要支援・要介護状態はある日突然!介護保険の介護レベル認定とは?
自分が元気なうちは想像できないことですが、現実問題として 要介護状態になる日はある日突然やってくることが多いです。
「まだ大丈夫」と言っている人ほど「ある日」に間に合いませんし、そうなった時に慌てます。
少なくとも要支援状態になったら積極的に介護保険サービスを利用するようでないと「ある日」が来た時にますます混乱すると思います。
介護レベル認定
非該当 | 介護保険サービスは受けられない。福祉サービスは利用できる。 |
要支援1 | 日常生活能力はあるが、要介護状態にならないように支援が必要な状態。 |
要支援2 | 立ち上がりや歩行などの動作が不安定であり、場合によっては一部介助が必要。しかし支援次第で改善の余地・可能性がある状態。 |
要介護1 | 立ち上がりや歩行が不安定。排泄・入浴に一部介助が必要。 |
要介護2 | 一人で歩いたり立ち上がったりができないことがある。排泄・入浴に一部介助が必要。 |
要介護3 | 一人で歩いたり立ち上がったりができないことが多い。排泄・入浴・更衣(着替え)に介助が必要なケースが増えてくる。 |
要介護4 | 日常生活を送る能力の低下がみられる。排泄・入浴・更衣に全介助が必要なことが多い。 |
要介護5 | 生活全般で全面的な介助が必要な状態。 |
ちなみに特別養護老人ホームの入居資格は要介護3からとなっています。
高齢になればなるほど 介護保険を使いたくない!とか誰の世話にもなりたくない!とか 難癖をつけたり意固地になる傾向が高いですが、そんな片意地を張っていては日常生活が苦しいものになるだけ。
うちの母がまさに今、そんな感じです。
要支援認定が出ているうちの母親について、私は現在進行形で非常に困っている状況下にいます。
うちの母は基本的に自分のことしか考えられない人なので「何かあったら周りがどうにかしてくれるから、何もしたくない」と思っているようで、介護保険サービスそのものを拒絶しています。
母は買い物や通院や身の回りの雑事をサポートしている私の言葉に全く耳を傾けず、耳障りのいい言葉をかけてご機嫌だけを取っている実弟の言うなりです。
自己中な母と狡猾な弟の言動を見るたびに 私は怒り心頭なのですが…こういう高齢者は巷には多いんですよね。
周りに世話を焼く人がいてくれる高齢者であれば ある程度まではわがままも聞いてもらえますが、おひとりさまではそうはいきません。
もしもあなたが要介護状態になっても住み慣れた我が家で一人暮らしを続けていくしか選択肢がないのなら、介護保険サービスの利用なしではまず不可能です。
介護保険を使い倒すくらいの気持ちで積極的に利用するなり、サービスに関わっていくなりしないと、自分も周囲も大変な思いをすることは必至です。
自分が「要支援かも!?」と思ったらどうする?
まずは地域包括支援センターに相談する
高齢になればなるほど、日常生活に人の手を借りなければいけないシーンが増えます。
そんな状態になった時、頼る人がいないおひとりさまはどうしたらいいか?
まずは地域包括支援センターに相談してみましょう。
介護保険の要介護認定の申請は自治体の介護保険課の窓口だけでなく、地域包括支援センターでもできます。
自分で出向くのが難しいなら、地域包括支援センターに電話すれば家庭訪問してくれたり、申請代行までやってくれます。
私は前述の母親のことでは これまで何度も地域包括支援センターに相談しています。
はじめの一歩は「母親にデイサービスを使ってほしいけれど、本人が断固拒否して困っている」という相談でした。
うちの母は精密検査でmci(軽度認知障害)であることが判明しているので、放置して置いたらほぼ確実にアルツハイマーになってしまうことが予想されます。
認知症の発症を少しでも遅らせたり、進行をゆるやかにさせるために まずはデイサービスを使ってほしかったのですが、「自分はまだ大丈夫」の一点張りで、母は私の話に耳を傾けようともしません。
そのことを地域包括支援センターの職員に相談したところ、実家まで訪問してくれて、無料でデイサービスのお試しを受けられることやおすすめの施設のパンフレットを持参して ていねいに説明してくれました。
他人の話なら少しは耳を傾けるかと思いきや、まったくダメで(汗)
それどころかこの時母は私に「なんであんな人を連れてきたんだ!」と逆ギレされました。
こういう人ほど、何かあった時に家族が苦労します。
家族が何とかしてくれる人は幸せですが、おひとりさまや身寄りがない人はそうはいきません。
自分の身は自分で守るしかないのですから、何か不安があったら 積極的に地域包括支援センターに相談しましょう。
相談すれば必ず親身になって聞いてくれますし、その時点でできる範囲の有効な解決策を提示してくれるはずです。
医療ソーシャルワーカー(MSW)に相談する
もしもあなたが病院に入院していたり、することがあるなら、病院の医療ソーシャルワーカーも相談に乗ってくれます。
医療ソーシャルワーカーとは医療機関で患者や家族の問題の解決や調整をしてくれる専門職です。
保険制度の活用や入退院の調整から自宅の生活スタイルの改善まで、幅広く相談に乗ってくれるので、困った時に強い味方になってくれます。
要介護認定が出たらどうする?
