虹の橋を渡る愛犬のペットロスとカウンセリングによる克服体験談②
各界の著名人もペットロスを抱えた経験がある。活躍の原動力になり、日々の癒しになっていたペットの喪失感は測りかねない。
東京都知事 小池百合子(69)2021年6月22日に入院。過労が原因とされたが、2003年頃からわが子のようにかわいがっていた愛犬・ソウちゃん(ヨークシャーテリア)が今年6月に亡くなり、それによる心労も一因ではないかと取り沙汰された。「愛犬が家族の中でいちばんの主役」「お客さんが来るとソウちゃんが主役になってにぎやかなのよ」などとうれしそうに語るほどの愛犬家だった。
引用元:介護ポストセブン
愛犬が心配するから「家族でもう泣くのはやめよう」と決めた
20代女性 私のペットはポメラニアンとパピヨンのミックス犬で顔の中心が黒く、毛がクリーム色だったため プリンと名付けました。プリンが亡くなったのは15歳の時で、それまで病気ひとつしない元気なわんちゃんでした。毎年、狂犬病の注射を打つ際血液検査も受けていたのですが、14歳まで特に病気もせず本当に健康でした。
しかし15歳になる前くらいから、水をよく飲み おしっこをたくさんするようになりました。その時は歳のせいにしていたのですが、15歳になり血液検査をすると腎臓の数値が悪いことがわかり、クッシング症候群と診断されました。多飲多尿もその症状だそうです。そして、診断され1ヶ月も経たないうちに入退院を繰り返し、亡くなりました。
動物病院から教えてもらったペット霊園(お寺)で火葬、葬儀を執り行ってもらいました。その霊園には亡くなったその日に連絡し、次の日にお別れしました。人間のお葬式と全く同じ扱いで安心して見送ることができました。その霊園では、亡くなったペット専用の納骨のスペースもあり、亡くなった後も定期的にお墓参りに行っています。
プリンが亡くなって1ヶ月ほどは気持ちの整理もつかず、何があったわけでもなくふと涙が出るというようなのを繰り返していました。犬やペットの画像やテレビは見ることができず、食事も喉を通らなくなり体重も減りました。気がふさぎ込んでいたので、旦那との会話も少なかったと思います。
プリンが亡くなってしばらくは気持ちが落ち着かず、ふと亡くなった愛犬のことを思い出しては泣き、思い出しては泣きを繰り返しました。ちょうど旦那と結婚してすぐだったので仕事を辞めていたのですが、辞めてなかったとしたら間違いなく仕事へは行けなかったと思います。テレビを見ても面白いと思えなくて、本当に辛い日々でした。
転機となったのは旦那が旅行に誘ってくれたことです。愛犬が亡くなって1ヶ月ほどのときで「旅行だなんてそんな気持ちになれない」と断ったのですが、両親から「落ち込んでいてもしょうがない、気分転換に行っておいで」と背中を押され行くことにしました。
実際行ってみると 私に気を使ってくれていた旦那が楽しませてくれたことで、少しずつ笑顔が戻ってきていることに気づきました。旅行から帰ってからは「塞ぎ込んではダメだ!」と外に出かけたり 新たに仕事を探し通い始め、段々と気持ちが明るくなっていきました。
今でも愛犬のことを忘れた日はなく 動画や写真はほぼ毎日見返しています。でも泣いていては愛犬が心配すると、家族でもう泣くのはやめようと決めました。
「極楽浄土には苦しみはない」という言葉が腑に落ちてペットロス脱出
40代女性 私の愛犬はトイプードルの雄、渉ちゃん、10歳で亡くなりました。もともと脚が悪くて、病気がちだった子で、5歳の時に失明して、腎臓が悪くなって、最期は腎不全で亡くなりました。最期は餌も食べられなくなったので、シリンジで離乳食を与えており、徘徊や夜泣き、失禁などで一日中目が離せない状態でした。
ペット葬儀は亡くなってすぐにネットでお葬式をしてくれるお寺を探し、良さそうな所が見つかったのでお願いしました。斎場で火葬して、骨壺に入れて持ち帰り、手元供養しています。
渉ちゃんが虹の橋を渡る少し前から私は睡眠障害になり、精神科を受診しました。犬が苦しんでいると自分まで苦しくなってしまったようで、医師からは「犬の看病はやめるように」と言われました。それでもやめるわけにはいかず、闘病生活は4ヶ月程でしたが、最期の2週間はほとんど眠れなくて辛かったです。処方された薬を飲みながら、不調のままで最期までお世話しました。
今でも愛犬のことを思い出したら悲しいのですが、なんとか1年くらいでペットロスから抜け出せました。

