精神障害者手帳2級をもつ28歳男性の就労継続支援B型事業所体験談
私(28歳男性)は精神障害者手帳2級(発達障害)を持っており、就労継続支援B型事業所に通っていました。
もともとは警備員の仕事をしていたのですが車の事故に遭ってしまい、一時的に休職していました。仕事復帰後にどういうわけか以前とは違う変な仕事場に行かされることになり

これは自分が頑張ってするべき仕事なのか?
…と完全に分からなくなる経緯があり、退職してそこからしばらく引きこもり生活をしていました。
しかしある日「このままではいけない!」と思い始めて 社会復帰しようと一念発起。引きこもり支援団体の人に相談して、就労継続支援事業所の数件の見学に一緒に回ってもらい、その中から自分で事業所を選びました。
ちなみにそのときに紹介されたのは、パン屋2つ、食堂1つ、雑貨屋1つ、パソコン作業1つの5カ所でした。
就労継続支援B型施設の利用者層と雰囲気
私が通っていた就労継続支援B型事業所の利用者には18歳から60歳くらいの幅広い年齢層の男女がいて、精神障害者と知的障害者が半々の割合でした。男性は精神障害者が多く、女性は知的障害者の方が多かったと思います。人数は10人ぐらいです。
職員の人は女性が4人、男性が1人の5人。上から目線で叱りつけるような人はいなくて、明るく優しい印象でした。
そこでは全体的に良い雰囲気で活動できていたと思います。でも、音に敏感に反応する人がいたり、知的障害者の人は作業に集中できずにボーッとしている時間があったりと さまざまな状態の人がいました。
就労継続支援B型施設の作業内容
その事業所では基本的に能力と好みに合った作業をしていて、私の場合はステンドグラスと雑貨の両方を作っていました。
私は発達障害で精神障害者手帳を持っていますが 一般就労を2年間した後に引きこもりになったので、利用者の中では能力的には高い方でした。
作業は覚えると簡単なものが多いですが、ミシンを使う場合もあり、誰にでもできる作業ばかりではなかったと思います。
難しい作業が無理な人はスタンプ押し作業や紙袋を作るなど簡単な作業をしていましたが、そういう作業はすぐに終わってしまうので、余った時間は本を読んだり、絵を描いたりと意外と自由にしていたようです。
就労継続支援B型施設の就活サポート
私はそのB型事業所に2年間ほどいましたが、実は最初から一般就労を目標に頑張っていました。でも、「こういう仕事をしたい!」という具体的な目標がないと、職員の人はなかなか動けません。
私は2年間待った後に「待つだけじゃ駄目だな」と思い、自分でハローワークの障害者相談窓口に行きました。
やはり就労に関して相談するならば、まずはハローワークの方に行った方が個人的には良いと思います。しかしどう頑張っても一般就労という型にはめられない障害があります。
利益を出すには効率的に動かないと駄目ですし、出来ない事をやらせようとすると負担が大きくなりますので、個人の能力と適性を見極めないと難しいでしょう。
就労継続支援B型施設を利用してよかったこと
就労支援施設もいろいろで、バリバリに仕事をする所やのんびりと遊び感覚でやる所もあります。
実は私がそのB型事業所を選んだ理由には、利用者の中に可愛い女の子がいたからです。ちょっと不純な動機ではありますが、障害者も人間。好きなものと嫌いなものがあります。好きなことや状況を選んだ方が後悔はしなくて済みます。まあ、その時だけではありますが。
もしも自分が過去に戻れて、最初に就労継続支援事業所を利用するかハローワークに行くかを選べたとしたら、やっぱり就労継続支援事業所を選んだと思います。
仕事内容は忘れてしまっても、そこで誰と何をやったのか、誰が居たのかは今でも忘れません。人との出会いを重視するなら、私なら事業所の利用をオススメします。もちろん悪い出会いもあるので注意が必要ですが。
それに経済的に苦しいようなら生活保護を受けても良いと思うんですよ。そもそも障害者が働けない社会が問題なのですから。
いずれにしても本当にやる気があるなら 最初にハローワークと支援施設の両方を調べた方がいいです。よく考えて決める。ここが重要です。
私の場合はハローワーク経由で就職した仕事場を3年で辞めてしまいました。理由は職場の人間関係が無理だったためで、障害者の自分は利益を求めない芸術家タイプなんだと 自分の適性についてあらためて思いました。
精神障害者手帳3級をもつ30歳男性の就労継続支援B型事業所体験談
私(30歳男性)は精神障害者手帳3級(ADHD・うつ病)を持っており、就労継続支援B型事業所に通っていました。