介護認定がおりたらケアマネージャーを選ぶ
要支援認定のうちに要介護にならない努力をすれば、要介護認定がおりるのをだいぶ先延ばしにできるかもしれませんが、人は年齢とともに衰えていくもの。
いつまでも元気ではいられません。
要支援から要介護状態に認定が動いたら、今後のケアプランを組んでさらなる介護サービスを手配するためにケアマネージャーを選びます。
要支援と要介護ではケアマネージャーの選び方が違います。
要支援のうちは地域包括支援センターのケアマネージャーですが、要介護の場合は自分で好きなケアマネを選べます。
ケアマネージャー探しは その手の知り合いがまったくいなくても、自治体の介護保険課や地域包括支援センターで配布されたパンフレットで選ぶこともできます。
一般的にはケアマネージャーは最期までお世話になる人なので、能力だけでなく人柄や、自分が信頼できる人だと思えるかどうかを慎重に考えて決めましょう。
とはいえ、ケアマネージャーは「この人は合わないな」と思ったら変更できますので、あまり神経質になることはありません。
老後の財産管理が心配なら任意代理契約を利用する
体の自由が利きづらくなってくると、預貯金の入出金など お金の管理も思うようにできなくなってきます。
要支援や要介護状態になると一人での外出が難しくなってくるので、生活面での支障が増えてきます。
認知症には程遠いしっかりと判断能力がある人でも、財産管理やそれにまつわるいろいろな手続きを自分一人でこなすのは困難でしょう。
そんなおひとりさまは任意後見人との間に任意代理契約(生前事務委任契約)を結んでおくことをおすすめします。
支援してくれる後見人と任意代理契約を結び、自分に変わって必要な手続きを代行してもらいます。
すでに任意後見人と契約しているなら、その後見人と任意代理契約を結んでもいいですし、別の人と契約しても大丈夫です。
任意後見人は複数でもいいのです。ただ、その場合には各自の権限まで決めておきます。
任意代理契約は公正証書にすることが必須ではないですが、トラブらないためにはきちんと公証役場で契約書を作っておく方が安全です。

【おひとりさまの老後の住まい】人に迷惑をかけたくない場合の終の住処
引用元:おひとりさまの終活まるわかり読本
そんな強い意志を持っているなら、おひとりさまの終の住処として高齢者施設への入所を検討するのもひとつの方法です。
いろいろと条件を調べて、気に入った施設があったら見学に行くのがベストです。
ネットの口コミは参考になりますが、現実問題として自分に合うか合わないかは人それぞれです。
可能なら施設の体験入居をしてみることもおすすめです。
どうしても決められない場合は、地域包括支援センターに相談してみるといいでしょう。
高齢者向け施設の種類
高齢者向け施設にはざっくり分けると公的施設と民間施設。
状態で分けると 自立できる人向けと要介護状態の人向け。
さらにこれらの混合タイプがあります。
※上の表は2021年現在の情報です。
注意! 以下で挙げている施設について記載した入所条件は一般的な原則です。施設によって異なることがありますので あらかじめご了承ください。
自立者が対象の公的高齢者施設
経費老人ホーム(ケアハウス)
生活に不安が出始めたものの、家族からの支援が受けられない人がまだ自立状態にあるなら、経費老人ホーム(ケアハウス)という選択肢もあります。
費用は比較的安めですが、収入により利用料金に変動があるのが特徴です。
自立者が対象の民間高齢者施設
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
自立者が対象となっていますが、要介護3までの人が入所できるところが多いようです。
つまり軽度の要介護者向けなのですが、介護サービスは提供せず、安否確認や相談などのサービスが提供されます。
健康型有料老人ホーム
バリアフリー施設にトレーニングルームなどの健康増進の設備が充実しています。
要介護者が対象の公的高齢者施設
特別養護老人ホーム(特養)
公的施設で要介護者向けなのが特別養護老人ホーム、通称「特養」です。
特養は要介護3以上の人が入所できる施設で、寝たきりのように自宅での日常生活が困難になった人が利用します。
特養は費用が安いので特に人気があり、待機者(入所待ち)が多いことでも知られますが、入所の緊急度が高い場合は優先的に入れてもらえます。
