ヘルパーが女の戦いを見た体験談!元妻vs今妻の静かなバトルドラマ

【監修者】
オレンジ@終活ガイド

生前整理という名の断捨離にいそしみつつアラカンでの熟年離婚を画策中のおひとりさま予備軍女性がこのブログの中の人です。終活に活かすため終活ガイド上級、ホームヘルパー2級、愛玩動物飼養管理士2級(動物取扱責任者)を取得しています。
 
長い人生いろいろなことが起こります。ここでは人生100年時代に備えた終活と生活のヒント、怖くてギョッとするもののシビアな現実を知っておいた方がいい話、「困った!どうする?」トラブルの未然回避ハウツーなどを「事実は小説より奇なり」みんなの体験談を元に紹介しています。

ヘルパーが女の戦いを見た体験談!元妻vs今妻の静かなバトルドラマ

女の戦い

40代女性 これは「訪問先には妻が二人」元妻vs今妻、女同士の静かなバトルをヘルパーが見た話です。

私が訪問していたお宅の詳しい家族構成は、ケアマネジャーの方針により 末端で働くヘルパーには知らされていませんでした。それは他社のケアマネジャーが担当する利用者宅への訪問の場合にはたまにあるケースなので珍しい話ではありません。

特にその件のお宅に関しては

ヘルパーは決められたケアプランに沿って介護すればよく、利用者の個人情報は深入りするな。

…という空気がありました。仕事内容は、寝たきり全介助の70代女性の排泄介助が主な内容でした。

女の戦い

その利用者さんはヘルパーに対しては穏やかな方で、仕事自体は特に問題ありませんでした。寝たきりの利用者には珍しく認知症の症状は見られず、会話はとてもスムーズで 表情もクリアな方で いつもニコニコしておられました。

主介護者となっているのは御主人ですが、滅多にヘルパーの前には顔を出しませんでした。訪問時には確かにお宅におられるのですが、挨拶も特にされませんでした。

どことなくオドオドとして挙動不審な雰囲気がある御主人でしたが、そういうことはよくあることなので 私も特に気には止めずにいました。

そのお宅で顔を出すのは、そこに同居する70代くらいの女性でした。なぜかこの女性が現れると その場の空気がピリリと変化します。

私は関係性がイマイチ解らないこの女性二人の間に挟まれてしまい、奇妙なヘルパー体験をしました。

女の戦い

当初は、この同居する女性が 主介護者であるご主人の妻だと思っていました。

私

要介護者はご主人の姉か妹か?事情があって引き取って面倒を見ている親戚関係の人だろうか。

…と私は想像していました。

空気が張り詰めるのを感じるとその関係性が気になりはしましたが、どうも詮索してはいけない空気が感じられたので、私からは必要以上の事を質問することは控えていました。

この場にいてとにかくつらかったのは、女性二人のバトルが怖かったことです。高齢になっても女は女。そして女の敵は女。

表現しにくいのですが、独特の女の空気を瞬時に出し合い、一瞬火花が散るようにイメージでギョッとしました。

女の戦い

ある時、同居女性が私が介護する様子を見て

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同居女性

重そうだね…。あの人、肉付きがいいからね~。

…と呟きました。私の背後で、ボソッと低〜い声で呟くのです。

その気配を察知した利用者女性が、すかさず私に

私
要介護者

あの女、今なんて?

…と、これまた低〜い声で囁いてきました。

両者とも表立って喧嘩をしたり、声を荒立てることはないのですが、かえって静かすぎるバトルが その場の不穏な空気をありありと醸し出していました。

女の戦い

毎回そういった感じで とにかく仕事がしにくくて困っていた頃、突如このお宅への訪問が終了になりました。どうやら要介護者が施設入所となった様子でした。

後から聞いた話では、要介護者の女性は元妻で、同居女性が今妻、ということでした。戸籍の方はどうなっているのか分かりませんが、世間での表向きはそういう立ち位置になっていたようです。

どういう状況でそのような経緯になっていたのかも知りませんが、近所では有名な家族だったということです。

二人の妻バトルに挟まれ 私はなんとも気持ちが悪いというか 奇妙な思いに駆られましたが、まるで『家政婦は見た!』のような貴重なヘルパー体験をさせてもらいました。