
最近よく目にする認知症保険って必要?もし認知症の親が他人に損害を与えたら、損害賠償はどうなるの?
認知症保険とは?その種類や内容
認知症による損害賠償の相場は?誰が支払う?
認知症の人による損害賠償費用の実相場
認知症保険は必要か?親が損害を負わせたら損害賠償はどうなる?
認知症保険とは、被保険者が認知症になった時に保険がおりるものが一般的ですが、認知症患者が第三者に損害を与えたとき損害賠償をできるものもあります。
認知症の診断が下り、その状態が継続したときのもの
認知症患者が第三者に損害を負わせた時の賠償責任保険
少額短期保険(ミニ保険)…保険料が安く、契約期間が1年単位(更新可) ※ただし保証額もミニです。

葬式・認知症も保障、知られざるミニ保険の実態 ユニークな商品が続々登場する背景事情 | 保険 – 東洋経済オンライン https://t.co/sD0cRNRVGE #東洋経済オンライン @Toyokeizaiより
— オレンジ@終活ガイド (@bookshonline) September 23, 2021
認知症保険への自治体のサービスもあり
地域のSOSネットワークに登録すると、保険料を負担してくれる自治体もあります。
例えば神奈川県大和市では「はいかい高齢者個人賠償責任保険」があります。
SOSネットワークに登録すれば個人で保険料を負担することなく(自治体が負担する) 損害賠償に関するサービスを受けられるというものです。
大和市に限らず、同じようなサービスを展開している自治体が増えているので、認知症患者が住む自治体でも同様のサービスを提供しているかどうかを確認しておくといいでしょう。
特約があるかも!まずは自分が加入している保険の内容を調べてみる
親が認知症で子が認知症の損害賠償保険を検討している場合、いきなり認知症保険に加入せず、まずは自身が加入している保険の内容を見直してみてください。
加入している自動車保険、火災保険、共済に特約として「個人賠償責任保険」がついているかどうかを確かめます。
このような特約が付いている場合でも、それが別居している家族にも適用されるかどうかも、同時に確認する必要があります。
保障内容だけでなく、対象範囲までしっかり確かめましょう。
認知症による損害賠償の相場は?誰が支払う?
認知症の親による近隣への損傷や暴力、火の不始末なども心配の種ではないでしょうか。
親が離れて暮らす場合には、特に損害賠償をカバーしておくと安心です。
なぜなら、親の起こした事故の監督責任が子に対して問われるケースがあるからです。
徘徊中に列車に轢かれて720万円の損害賠償請求
2007年には徘徊中に列車に轢かれた認知症男性の家族に 鉄道会社が720万円もの損害賠償を請求する事案がありました。
一審では鉄道会社の言い分を認めて720万円の支払い、控訴審では別居の長男の監督責任分を免じて360万円の支払い、上告では患者家族の賠償責任を認めず、鉄道会社側の逆転敗訴(2016年)
最高裁まで行っての鉄道会社の逆転敗訴は「認知症患者をかかえる家族には一切賠償責任が生じない」と断じるものではなかったようです。
亡くなった男性の妻も高齢で要介護認定の状態で老々介護。それに加えて離れて暮らす長男は父親と接触する機会が少なかった。
これらの要因が考慮されて両者に監督責任が問われなかった…ということでした。
つまり家族に認知症患者を介護・監督する能力があれば賠償責任が認められて、家族が損害賠償を払わなければいけないだろう…ということです。
家族の監督責任が問われれば、当然損害賠償も発生します。被害者側から見ればこれは至極当然のことです。
認知症の人による損害賠償費用の実相場
実相場 | 実相場より低い費用を回答した人の割合 | |
お店でトラブルになって 店舗の商品を壊してしまった | 8万円 | 64.4% |
駐車している車をたたいて 傷をつけてしまった | 20万円前後 | 41.6% |
隣の植え込みを 勝手に切ってしまった | 40万円前後 | 93.7% |
施設で隣の利用者を押し倒し 骨折させてしまった | 150万円前後 | 75.5% |
水を出しっぱなしにして 下の階に漏水してしまった | 200万円前後 | 69.7% |
「水を出しっぱなし」はあるあるな話です。
物を壊したくらいならまだしも、人に危害を加えたりすることを考えると ぞっとしますね。
いくら原因が認知症だとしても こういう事案は介護保険でどうにかしてくれるものでもありません。
こういったリスクが高い認知症患者が家族にいる場合は、自衛手段のひとつとして認知症保険を検討してみるのもアリです。