虹の橋を渡る愛猫のペットロスとカウンセリングによる克服体験談①
ペットロスに苦しむ人をサポートする臨床心理士・木附千晶さんは言う。
「私もペットロス経験者で、6年前に愛犬・ケフィを16才で亡くしました。その後、“なぜ私はケフィのいない世界で生きているんだろう”という絶望感に襲われ、身動きが取れなくなりました。ペットロスの症状は人それぞれで、倦怠感や睡眠障害などが現れる人もいれば、生きる気力をなくし“私も死んでしまいたい”とまで思い詰める人もいます」
ペットロスの重さは、なってみないとわからないブラックボックス。これまでもペットを亡くした経験があるから大丈夫、などと思い込んでいる人でも、陥るケースは多いという。
引用元:介護ポストセブン
愛猫が亡くなってから抑うつ状態になり心療内科を受診
50代男性 私の愛猫はキジトラ猫(♂)、コロ、18歳。亡くなる1年前の2016年2月ぐらいから体調が悪化して頻繁に獣医科へ連れていき診察を受けましたが、獣医師に

加齢により内臓の衰えが急速に進んでいます。最期まで猫ちゃんに寄り添ってあげてください。
…と言われ、できるだけそばに寄り添ってあげるようにしていました。一時期持ち直したのですが、2017年になってから急速に体調が悪化して、最後は眠るように息を引き取りました。
比較的近い場所にペット葬儀をやってもらえる施設があったので、そこへ電話して火葬の手続きをしました。亡くなってから2日後に葬儀と火葬をしていただき、骨壺を用意してもらいました。今も骨壺は家にあり、近いうちにペット霊園には入れたいとも思っていますが、手元供養にしたい気持ちが強く、なかなか踏ん切りがつきません。
私は愛猫が亡くなった直後から夜になると涙が止まらなくなるときがありました。さらには不眠症になり、なかなか寝付けなくなってしまい、眠れた時でも早朝に目を覚ましてしまうことがありました。
それがあまりにも酷いので2017年2月中旬に心療内科へ行って、ペットが亡くなってから精神的不調を感じるようになったことを訴えると、「抑うつ状態」と診断され睡眠薬を処方されました。その後は2週間に1回の割合で通院していました。
ペットロスになっていた2017年2月当時は勤務先の職場が自分に非常に合わなくて二重に精神的に辛かったのですが、2017年4月に人事異動があり、自分の適性に非常に合った職場に異動することができて、ここで少し鬱状態は改善されました。
しかし、この当時はまだ夜になると寂しさを感じていたのですが、徐々に仕事に没頭するようになっていくと少しずつ鬱状態が改善されて2017年6月には睡眠薬を飲む必要がなくなりました。そして7月には主治医から完治したとみてよいでしょうと言われてここで克服できました。
私の場合はペットロスを克服するまで5カ月かかりましたが、その後はYouTube動画でキジトラ猫の動画を見て癒されるようになりました。
愛猫が唯一無二の存在だと気づいた時にペットロスを乗り越えられた
40代女性 私のペットは猫(雑種)の雄 らんまる 3歳です。完全屋内飼いをしていたのですが、仕事で長期外泊となり、環境を変えると猫にストレスがかかると思い、猫好きの友人に泊まり込みでお世話を依頼しました。その数日後「ちょっとした隙に猫が外へ出てしまい見つからない」との連絡がありました。
数週間が経過し 仕事先から自宅に戻って周辺を探したところ、資材を置いているシートの下にほぼミイラ状態の愛猫の姿を見つけました。それに大きなショックを受け、精神不安定で体調を崩しました。
霊園供養を依頼すると スタッフが自宅まで迎えに来て合同火葬をし、霊園に埋葬となりました。1人ぼっちにならないように合同供養塔を選び、時々会いに行って供養塔を参っています。
それからはとにかく涙がポロポロ止まらず、何をしていても猫との楽しかった思い出に頭を支配されて 他のことは何も入ってきませんでした。クッションなどに猫の毛を見つけて頬擦りしたり、帰って来ないのに水と餌を毎日おいてみたり。食欲もなく気力もなく抑うつ状態になって 心療内科にかかりカウンセリングを受けました。
他人に世話を任せた自分への後悔と罪悪感で苦しかった話にカウンセラーが耳を傾けてくれました。否定やアドバイス的なものは一切なく、ひたすら傾聴してくれて

あなたは悪くないですよ。猫ちゃんはあなたとの時間に感謝しているはずです。
数回のカウンセリングで、心の回復を少しずつ手助けしてもらいました。ペットロスを乗り越えるまで8カ月くらいかかりました。
ある日、ふと「食事が美味しい」と思えたことで心身の不調が回復してきた兆しを感じたのです。それからは他の猫を見ても涙が出ることもなくなり、むしろ「触ってみたい」という欲望も復活した時には、自分はもうペットロスを乗り越えられたのでは?と感じました。
次の猫を飼うとか一生無理だと思っていたのに、