個室と相部屋があり、特養は看取りに対応しているところも多いです。
介護老人保健施設
65歳以上の要介護1以上の人が入所できる施設です。
介護老人保健施設には医師や看護師が常駐しており、医療サービスが受けられ、在宅復帰ができるようにリハビリもやっていきます。
介護療養型医療施設
介護療養型医療施設も65歳以上の要介護1以上の人が入所できますが、こちらは介護度が高めの人向けです。
医師や看護師によるケアが受けられます。
要介護者が対象の民間高齢者施設
グループホーム
民間の認知症患者向けの施設「グループホーム」は 認知症と診断された高齢者が対象です。
入所は要支援2からOKですが、長期入居は要介護1以上でないといけません。
ただし医療的なケアが必要になれはグループホームでは無理です。
介助を受ければある程度の自立した生活ができる認知症患者なら、グループホームに入所できます。
介護付き有料老人ホーム
65歳以上の人が入所でき、食事や入浴などはもちろん 本格的な生活支援や介護などの広範なサービスを、入居者の状態に合わせて提供する施設です。
資産に余裕がある人にはおすすめの選択肢ですが、サービスはおおむね費用に比例しますので、金額だけで選ぶと後悔することもあると思います。
施設によりサービスと費用に幅があるため、事前にしっかりと調べる必要があります。

自分の家がいちばん!最期まで在宅医療は可能?
おひとりさまは自宅で最期を迎えられるのか?
結論から言うと 認知症になっていなければ「できます」
自宅で最期を迎える方法「在宅医療」は、住み慣れた我が家で療養できるので心の平安が保てますから、多くの人が「できれは最期まで在宅で過ごしたい!」と思っています。
団塊の世代が75歳以上になる2025年問題が注目されて久しいですが、高齢者人口が爆発的に増えて医療費が追い付かない状況を見据えて、国が病院から在宅医療への流れを推進する方向で動いています。
そんな現状を踏まえると、近い将来「在宅で看取る」が一般的になると考えられます。
年々、在宅医療のニーズの高まりから介護保険システムもどんどん改正されつつあるご時世ですから、自宅で最期を迎える覚悟があるのなら「最期まで在宅で過ごせる」可能性はあります。
では最後まで在宅で過ごすにはどうしたらよいのか。
ここではその「はじめの一歩」である3ステップを紹介しておきます。
②在宅医を見つける
③ケアマネ+在宅医=在宅医療チームを作る

ケアマネージャーを見つける
病院医療から在宅医療に切り替えるタイミングは、一人で通院することができなくなったり、継続的な健康管理が必要になった場合などですが、いざそうなってから行動を起こすのでは遅すぎます。
在宅医療を希望するのであれば、出来るだけ早めの情報収集と事前準備が必要になってきますが、まず初めに取り掛かることは、信頼できるケアマネージャーをみつけることです。
ケアマネは今後の介護のアドバイスやケアプランを考えるなど、必須かつ心強い味方になります。
ケアマネは地域包括支援センターや自治体の介護保険課、居宅介護支援事務所で探せますが、選ぶときのポイントは、看護師の資格を持っていて終末期の在宅医療に詳しい女性がベストです。
ただ、資格だけでケアマネを選ぶわけにはいきませんよね。
人と人との相性が重要ですから、現在のケアマネがあまり合わないと感じた場合は別の人に変えることもできますので、納得できるまで多方面を当たってみるのがいいと思います。
ケアマネとは一生のお付き合いになりますし、契約後でも無料で変更できますから、できる限り信頼できる人を見つける努力も必要です。
「変えたら悪いかも」なんて遠慮は要りません。
そういうものだという暗黙の了解がありますから、大丈夫です。
在宅医を見つける
次に取り掛かることは、在宅ケアになりますから、訪問診療を担ってくれる在宅医を見つけることです。
かかりつけ医に尋ねたり、地域包括支援センターに問い合わせるなどすれば見つかるでしょう。
在宅医もケアマネと同様に「合わないかも」と思ったら変えてもらうことができます。
在宅医療チームを作る
とにかく在宅医療での最重要ポイントは「連携」です。
あなたが選んだケアマネと在宅医の2人が中心となって在宅医療チームを作り、あなたを支えてくれます。