みんなの体験談現場のプロの話毒親・毒家族孤立と孤独死予備軍

セルフネグレクト40代の孤独死!支援も対応も届かなかった患者の話

【監修者】
オレンジ@終活ガイド

生前整理という名の断捨離にいそしみつつアラカンでの熟年離婚を画策中のおひとりさま予備軍女性がこのブログの中の人です。終活に活かすため終活ガイド1級とホームヘルパー2級を取得しています。
 
ここでは人生100年時代に備えた終活と生活のヒント、怖いけど知っておいた方がいい話、トラブル回避のハウツーなどを「事実は小説より奇なり」みんなの体験談を元に紹介していきます。

セルフネグレクト40代の孤独死!支援も対応も届かなかった患者の話

セルフネグレクトの孤独死

これは2018年から2020年にかけて起きた、若い患者の孤独な闘病生活と孤立死に至った話です。

看護師(30代女性)の私が勤務する病棟に運ばれたその患者は40代の男性でした。

40代で生活保護を受けるセルフネグレクトの孤独死

セルフネグレクトの孤独死

この患者は独身で親族とも縁が薄く、40代の若さで生活保護受給しながら生活をしていた人でした。不摂生な生活が仇となって大病に見舞われ、当院に救急搬送されたのが始まりでした。

迅速な処置で一命は取り留めましたが油断出来ない状況が続き、後に病状が安定しても内服薬の調整やリハビリ、退院後の生活を整える必要もあり、長期の入院を余儀なくされました。

入院中もお見舞いに来る人は皆無、入院中に必要な物品も揃えてくれる家人もおらず、常に孤独な状況でした。時々やって来るのは役所の生活保護の担当者のみでした。

彼は1度は何とか退院したものの、また不摂生な生活に戻り、また搬送されて入院…を何度か繰り返しました。救急搬送の回数を重ねるごとに体は蝕まれ、40代という若さにも関わらず いつ死を迎えもおかしくない状況でした。

まさしくセルフネグレクト(ゆるやかな自殺・自傷行為)の典型例でした。

彼の最後の入院となったころには 自分の生活を立て直す気のない患者に対して、医療スタッフもさすがに呆れ果てた状況でした。

そんなある日、この患者の最期がやって来ました。トイレの中で孤独に息を引き取っていたところを発見されたのです。救命処置をするも効果がありませんでした。

結果的に、看取り自体も孤独、亡くなってからも親族が来る事もなく、役所の担当者が遺体を迎えにきて本当のお別れとなりました。

「自己放任」と「孤立」は自分以外には解決できない

セルフネグレクトの孤独死

彼の最初の入院の時は、私を含む医療スタッフ皆がこの患者に寄り添い、生活の是正を出来るよう 今後どう関わるべきかを真剣に考えました。

在宅での医療提供の整備や看護師の訪問など、その患者の生活に一足踏み込める状況を何とか作り、生活状況の把握や修正が出来ないか、かなり濃く関わった経緯がありました。

また親族とも疎遠とはいってもこの患者も人の子であり、両親は健在という情報を役所と共有していました。

役所の担当者に何とか身内に連絡をつけてもらえないか、病院に足を運んでもらう様にお願いしてもらえないかと色々お願いをしたところ、役所の方は連絡を取っては下さいましたが、ご両親は息子に全く興味を示さず、来院を拒む始末だったということです。

両親がダメなら友人でもと思って本人に確認するも、友人だと思っていた人からはお見舞いに来ることを拒否されました。

結果的に、この患者の退院後の生活を一部的に見ていたのは医療スタッフのみということであり、それは継続的ではなく、スポットでの関わりのため、最期まで良い方向には進むことはありませんでした。

