妄想性パーソナリティ障害を職場の産業カウンセラーから示唆された話
これは2019年10月~現在にかけて、私(当時22歳男性)が仕事で精神を病んだときのエピソードです。
当時の私は新卒で金融機関に入社しました。入社後一ヶ月の研修を終え、寮生活を送りながら、窓口業務と取引先の新規開拓営業を行うこととなりました。研修期間内では成績も優秀であり、支店配属前の評価はトップだったと人事担当より伺っており、そのため、特に支店の中でも激務と噂されていた某支店に配属されました。
配属後は女性係長(当時32歳女性)より業務の説明を受けますが、とにかく強い口調、他人を叱責する高い声が最初から気になっていました。私自身が業務について疑問を持つことが多く、教育担当からも『一つひとつ疑問を持ち、止まっていては仕事が進まない』と何度も注意されていたため、女性係長としては私に対して気に入らない部分が多々あったのかと思います。
私がもともとHSP気質が強かったことも影響しているのかもしれませんが、相性がとにかく悪かったです。
産業カウンセラーから妄想性パーソナリティ障害を示唆される
入社して3ヶ月後、ジョブローテーションの関係で新たに課長(当時35歳男性)より指導を頂くことになりました。
新たな教育担当は前任教育担当者と非常に仲の良い関係であったため、前任者からの私に対する根拠のない誹謗中傷を多く聞いていたらしく、最初から私に対する当たりも強かったです。その頃から私は身体の調子が徐々に悪くなり始めました。
朝になると、『また指導担当から嫌味を言われるのではないか』『陰口を職場全員が言っているのではないか』『自分の言っていることや行動が全て間違っているのではないか』等々の根拠のない不安が毎日襲ってくるようになりました。身体が動かなくなり 涙が自然に出るようになってしまいました。根拠のない不安から勤務先に連絡できなくなり、無断欠勤してさらに怒られる…という負の連鎖にハマっていました。
そこで、社内の産業カウンセラーに相談し 症状を伝えたところ「妄想性パーソナリティー障害」の可能性があるため心療内科を受診した方が良いと勧められ、受診を決意しました。
産業カウンセラーと相談の機会があったのはその一回のみであり、喫茶店で2時間ほど現状の説明と症状について ほとんど一方的に説明するのみで終わりました。
産業カウンセラーは、心理学や傾聴力といった専門知識を用いて対象者の悩みを受け止めサポートする事が最大の目的です。悩みを持つ人を前にすると、解決策を提示することに力を入れてしまいがちですが、産業カウンセラーで何より重視するのは話しを聞くこと。対象がどのような状況にあり、何を悩んでいるのか。会社でハラスメント被害に遭っている、将来が不安、病気を発症した等、傾聴することが優先されます。話しを確認したうえで、寄り添い解決策への糸口を一緒に探るのです。答えを出すよりも、対象者自らが改善の道を歩むためのプロセスを重視していると言えるでしょう。
引用元:ブラッシュアップ学び
心療内科でリワークプログラムの認知行動療法の治療を開始
私は2軒のメンタルクリニックを受診しました。
1 まずは精神科を受診しました。身体に異常な症状が発症してから3ヶ月は経過した頃でした。通院回数は6回で2週間に1回程度のペースで受診。一回の診療報酬は5000円程度でした。薬代は徐々に量が増えており、保険適用で6000~8000円程度かかりました。
初回のカウンセリングは臨床心理士の看護師のカウンセリング、医師の診察、血液検査でした。30分ほど看護師に症状を話し、簡単な筆記テストを受けたあと、30分ほどの医師に症状を説明しました。その後は休職の指示を受け、薬を飲んで安静に…ということで 6回程度の受診で終了しました。
2 一件目の紹介で認知行動療法の専門医の心療内科を受診しました。通院回数は2年ほど経過した現在も継続中であり 30回はこえていると思います。頻度は初期は二週間に一回、現在は2カ月に一回のペースです。
初回はカウンセリングと血液検査。その後はリワークプログラムによって認知行動療法の治療を継続してきました。一回の診察で3000円程度、リワークプログラムは一回につき2500円の参加費がかかっています。
リワークとは、return to workの略語です。気分障害などの精神疾患を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)を実施する機関で行われているプログラムです。復職支援プログラムや職場復帰支援プログラムともいいます。
プログラムに応じて決まった時間に施設へ通うことで会社へ通勤することを想定した訓練となります。また仕事に近い内容のオフィスワークや軽作業、復職後にうつ病を再発しないための疾病教育や認知行動療法などの心理療法が行われます。また、初期には久しぶりの集団生活になれるための軽スポーツやレクレーションが行われることがあります。プログラムの途中では、休職になった時の働き方や考え方を振り返ることで休職に至った要因を確認するとともに復職した時に同じ状況(休職)にならないための準備もしていきます。
引用元:日本うつ病リワーク協会
これはグループワークのため人によって終わりは決まっていますが、毎週2回は何かの講座が行われているため、自由なタイミングで参加できました。一ヶ月に一回、1年間継続する方が多いとのことでした。
妄想性人格障害とは?DSM-Ⅳの診断基準
【関連記事】A. 他人の動機を悪意のあるものと解釈するといった、広範な不信と疑い深さが成人期早期に始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち4つ(またはそれ以上)によって示される。
1. 十分な根拠もないのに、他人が(自分を)利用する、危害を加える、またはだますという疑いを持つ。
2. 友人または仲間の誠実さや信頼を不当に疑い、それに心を奪われている。
3. 情報が自分に不利に用いられるという根拠のない恐れのために、他人に秘密を打ち明けたがらない。
4. 悪意のない言葉や出来事の中に、自分をけなす、または脅す意味が隠されていると読む。
5. 恨みを抱き続ける。つまり侮辱されたこと、傷つけられたこと、または軽蔑されたことを許さない。
6. 他人の言動から、自分の性格または評判に対する本人にしかわからないような攻撃を感じ取り、すぐに怒って反応する、または逆襲する。
7. 配偶者または性的伴侶の貞節に対して、繰り返し道理に合わない疑念を持つ。B. 精神分裂病や精神分裂病の特徴をもつ精神分裂病近縁の病気の経過中以外に、この人格障害が認められる。なんらかの身体疾患によってこの人格障害が出現していることはない。
引用元:人格障害かもしれない~どうして普通にできないんだろう
タグ