母娘の親子不仲で喧嘩が絶えない!をアドラー心理学で解決するには?


母娘の親子不仲で喧嘩が絶えない!をアドラー心理学で解決するには?

親子不仲

30代女性 私は実父が亡くなってから更に悪化した、実母と実姉の不仲に悩んでいます。

実父が存命していた頃は 父がうまく2人の仲を取り持っていてくれたので 私が悩むほどの問題ではありませんでしたが、今は亡き実父の役割を果たせるのが私しかいなくなり とても困っています。

実母には兄弟がいないので、頼れるのは実姉か私の娘二人しかいませんが、昔から実母と実姉は相性が悪かったため、私が何かと実母の相手をしていました。

その後、結婚を機に私は実家から遠く離れた土地での生活が始まりましたが、それとは逆に、実姉は結婚を機に実家の近くに引っ越してきました。

これまでは実父が間に入って2人が上手く交流できている時もありましたが、実姉が出産して一ヶ月は里帰りする予定だったところを 母との親子喧嘩のせいで一週間も経たないうちに自宅に戻る…などの険悪なこともたびたびありました。

親戚も少ない中で残された私たち家族三人、できれば仲良くしていきたいのですが、そう考えるのは私のエゴなのかもしれない…と悩んでいます。

親子とはいえ、何でも分かり合えるわけではないことは理解していますが、それでも血の繋がった親子の喧嘩、母娘のいがみ合う姿は見たくありません。

私が介入する問題ではないのかもしれないという迷いや困惑と、二人をつなぐ役割ができるのは私しかいない…といった使命感の板挟み状態の私は、今後どういう立場に立てば良いかで悩んでいます。

あなたの立場ではお母さんとお姉さんの間には「介入」しないのが正解

親子不仲

こういう問題が起こった時には「課題の分離」を考えてみることをおすすめします。

「課題の分離」とはアドラー心理学で使われる定義です。

「これは誰の課題なのか?」と自分と他者の課題を分離して考えを進める方法です。

もしも誰の課題なのかがわかりにくい場合は、

その選択をした時、そこから生じる結果・結末を最後に引き受けるのは誰か?

…と考えると答えが出ます。

この悩みにそれを当てはめてみると

①お母さんがお姉さんと不仲である→お姉さんと不仲であるという選択をして結末を引き受けるのはお母さん=お母さんの課題

②お姉さんがお母さんと不仲である→お母さんと不仲であるという選択をして結末を引き受けるのはお姉さん=お姉さんの課題

この問題はあなたの課題ではない

つまり不仲を解消する、しないはお母さんとお姉さんがそれぞれ考え、選択すべきことなのです。

あらゆる人間関係のトラブルは自分あるいは他人の問題に土足で踏み込むことから生まれます。

あなたがお母さんとお姉さんに「仲良くしてください」と伝えるのは一見親切な行為のように見えますが、他者の課題に土足で踏み込むこととなり、得策とは言えませんし、正解でもありません。

「介入」と「援助」の違いを取り違えないこと

親子不仲

他者の課題に土足で踏み込むことになるので「介入」はしないのが良い…と書きましたが、これは『ただ黙して見守る=放任主義であれ』という意味ではありません。

放任主義は あなたが関係している他者に全く関心を持たず、何をしているのか知らない、知ろうともしない状態…のことを言いますが、これでは問題解決にはなりません。

そもそも人が他人の課題に「介入」するのは相手の立場を低く見ている「縦の関係」がバックグラウンドにあります。

目の前の困っている相手に対等な立場である「横の関係」を前提として手を差し伸べる「援助」に変えてはどうでしょうか。

「感謝」して「勇気づけ」から「援助」する

親子不仲

人が自分自身の課題に立ち向かう気持ちになれないのは、能力に欠けているからではなく、勇気がないから。

…とアドラー心理学では考えます。

その勇気を持てるように対等な立場からできるアプローチを「勇気づけ」と呼びます。

「勇気づけ」は対等な関係に基づいているので、自然と感謝や尊敬の念が相手に湧き出てきます。

この時に相手を褒めることと感謝の気持ちを混同してはいけません。

「褒める」ことは他者評価=「縦の関係」に基づいているからです。

人は相手から感謝されることで、貢献感や居場所を得ます。

つまり、自分に価値があると自分自身で主観的に認識できれば、人は他人に貢献できると感じ、課題に立ち向かう勇気を獲得することができるのです。

この悩みにアドラー心理学をあてはめてみると

①あなたがお母さん、お姉さんの間の不仲は自分の課題ではないと意識する→課題の分離
②お母さん、お姉さんを評価して「縦の関係」を作らず、 対等な立場の「横の関係」を意識する
③お母さん、お姉さんそれぞれがあなたの家族という共同体にとって有益な存在であることをあなたが認識し、それぞれに感謝する→「勇気づけ」

…となり、あなたは2人に対して適切な援助を行うことができます。

気を付けなければならないのは、この働きかけは決して強制であってはいけないということ。

2人が課題に立ち向かっても逃げても、決断するのは本人です。

少し高度な考え方ですが、「決断しない」という選択もありだということを、頭のどこかにとどめておいた方がいいです。

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