親の見守りサービスで孤独死対策と安否確認!母の孤独死を見つめた話
これは2019年に、自宅で亡くなった母を叔父が見つけた話です。
母は当時91歳。父が施設に入所し、実家で一人暮らしをしていました。
母は狭心症などの持病はありましたが、元気で身の回りのことはすべてできました。
ただ、最寄りのスーパーまで徒歩で20分かかるので、週末は私が買い物に連れていき、平日の用事は近くに住んでいる叔父が都合に合わせて送り迎えをしてくれていました。
亡くなった母を叔父が発見
6月のある日、美容院への送り迎えを依頼されていた叔父が約束通りに実家に行きましたが、呼び鈴を押しても応答がなく、玄関は開いたままだったそうです。
不審に思った叔父が家の中を探すと、母は浴室で亡くなっていました。浴槽の中で顔が半分お湯に浸かった状態だったそうです。
私が職場で知らせを受けて実家に戻ったときは、警察の鑑識課の方が鑑識をしている最中でした。
監察医の見解では、入浴中に何らかの発作を起こし、気を失って水死したのだろうということでした。

気を失っていたので、たぶん苦しみはなかっただろうと思います。
…というのがせめてもの救いでした。
私が仕事をしているので、普段から叔父がいろいろと母を助けてくれていました。叔父には感謝しかありません。
叔父は浴槽の湯を抜き、母を引き上げるときの感触が 今でもずっと手に残っていると語っていました。
もし自分が母の遺体の第一発見者だったら、その後の対応がちゃんとできたかわかりません。
私も母も最後の最後まで叔父のお世話になりっぱなしでした。
新聞販売店の見守りサービスを契約していたけれど…
母が亡くなる少し前に、新聞販売店の広告を見て、見守りサービスの契約をしていました。
新聞を配達したときに郵便受けに前の日の新聞がそのまま残っていたら、家族に連絡をくれるというものです。
母は何でも自分でできましたが、父が施設に入って一人暮らしになったところだったので、念のために…くらいの軽い気持ちで私が契約したのです。
実は私の叔母は一人暮らしをしていたのですが、孤独死しました。
叔母は自宅で急死して発見されたのが数日後だった…ということを聞いていたので、もし万が一のことがあっても、なるべく早めに発見してあげたい!という思いもありました。
週末には私、週半ばに叔父が会うので、その間を埋めるつもりで見守りサービスを登録したのです。
安否確認の目的で毎日母に電話をしようかとも思いましたが、仕事から帰って食事や片づけをしていると あっという間に遅い時間になってしまうことがありましたし、母もまだまだ元気なので大丈夫だろうと思っていたのです。
認知症の父を数年間たった一人で自宅で介護し、やっと施設に入所できたところでした。きっと肩の荷を下ろしてほっとしたのでしょう。
「孤独死」であって「孤独死」ではない母の死
母は前日の夜に入浴した際に亡くなったらしく、翌日の朝に発見されたので、タイミングとしては最短で発見されたのでした。
亡くなってからすぐに発見されて遺体に損傷がなかったので、従来使われる意味の「孤独死」ではありませんが、母をたった一人で逝かせてしまったことに罪悪感を感じる私からすると、やはりこれは「孤独死」と呼べるものでしょう。
今でも、もし私が毎日電話していたら…電話に出なくて実家を見に行っていたら…もしかしたら何とか助けられたのではないか…と少し自責の念に駆られてしまうのです。
鑑識作業が続く中、葬儀会社に連絡したのち、新聞販売店に見守りサービスの解約の連絡をしました。
見守りサービスを登録してから1か月も経っていませんでした。
いくら元気でも、高齢者は急に体調が悪くなったり、発作で倒れたりということがあります。
今思えば、両親の主治医の先生は、認知症がかなり進行していた父より母のほうが先に亡くなるかもしれないと言っていたことを思い出しました。
先日、実家を整理していたら、母の血圧手帳がでてきました。母は毎日体調管理もきちんとしていたようですが、血圧が高くなっていたようです。
一人暮らしをしている親がいる方は、毎日電話したり、近所の人や親戚の力を借りたり、何らかの見守りサービスを検討することをお勧めします。
見守りサービスの利用は早い方がいいです。
親が一人暮らしなら、始めるのに早すぎるということはありませんよ。