らんまると似た猫なら飼ってみたい。
…と思う気持ちから 次の猫を探し始めるうちに、

いや、らんまるは唯一無二の存在で、次の猫にらんまるを重ねるのは違う!
…と思い直しました。
そして色も顔つきも全く違う猫を ただただフィーリングで「飼う」と決心した時、

らんまるの一件が自分の中でちゃんと区切りを付けられたのだ。
…という実感が持てました。
カウンセリングでもらった言葉が心を浄化してペットロスを脱出できた
20代女性 私の愛猫はぴーこ、12歳です。子どもの頃から飼っていた雑種のぴーこが亡くなったのは、コロナで緊急事態宣言が出ていたゴールデンウィークでした。
私は結婚して自宅を出ていたので、実家にいるぴーこの調子が悪いことを親は教えてくれなかったため、まったく知りませんでした。ぴーこは私が家を出てからだんだん調子が悪くなり ご飯を食べなくなっていき、最後は実家の納屋の片隅で冷たくなっているところを親が見つけたのです。
ぴーこが通っていた動物病院の紹介を受けて、ペット葬儀社にお願いをしました。ぴーこのお気に入りだったバスタオルでぴーこをくるみ、ぴーこの好きなおやつとおもちゃを小さな棺に入れました。両親と兄と私の四人で参列しました。
私が家を出たことがぴーこの死期を早めたのではないか?という不安に苛まれた私はメンタルが不安定になってしまいました。一人でいると震えと涙が止まらなくなり、仕事も手がつかない状態でした。夜も眠れなくなり 食欲もなくなり、1ヶ月で体重が5キロ減りました。
その様子を見かねた夫に勧められて私は家の近くの心療内科を受診し、薬は睡眠薬と抗うつ薬を処方してもらいました。また、そこに併設されている心理カウンセリングルームに通うことに決め、そこで毎回30分話を聞いてもらいました。カウンセラーからは

自分を責める必要はないです。ぴーこはあなたが新しい世界に行くのを見届けたから 自分も旅立ったんです。
…と何度も言ってくださいました。
カウンセリングの初期の頃は、カウンセラーの方にいろいろ自分の心をぶちまけることだけで、カウンセラーからのアドバイスは全然ありませんでした。
しかし睡眠薬をもらって徐々に夜眠れるようになり、3ヶ月を過ぎる頃から 少しずつカウンセラーがアドバイスが増え始めて、その方の言葉が少しずつ自分の心の中にしみ入ってくるのがわかりました。
そんなある日夢の中にぴーこがでてきて、子どもの頃のように一緒に遊ぶことができました。朝目覚めたときにとてもスッキリしていて、涙が流れることもなかったので、私の中の心残りだったぴーこへの思いが浄化されている気持ちになりました。
私がペットロスを克服するまで6ヶ月、時間はかかったのですが、その間に通ったカウンセリングでもらった数々の言葉が 自分でも無意識のうちに体の中に浸透していたのだと、そのとき気づきました。
つらい飼い主の心を浄化するペットロスカウンセリングのすすめ
ペットロスはペットが亡くなったことに対する罪悪感や、生前にもっとやってあげられることがあったのではないか…と考えてしまう後悔の念から来ていることが多いです。さらに「虹の橋を渡ったけれど、その後もちゃんとお空に上がっていけたのだろうか…」とペットの魂を案ずる気持ちなど、飼い主さんが思うことはひとつではなく複雑に絡み合っています。
ペットの死により睡眠障害や摂食障害、抑うつ状態に陥って、メンタルクリニックを受診する飼い主も後を絶たないのが現状で、ロスが重い人ほど新しいペットを迎えることの罪悪感が強かったり、気晴らしや気分転換ができずに、ふさぎ込んでしまったりします。
そんなペットロスで苦しんでいる飼い主さんの立ち直りの良いきっかけのためにお勧めしたいのが、心理カウンセリングです。カウンセリングは「話を聴いてもらう」だけだと思っていませんか?確かにそれもあります。特につらさMAXであるペットロス初期には、心の中の思いをすべて吐き出すことが「心の浄化」につながります。
そこから先はつらさの具体的な原因や出来事の整理を行い、どんな行動や考え方をすればいいかをカウンセラーと一緒に探していく作業を進めることで、ペットロスから立ち直るまでの時間がぐんと短縮されるのです。
人から「教わる」ではなく自分で「気づく」ことがもっとも重要で、腑に落ちないとペットロス状態からなかなか解放されません。自分を救えるのは自分だけ・・・プロのカウンセラーはそのお手伝いをします。
おおむね3か月以内にペットロスから立ち直れれば、メンタルの外傷は最小限で抑えられるでしょう。
しかし人の心はガラス細工のようにきゃしゃで壊れやすいもの。目に見えないのに心の傷はあっという間に、しかも恐ろしいことに無意識の下で重症化するものです。ペットロスが長引けば長引くほど、自力のみで立ち上がるのが難しくなり、メンタルクリニックで薬を処方してもらわないと眠れない・食べられない・うつがひどいなどの症状が出ます。
1日でも早くペットロスから回復するために、「心理カウンセリング」というツールとマンパワーをフル活用することをおすすめします。
虹の橋を渡るペットに捧げるプリザーブドフラワー

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