精神障害者の親亡き後に備える話~入所施設と成年後見人の決定体験談


精神障害者の親亡き後に備える話~入所施設と成年後見人の決定体験談

障害者の親亡き後の施設

これは障害のある息子の「親亡き後」の準備ができた話です。

登場する人物
Aさん:30代男性、知的障害がある
Bさん:60代女性、Aさんの母親
Cさん:40代男性、相談支援専門員
Dさん:50代女性、グループホームの経営者
Eさん:50代男性、司法書士、後見人
私:30代男性、社会福祉士

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)
(定義)第五条 この法律で「精神障害者」とは、統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいう。
引用元:厚労省

親亡き後に備えるための相談

障害者の親亡き後の施設

Aさん(30代男性)には重度の知的障害があり 言葉でのコミュニケーションは取れませんが 性格的には大人しい方です。

養護学校(特別支援学校)を卒業したのち、福祉事業所で軽作業の仕事をしており、休日には親子でジョギングやスイミングを楽しんだり、当事者の集まりなどに行くなどして余暇も充実していました。

Aさんの父親は彼の幼少期に事故死しており、母親のBさん(60代女性)が長らく女手一つで息子を育ててきましたから、BさんはAさんのことを大変にかわいがっていました。

Aさんは単独行動をすることが難しかったので、これまではヘルパーを利用するよりもBさんが同伴することが多かったようです。

ある日、Bさんが健康診断で引っかかり 精密検査を受けた結果、膵臓がんが見つかりました。

それまで自覚症状もなく、親子でスポーツなども楽しんでいただけに Bさんは大変なショックを受けていました。

そのことを相談窓口に来て私に話しました。

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Bさん

いつかは“親亡き後”を考えなきゃと思っていたけれど、こんなに早いタイミングになるとは思わなかった。私が膵臓癌の末期だとわかり、とにかく時間がないんです。私が死んでも息子が一人で生きていけるように、今のうちに急いで準備をしたい。

私はこのことを、Bさんの了承を得てAさんを担当する相談支援専門員のCさん(40代男性)と情報共有しました。

そして色々ある準備の中でもっとも先決だと判断した ■後見人を見つけること ■Aさんののちの住まいを確保すること…の2点を急いでやるべく行動をスタートしました。

障害者の成年後見人手続きと親亡き後の入所施設の決定

障害者の親亡き後の施設

Cさんの知人で司法書士のEさん(50代男性)にこの件を話したところ、Aさんの後見人になることを了承してもらうことができました。

後見にかかわる手続きはEさん自身が迅速に済ませて いつでも後見がスタートできる状態となりました。

その後のAさんののちの住まいを見つけようとする際に、Bさんが治療のために近日中に入院することになりました。

そこでまずはBさんの入院期間中にショートステイを利用するため、グループホーム経営者のDさん(50代女性)に相談すると タイミングよく部屋に空きがあって利用することができました。

当初Aさんは母親と離れることが不安な様子でしたが、特段のパニックなどを起こすことなく ショートステイでも落ち着いて過ごすことができ、また、作業所での作業も通常通り行うことができました。

Dさんからは

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Bさんが退院したらAさんは一旦は自宅に帰るだろうけれど、次の住まいがまた別のところだとAさんも不安だろうから、うちを時々利用して慣れる方がいいのでは?

…という提案があったことから 親亡き後の住まいはDさんのグループホームに決定することができました。

親亡き後も後見人の後ろ盾の元 一人で歩いて行ける

障害者の親亡き後の施設

がん治療を始めたBさんは、当初は元気でしたが やがて急激に容体が悪化し、昏睡状態から目覚めることなく、60代の若さでこの世を去りました。

Aさんが母親の死をどこまで理解していたのかはわかりませんでした。

Bさんが親亡き後の準備を急いで 色んな専門家に頼ったことから、少なくともAさんの権利を守る後見人がいて、グループホームに住まい、そしてこれまでと同様に福祉事業所で仕事も続けることができたことはよかったです。

障害者グループホームとは?

障害者の親亡き後の施設

障害者グループホームは障害者総合支援法で定められた障害福祉サービスの1つで、基本的に同じ障害の方が少人数で共同生活を行う場所です。障害を抱えている方や家族の方が、自分らしい生活を送りたいと考えた時に一人で生活をするのは不安であったり、生活を送る上で困難な場面に対して、障害者グループホームでは日中だけでなく夜間であっても支援やサポートを行うことが出来ます。

少人数での共同生活を営みますので、入浴や排泄といった生活上のサポートだけでなく、様々な相談を寄り添って行ったり、就労に対してのサポートも行うことが出来ます。

障害を抱えていると、どうしても家にいがちで他の人との交流が出来ない場合が多くあり、地域社会から孤立してしまうことがあります。障害者グループホームでは、地域に根差し密着した生活の場になりますので、障害者の孤立を防止したり、生活や将来に対しての不安な気持ちを軽減することが出来ます。

また家族の方にとっても、精神的、身体的な負担を減らすと同時に、将来に対しての不安も軽減することが出来ます。一人で生活をしていくということは利用者だけでなく、家族にとっても不安に感じたり心配に思うことがあります。

しかし、障害者グループホームには専門の知識や技術を有したスタッフが常駐している他、その人個人個人にとって最適な支援やサポートを行ってくれますので、一人暮らしへの移行への第一歩になります。

障害者グループホームは、現在外部サービス利用したり、認知症の高齢者や、異なる障害の方とのグループホームも出来ており多様化しています。
引用元:みんなのまち

 

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