無縁社会と孤独死の現実を垣間見た体験談!行旅死亡人の話

無縁社会と孤独死の現実を垣間見た体験談!行旅死亡人の話

無縁社会と孤独死

40代女性 これは私が異臭を警察に通報した時の話です。

私は女性の友人が住んでいたマンションによく泊まりに行っていました。

5月のある日に友人宅に行った時、エレベーター内でも悪臭がしていて、住人の皆さんが噂をされているのを目にしました。

その翌週にもまた遊びに行った時に やはりひどい匂いがするのです。

これは絶対おかしい!

…と思った私は、住人である友人に了解を得てから警察に通報しました。

私などはたまに遊びに来る友人でしかありませんが、我慢できないほどの悪臭だったのです。

どうして誰も通報しなかったのかが不思議なくらいでした。

異臭の原因は民泊で起こった行旅死亡人の自殺だった

無縁社会と孤独死

警察に連絡をしてからは展開が早く、その一時間程度で管理会社の方が警察の方と一緒に 異臭の元と思しき部屋のカギを開けていました。

一応私は通報者でしたのでその部屋の前にいたのですが、解錠した時にも恐ろしいほどの匂いで吐き気をもよおし、立ち眩みがしました。

今まで嗅いだことがない強烈な異臭・・・あれが人の腐敗臭だったのですね。

室内はおそらくウジ虫なども湧く地獄絵図だったのではないか…と想像するくらいの悪臭でした。

詳細は私たち第三者には教えて頂けませんでしたが、部屋の中には自殺者が一人、そのままの状態で放置されていたということです。

いくら単身者用のマンションとはいっても、これほど異状な悪臭に近隣住民はよく我慢していたと思います。

RC造の鉄筋コンクリートマンションですから 他の部屋に入ってしまうと匂いはわからなくなるという事情はあったものの、一歩廊下に出ただけで強烈な悪臭がするのです。

無縁社会と孤独死

当時は民泊が非常に流行っていたため、この部屋は外国人が安いホテル替わりに使っていたそうです。

しかし自殺していたのは日本人で、身元不明のまま。いわゆる「行旅死亡人」です。

最近はどこのマンションでもほとんどが民泊は禁止されるようになりましたが、当時の大阪では 治安の悪い地域ではそういったことはあまり気にされていない時流もありました。

惨状を目の当たりにすることはなかったものの、この行旅死亡人の自殺通報(発見)は、私の中で確実にトラウマになりました。

人の心を救うおせっかいおばさんでありたい

自殺した人はどこの誰かもわからないままですが、一人くらい知人や友人もいたと思いますが、誰にも手を差し伸べてはもらえなかったのか…?

私は今45歳で、息子が一人いる以外には身寄りがないほぼ天涯孤独ですが、職場の仲間や友人がいますから、 なんとか周囲に助けられて今も生きています。

ですがあの自殺者は…最後に頼れる場所がない人は一人で誰も知らない場所で自死をするしかなかったのか…。

それがどんな理由だったのかわかりませんが、悲しくつらい現実に耐えられなくなったのでしょう。

人間関係がどんどん希薄になり、昨今の日本は本物の「無縁社会」になりました。

おせっかいを焼く近所のおばさん的な人がほとんどいなくなりましたが、私は子供の泣き声が異常であったり、同じマンションの名前も知らない住人でも こちらからよくお声を掛けるようにしています。

昔、私の息子の友人が父親の虐待に悩んでいる話を息子から聞いたことがありました。

彼が我が家に遊びに来て「うちに帰りたくない」と言う時は「うちに泊まっていく?」と声をかけ、彼の父親にも

うちの息子が○○君に泊まっていって欲しいと言ってるので お願いします。

…と電話をしていたこともありました。

しかしその後、彼は中学生の頃に父親をナイフで刺してしまいました。

今はきちんと罪を償って普通に暮らしていますし、幸い父親はケガはしたものの無事に生きていて 2人とも更生に向けて頑張っています。

あのころの私にできる事は 彼にうちに泊まってもらうくらいしかありませんでしたが、心を救うためにはやはりコミュニケーションがいちばん大切だと思います。

自分のできる範囲でこれからも「おせっかいおばさん」でありたいと考えています。

【無縁社会】行旅死亡人の無縁死や孤独死が増加の一途をたどる

無縁社会と孤独死

孤独死者とは似て非なる行旅死亡人。

行旅死亡人こうりょしぼうにんとは身寄りがなかったり身元不明のまま亡くなった人を指します。

行旅死亡人とは日本において、本人の氏名または本籍地・住所などが判明せず、かつ遺体の引き取り手が存在しない死者を指す言葉で、行き倒れている人の身分を表す法律上の呼称でもある。
「行旅」とあるが、その定義から必ずしも旅行中の死者であるとは限らない。
引用元:wiki

