適応障害で休職退職後の再就職体験談!生活福祉資金貸付と障害者雇用


適応障害で休職退職後の再就職体験談!生活福祉資金貸付と障害者雇用

適応障害再就職

30代男性 これは社会福祉士の私が関わった、適応障害から休職・自然退職を経て無職となり、貯蓄が底をつきかけた男性が、福祉支援を得て障害者雇用で再就職した話です。

Aさん(40代男性)は元々は工場勤務で技術者として働いていました。

専門的な資格と技術を持って活躍していたのですが、上司との関係が原因で抑うつ状態になり、精神科を受診して「適応障害」と診断されて休職に至りました。

しかし休職しても状態は良くならず、工場の就業規則における休職期間も満了して 自然退職となりました。

その後に傷病手当金や雇用保険などといった手続きをすることもできず、通院もできなくなり、昼夜逆転、かつ食べて寝るだけのような生活が続き、セルフネグレクト状態に。

その結果、貯金が底をつきかけて翌月の家賃を払うことも困難になっていました。

 

適応障害再就職

Aさんを案じた元同僚のBさんがその事情を知り、医療を受けることやお金のこと、仕事のことなど色々相談に乗ってもらおうということで、私(社会福祉士)がいる相談窓口にやってきました。

精神医療にかかわっていることから精神保健福祉士、さらに貸付制度の利用といったお金にかかわることも含まれることからもう一人の社会福祉士にも話に入ってもらうことになりました。

Aさんは傷病手当金や雇用保険(失業保険)のこと自体は理解はしていて「手続きをしなければ!」と思っていたものの 症状がつらくて行動することができなかったということでした。

1
Aさん

親は高齢で実家が遠方にあるので相談もできません。精神的にきつくて 友人に自分から悩みを話すことすらできなかったんです。Bさんが声をかけてくれなかったら 自殺していたかもしれません。

Aさんは抑うつ状態はあるものの、さまざまな制度があるということは何となく知っていたため ■まずは目先のお金を何とかすること ■精神医療を再び受けて負担を減らすこと ■再就職。次の仕事をどうするかを考えること …の3点を柱として 福祉支援をスタートさせました。

 

適応障害再就職

まず「目先のお金を何とかすること」として、社会福祉士は生活福祉資金の貸付制度を利用することを提案しました。

Aさんはこの制度のことは知らなかったので、手続きをするために後日 社会福祉協議会へ行きました。

 

適応障害再就職

「精神医療を再び受けて負担を減らすこと」については、精神保健福祉士から見ても抑うつ状態が続いているとみられたため、社会復帰できるレベルまで治療を継続する必要性があることを伝えました。

さらに、自立支援医療(精神医療)を利用することによって、精神医療については1割負担になることを情報提供しました。

後日、元々通っていた精神科への通院を再開し、自立支援医療に必要な診断書なども用意して市役所で手続きをし、自立支援医療受給者証を取得することができました。

 

適応障害再就職

再就職については、Aさん自身が「お金も大変なことになっているので早く働きたいが 病気のこともあるので働くことが不安だ」と訴えていました。

そのことから社会福祉士と私の知人の会社経営者(障害者雇用なども積極的に行っている)に相談したところ、

1
会社経営者

Aさんは専門的な経歴も資格もあるから即戦力になる。無理なく働けるように配慮できるよ。

…と言ってもらえたのですが、Aさんの主治医からは

もう少し状態が良くなってからでないと すぐの就職はしんどいと思う。まずは短時間勤務や隔日勤務などから始めてはどうか。

…といった旨の意見書がありました。それでも

1
会社経営者

主治医の言う通りでいいよ。歓迎しますよ。

…と快諾してもらうことができ、Aさんは非正規雇用ながらも再就職を果たし、先に借りていた生活福祉資金も返済できるようになりました。

後日談では、Aさんはその会社でフルタイム勤務になり、現在も元気に働いているということでした。

生活福祉資金貸付制度とは?

適応障害再就職

失業して生活にお困りの方など、一時的に生活資金などが必要な方を支援するための「生活福祉資金貸付制度」があります。

生活福祉資金貸付制度は、低所得者、高齢者、障害者などが、安定した生活を送れるよう、都道府県の社会福祉協議会が資金の貸付けと必要な相談や支援を行う制度です。貸付けの対象となるのは、次の方々です。■必要な資金を他から借りることが困難な「低所得者世帯」 ■障害者手帳などの交付を受けた人が属する「障害者世帯」 ■65歳以上の高齢者が属する「高齢者世帯」

失業や減収などによる生活困窮が広がっている中、生活に困窮した方に対し、生活を立て直せるよう支援することが求められています。そこで、低所得者などに対するセーフティネット施策の一つである生活福祉資金貸付制度について、利用者にとって分かりやすく、資金ニーズに応じた柔軟な貸付けを行うことができるよう、平成21年10月から、資金の種類を4つに整理・統合するとともに、貸付利子を引き下げるなどの改正が行われました。

また、新たな資金種類として、生活に困窮している人に対して、就労支援や家計指導などの継続的な相談支援と併せて、生活費や一時的な資金の貸付けを行う「総合支援資金」が設けられました。さらに、平成27年4月より、生活に困窮している人を支援する生活困窮者自立支援制度が始まりました。総合支援資金を利用する方に対しては、生活困窮者自立支援制度による支援もあわせて行うことで、生活の立て直しを包括的にサポートします。 引用元:政府広報オンライン

就労移行支援サービスおすすめランキング【障害者支援】