先に利用していた就労移行支援施設から魚を加工する工場にパートとして入って働きましたが、会社に馴染めずに1ヶ月あたりで退職しました。
その後1ヶ月ほど家に引きこもりましたが、

家にいるより外でどこかに通う方がメンタルが安定するはずだ。
…と気付き、就労継続支援B型事業所に入りました。
その事業所を見学した時にスタッフたちの穏やかな雰囲気が気に入り、また就労移行支援施設で勉強していたイラストレーターが学べるという2つの理由から、その事業所に決めました。
就労継続支援B型施設の利用者層と雰囲気
私が選んだ就労継続支援施設は家族経営の事業所で 理事長が父、施設長が母、チーフが娘、家族以外に女性スタッフが一人の4人体制でした。
家族経営ということもあってアットホームな雰囲気の事業所でした。利用者も穏やかな雰囲気の人ばかりでしたし、良い意味でタメ口でスタッフに話しかける利用者ばかりでした。
私もその一人で、この事業所を退所するまで就労継続支援事業所のサービスを受けている事を忘れてしまうほど、まさに温かい自宅にいるような事業所でした。
利用者の年齢は10代から60代あたりまで幅広い層がいましたが、30代の利用者が一番多かったです。男性よりも女性が多く、男性が3、女性が7くらいでした。
就労継続支援B型施設の作業内容
その事業所でやっていた作業は 手芸や編み物の作品の制作、カフェの運営、ポスティング、イラストレーターの勉強です。ですがイラストレーターの勉強に関しては講師はおらず、本だけしかありませんでした。
この事業所でイラストレーターがいちばん使えるのは私だったこともあり、私がイラストレーターの講師として利用者に教える事になりました。
カフェの運営に関しては、私が入所した時にカフェの店員はスタッフがやっており、利用者はやっていませんでした。
しかし私がコーヒーの淹れ方に興味を持ったことから、僕が事業所の利用者で初めてのカフェ店員になりました。
その後に利用者のカフェ店員が増えて、チャイやコーヒーグラニータなどの商品を開発してメニューとして出すようになったことから カフェはだいぶ繁盛していました。
就労継続支援B型施設の就活サポート
就労継続支援B型事業所の利用者の中にはA型事業所に移ったり一般就職する人もいますが、B型事業所にずっと居続ける選択をする利用者も多いです。
大体A型や一般に就職をする人と事業所に居続ける人の割合は半々でしたが、私のいた事業所ではA型や就職をする利用者に対する定着サポートはありませんでした。
私はこの事業所以外にも何件か就労継続支援B型事業所に通っていたことがあるのですが、ほかのB型事業所のスタッフでも A型や一般就職をする利用者の定着サポートをする事はありませんでした。
個人的には就労継続支援B型事業所でも A型や就職先に移っても定着サポートしてほしいと思っています。
就労継続支援B型施設を利用してよかったこと
このB型施設を利用して私が得られたメリットはたくさんあります。
まずは就労継続支援B型事業所にはA型事業所のように雇用契約はありませんし、就労移行支援施設のように通える年数が決まっていない点がよかったです。
あとはカフェ店員を経験できたことで 苦手だった接客に少し慣れたこと、注文が一気に沢山きても パニックになることなく落ち着いて接客出来たことが自分にとっての良い経験になりました。
さらに事業所の利用者にイラストレーターを教えることによって、物事の説明が前よりも上手くなったと実感し、説明する事に自信が持てるようになったことも私にとっての大きな収穫となりました。
就労継続支援施設A型とB型の違いは?就労移行支援との違いは?
引用元:障害者のための就労移行支援事業所 LITALICOワークス
【関連記事】就労継続支援A型とは、障害のある方が一般企業への就職が不安、あるいは困難な場合に、一定の支援がある職場で雇用契約を結んだ上で働くことが可能な福祉サービスのことを言います。勤務形態は基本的に一般就労と変わりませんが、1日の勤務時間が比較的短い点が特徴です。
就労継続支援B型とは、障害のある方が一般企業への就職が不安、あるいは困難な場合に、雇用契約を結ばないで軽作業などの就労訓練をおこなうことが可能な福祉サービスのことを言います。障害や体調にあわせて自分のペースで働くことができるため、一般就労や就労継続支援A型事業所への移行に必要なスキルを習得することが期待できます。
引用元:障害者のための就労移行支援事業所 LITALICOワークス
さまざまな就労移行支援サービス
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