行旅死亡人の情報は 行方を捜している遺族が見つけて申し出られるように国の官報に掲載されており、インターネットで閲覧することができます。

しかし もしも数年会っていなければ風貌はかなり変わっていることもありますし、性別・その時の服装・亡くなった時の状況くらいの情報しか掲載されていない官報から、人物の特定はなかなかできるものではないようです。

行旅死亡人も孤独死も「無縁死」引き取り拒否されれば行き先も同じ

無縁社会と孤独死

遺族に見つけてもらえない行旅死亡人は「無縁死」ですが、孤独死者も「無縁死」と呼べます。

孤独死者の遺体引き取り拒否が後を絶たないからです。

「無縁死」の行旅死亡人も孤独死者も、引き取り手が現れなければ自治体で火葬され、一定期間遺骨を保管したのちに 無縁墓地などで合祀されることは同じです。

遺骨置き去りは死体遺棄罪になる

無縁社会と孤独死

昨今は忘れ物を装って電車の網棚やお店のトイレ、神社やお寺の境内に骨壺を置いていく遺骨の置き去りが多く、年々増加傾向だそうです。

遺骨をしかるべき保管場所以外に放置すると刑法190条の「死体遺棄」にあたり、3年以下の懲役に処される。罪に問われたくないという思いや、「捨てるのは忍びない」という意識が手伝い「忘れ物」という形で放置される例が増加している。
引用元:週刊ポスト

2010年11月、ある男性が2008年に両親の遺骨を遺棄したとして逮捕された。逮捕まで2年もかかったのは、男性が貧困の末に住む家すら失っていたからだった。

男性の両親は東京都内に住んでいた。母親が死亡すると、その遺骨は父親が管理した。ところが父親も数年後に死亡、最終的に両親の遺骨を引き取ったのが逮捕された一人息子だった。

男性は仕事の都合でかつて住んでいた宮城県仙台市まで車を飛ばし、市内の駐車場に車ごと遺骨を放置。その後職を失い、親類を頼ることもできず、家を売り払い、ホームレスとして路上生活を送っていた矢先に逮捕された。男性は、「金がなく、どうしようもなくて捨てた」と供述したという。
引用元:週刊ポスト

2007年には神奈川県藤沢市で、寺の境内に夫の遺骨を遺棄した疑いで73歳の女性が逮捕されている。この女性は、「これ以上は保管が困難」という理由とともに「子供に迷惑をかけたくなかった」と漏らした。

遺骨は白い布にくるまれ、ポリ袋に入れられた状態で境内に置かれていた。遺骨の中には火葬許可証の切れ端があり、記載された受理番号から女性だと特定された。

「墓を見つけて納骨する金銭的余裕がなかった。自分の先行きも長くないと思った」逮捕後、女性はこう供述している。

夫は2004年に病死しており、しばらくは遺骨を自宅で保管していたが結果として寺に放置した。遺骨が置かれた直後、せめてもの誠意なのか、それとも遺骨を弔えなかった罪悪感からか、寺に「供養してください」という手紙とともに現金2000円を送ったという。
引用元:週刊ポスト

持ち主が現れず、拾い主からも権利放棄された忘れ物たちはどうなるか。警察署の保管期限が切れると、廃棄または払い下げとなる。
引用元:あなたが電車内で失った“忘れ物”の運命

【送骨】遺骨を郵送して供養する新しい葬送方法

無縁社会と孤独死

遺骨の引き取り手がなく無縁仏になる故人が増加する一方で、顔を見たこともない親族が孤独死して連絡が来たあげく、遺骨を引き取ることになったものの、

親戚から遺骨をなかば押し付けられるような形で自宅に保管せざるを得なくなって…正直困惑しています。

…というケースも最近多発しています。

最近は遺族が直接遺骨を受け取らずに 行政から直接永代供養先までゆうパックなどで贈る送骨サービスが多く利用されています。そういった事態にお困りの方は、一度検討してみることをおすすめします。

 

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