相続放棄兄弟まとめての体験談！第三順位代襲相続まで13人で全放棄
60代男性 これは2年間に渡り、父の遺産整理と相続放棄に奔走したときのエピソードです。
某年1月4日早朝に妹から電話があり、父(80代)が亡くなったことを聞きました。
父は若いころから独立心やプライドが高いアイデアマンでしたが、人に頭を下げることができず、いろいろな会社を興していました。
そこそこ成果を上げるにもかかわらず、人間関係が複雑になってくると周りの人間と衝突しては窮地に追い込まれて会社を倒産させる…ということを繰り返してきました。
まずは第一順位の相続人全員(3人)で相続放棄した
そういった状況だったため、私が幼いころから実家は経済状況が不安定でした。
成長してからは、父は私のアルバイト代や貯めたお年玉などにも手を付けて事業に費やしてしまうというありさまで、経済的なゆとりなどほとんどありませんでした。
私が独立してからも父から度々借金を申し込まれましたが、そのころには私は結婚して子供もいましたので、一切応じませんでした。
そんな経緯があったので 父の死後事務と整理が大変だと覚悟はしていましたし、父の死を聞いたときにまず頭によぎったのは家庭裁判所に相続放棄の申述をすることでした。
1月4日は仕事始めだったので他部署の同輩管理職に自分の部署のことを引き継ぐと すぐに父の葬儀の手配を行いました。
その際に弟と妹に相続放棄の申述のことを相談し、第一順位の相続人(私たち兄弟3人)全員で大阪家庭裁判所に相続放棄の申述をすることになり、私が取りまとめて行いました。
大阪家庭裁判所から我々兄弟に相続放棄申述受理通知書と相続放棄の証明書が届いた後、それまでに実家の整理をして調べておいた債権者へ相続放棄の証明書を郵送して、第一順位の相続人全員が相続放棄をしたことを通知しました。
相続人調査をして第三順位の相続人10人も相続放棄した
また、同時に相続人調査も行いました。
父の戸籍をすべて調べて第二順位の相続人は全員死亡していましたが、第三順位の相続人が10名いました。
ほとんどが顔も名前も知らない遠縁の者で、生存や住所を調べるのに約半年かかりました。
その人たちに手紙で
第一順位の者は全員相続放棄を行いました。第二順位の者は存在しないので、相続権は第三順位に移ります。第三順位の地位にある人はすぐに相続放棄の申述を行って、私の父の負債を相続することがないようにしてください。
…と注意を喚起しました。あわせて
相続が発生するのは、父（被相続人）が死亡したことを知った時から3か月以内ですから、急いで放棄をするように。
…という内容も添えました。
通知を受けた従妹たちは
なぜ自分たちがそんなことをしなければならないのか？
…と聞いていきましたが、相続制度のことを説明すると 納得して手続きをしてくれました。
相続放棄に関する手続きを終えたあとに、相続するものは 父が残した築70年以上の家と1000万円以上の負債(判明しているだけでも)である…と判断してから、実家の整理と処分を行いました。
そしてすべてを終えた時には 父の死後から２年ほどの月日が流れていました。
相続放棄から債務の把握と空き家処分までに2年の歳月を要した
相続放棄に関していろいろな手続きをしましたが、いちばん大変だったのは債務の把握と空き家の処分でした。
結局、それらすべてにかかったのは2年という歳月と 兄弟三人で負担した約200万円（実家の解体、動産の処分、戸籍調査や次順位相続人への連絡費用、債権者への通知や連絡費用など）でした。
唯一の救いだったのは父が一切ギャンブルをせず、調べた範囲では危険な債権者がいなかったことです。
相続放棄していますので、もちろん現在までそのような債権者から連絡もありません。
これから相続放棄をしようと考えいる人は、できるだけ手続や親戚関係について調べておくことをお勧めします。
第二順位・第三順位の相続人に対する通知は義務ではありませんが、後々のトラブルを避けるという意味ではやっておいたほうがいいと考えて、私は行いました。
