町村によって異なる)
■被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本:750円司法書士に相続放棄の代理を依頼する場合、相続放棄の期限である「3ヶ月前なのか」それとも「3ヶ月が過ぎた後なのか」で費用が変わってくることが多いです。
【相続放棄期限の3ヶ月前の場合】・相談料:0円〜5,000円/60分 ・申述書作成代理費用:3,000円〜6,000円程度(戸籍謄本取得・実費含む) ・代理手数料:20,000~30,000円程度
【相続放棄期限の3ヶ月後の場合】・相談料:0円〜5,000円/60分 ・申述書作成代理費用:3,000円〜6,000円程度(戸籍謄本取得・実費含む) ・代理手数料:30,000~50,000円程度
相続放棄を弁護士に依頼をした時にかかる費用は5万円以上かかるケースが多いです。【料金の内訳】 ・相談料:0円〜10,000円/60分 ・申述書作成代理費用:5,000円〜10,000円程度(戸籍謄本取得・実費含む) ・代理手数料:50,000~100,000円程度 ・成功報酬:なし
引用元:相続弁護士ナビ