私はこの事例を通して、生前は親族や周りにいる友人達、自分に関わる人達を大事にする事が何よりも大切であると心から思いました。

孤独な状態で病気と闘い、そのまま孤独に死を迎えるというのは本当に淋しく、なんとも言えない切ない状況です。

また自分自身の事も大事にしなければ、体は正直です。医療関係者の一人として、若さで全てをフォローできないことを皆様に分かっていただきたいです。

日々の生活と日々関わる人達を大事に、生きていく事が大切であるとお伝えしたいです。

愚行権と生存権

セルフネグレクトの孤独死

認知力や判断力が低下していない人が、自分の意思でセルフ・ネグレクトをしている場合、放っておくべきかどうかという問題があります。

人は「健康に悪い」とわかっていても、それをあえて行う「自由」が認められています。それは「愚行権」という権利です。愚行権とは、たとえ他の人から愚かな行為だと評価・判断されても、個人の領域に関する限り、邪魔されない自由のことです。生命や身体など、自己の所有に帰するものは、他者への危害を引き起こさない限り、たとえその決定の内容が理性的にみて愚行だとみなされようとも、対応能力を持つ成人の自己決定に委ねられるべきである、とするものです。

つまり他の人から見て正しいからといって、何かを強制することは正当でない、という考え方です。たばこを吸うこと、酒を飲むことを他人が「百害あって一利ないのだからやめなさい」と言っても、それを止めることはできないのです。

その一方で日本国憲法にはこういう条項もあります。国民の権利及び義務として、第25条に「国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」という「生存権」が定められています。

つまり法律や制度では、個人の生き方を尊重しながら、一方で、国は国民の健康を守ることが責務であるとしているのです。これらを踏まえると、セルフ・ネグレクトは個人の自由意志に基づくものだから、放っておいてよいということにはならないと、私は考えています。
引用元:ルポゴミ屋敷に棲む人々~孤立死を呼ぶ「セルフ・ネグレクト」の実態

【関連記事】

タグ

体験談 不用品買取 Books エンディングノート 老後の財産管理 終活 生活トラブル 介護 おひとりさま 争族 遺品整理体験談 メンタル 孤独死 相続放棄 絶縁 ゴミ屋敷 遺品整理 供養 セルフネグレクト 終末期 医療 エンディングノートの書き方 認知症 ノートおすすめ 弁護士 お墓 心理学 没イチ 行政 介護保険 看取り 老人施設 空き家・空き地 ブランド品買取 無縁社会 葬儀 実家の相続 ひきこもり ゴミ屋敷清掃 負動産 死生観 デジタル遺品 遺品整理業者 特殊清掃 ソーシャルワーカー 地域包括支援センター デジタル終活 手元供養 墓守り 警察 在宅医療 事故物件 孤立死 相続地獄 生前整理 損害賠償 ペット終活 遺言書 救急車 事件 成年後見人 口座凍結 見守りカメラのすすめ 借金 ゴミトラブル お焚き上げ バイセル 延命治療 遺品整理業者トラブル 着物買取 8050問題 仕事 平穏死 リビングウイル 生活保護 音楽系買取 墓じまい 発達障害 手元供養カビ 司法書士 特定空き家 毒親 行政書士 多重債務 公正証書 ペット信託 スピリチュアル 孤高死 ザ ゴールド 福ちゃん 車両系買取 フリマアプリ PCソフト 一身専属 sns 家じまい 昭和クロニクル mci 死後離婚 限界家族 相続税 保証人 形見分け 海洋散骨 哲学 サイコパス ノンフィクション 大島てる 遺留分 離婚 相続人調査 アルコール依存症 ためこみ症 みまもりキューブ 遠距離介護 失踪 限定承認 コメ兵 骨董品買取 騒音トラブル ソウルジュエリー 人生会議 健康 送骨 自死 自己破産 2025年問題 ワンオペ 親のエンディングノート 福祉課 冤罪事件 ドキュメンタリー 2022問題 ハンコ代 行政代執行 多重介護 ミッシングワーカー 買取プレミアム ブランディア ネグレクト 債務整理 7040問題 奨学金 ペット葬儀