最期まで自分が出来る精一杯の看病が出来たんだ。
…と気づいてからは少し心が楽になりました。さらに、お葬式で住職さんが

極楽浄土には苦しみはない。
…と言った言葉に救われたのです。

病気で辛い思いをした愛犬が 今は天国では楽しく過ごしているんだ。これで良かったんだな。
愛犬が苦しみから解放されて幸せならそれが1番だ…と犬の気持ちを考えられるようになった時に、ペットロスを乗り越えられたと思いました。
「あれがあの時の最善だった」と気づくまで9カ月かかった
30代女性 私のペットはミニチュアダックスフントのメスで名前はそら、16歳で脳に腫瘍ができて寝たきりになり、17歳で亡くなりました。夫がネットで調べた葬儀屋さんに電話をかけ、火葬の手配をお願いしました。遺骨は家に置いて手元供養にしています。
そらが亡くなった直後は 心にぽっかり穴があいたような、感情が存在しないような よく分からない精神状態だったのですが、2ヶ月ほど経つ頃には何をしていても

そらの治療や介護に、他にも方法があったのではないか。
…と考え込んでしまい、後悔の涙があふれてくるようになりました。次第に無気力になり、体が重く感じて 食事や朝起き上がることも難しくなって泣いてばかりいました。
そんな私を心配した家族に心療内科に連れて行かれ、そこでカウンセラーを紹介されて ひたすら話を聞いてもらったり、

楽しかった思い出を記録にまとめてみると気持ちの整理がつきますよ。
…などアドバイスをもらったりして、アドバイス通りにいろいろやっていました。
私がペットロスを克服するまで9カ月ほどかかりました。最初は自分の飼っていた犬と似た犬を見るだけで 亡くなった犬の姿を重ねてしまい、つらくて涙が出てしまっていたのですが、9カ月になる頃から少しずつ

ウチの子もかわいかったけど、他の子もかわいいな。
…という気持ちが芽生えるようになりました。また以前は そらが生前に使っていたおもちゃや毛布などに対して

処分するのは嫌!だけど、手元に置いておいて、それが視界に入ってくるのもつらい。
…という矛盾した気持ちが長く続いていましたが、カウンセリングを受け始めて半年くらいで 少しずつ気持ちの変化が生じてきて、まとめてしまい込んでいたものを全部取り出して整理・処分することができました。また、犬の治療や介護に対する後悔の念が次第に

あれがあの時の最善だったんだ。
…と肯定できるようになったとき、私は自分がペットロスを克服できたことを実感しました。
つらい飼い主の心を浄化するペットロスカウンセリングのすすめ
あえて言うまでもないことですが・・・小鳥や小動物も大切な家族であり、ペットロスになるのは犬・猫の飼い主だけではありません。
ペットロスはペットが亡くなったことに対する罪悪感や、生前にもっとやってあげられることがあったのではないか…と考えてしまう後悔の念から来ていることが多いです。
さらに「虹の橋を渡ったけれど、その後もちゃんとお空に上がっていけたのだろうか…」とペットの魂を案ずる気持ちなど、飼い主さんが思うことはひとつではなく複雑に絡み合っています。
ペットの死により睡眠障害や摂食障害、抑うつ状態に陥って、メンタルクリニックを受診する飼い主も後を絶たないのが現状で、ロスが重い人ほど新しいペットを迎えることの罪悪感が強かったり、気晴らしや気分転換ができずに、ふさぎ込んでしまったりします。
そんなペットロスで苦しんでいる飼い主さんの立ち直りの良いきっかけのためにお勧めしたいのが、心理カウンセリングです。
カウンセリングは「話を聴いてもらう」だけだと思っていませんか?確かにそれもあります。特につらさMAXであるペットロス初期には、心の中の思いをすべて吐き出すことが「心の浄化」につながります。
そこから先はつらさの具体的な原因や出来事の整理を行い、どんな行動や考え方をすればいいかをカウンセラーと一緒に探していく作業を進めることで、ペットロスから立ち直るまでの時間がぐんと短縮されるのです。
人から「教わる」ではなく自分で「気づく」ことがもっとも重要で、腑に落ちないとペットロス状態からなかなか解放されません。自分を救えるのは自分だけ・・・プロのカウンセラーはそのお手伝いをします。
おおむね3か月以内にペットロスから立ち直れれば、メンタルの外傷は最小限で抑えられるでしょう。
しかし人の心はガラス細工のようにきゃしゃで壊れやすいもの。目に見えないのに心の傷はあっという間に、しかも恐ろしいことに無意識の下で重症化するものです。
ペットロスが長引けば長引くほど、自力のみで立ち上がるのが難しくなり、メンタルクリニックで薬を処方してもらわないと眠れない・食べられない・うつがひどいなどの症状が出ます。
1日でも早くペットロスから回復するために、「心理カウンセリング」というツールとマンパワーをフル活用することをおすすめします。

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