叔父がミッシングワーカーになった体験談!50代の引きこもりの話


叔父がミッシングワーカーになった体験談!50代の引きこもりの話

ミッシングワーカー

30代男性 これは叔父(50代)の引きこもりに悩んだ祖父母(80代)の話です。

叔父はずっと独身を貫いていました。

大企業に勤める仕事人間であり、仕事だけが生き甲斐のような人でしたが、謂れのない大きなミスの責任を取らされ、会社での居場所がなくなってしまいました。

自暴自棄になった叔父は自ら仕事を辞め、何もかもに絶望したかのように引きこもりになりました。

それまでは会社の寮に住んでいた叔父は、実家の親元、つまり私から見れば祖父母の家に戻り、その一室にカギをかけて1日中部屋の中で何をしているのかもわからない状態でした。

祖父母曰く、

息子は昔から成績優秀だったが、少し子供っぽいところもあり、好きな物や誇りを持っていたものに一旦ケチがつくと、ひねくれて何に対しても否定的な態度を取り始めることがある。

今回もまさしくそれだろうと思いました。

部屋に引きこもってゲームをして過ごす叔父

ミッシングワーカー

私が正月に祖父母の家に行った時、

息子がひきこもっている2階には絶対に近づいてはならない。

…と釘を刺されました。

祖父母の話では、叔父がひきこもっている部屋は昔、叔父が使っていた自室であるとのことで、コントローラーを弾く音が聞こえてくるので、叔父は1日中ゲームをして過ごしていたようです。

食事については祖父母が外出したり寝静まったりした時間帯になると、勝手に冷蔵庫から何か漁って食べていたようです。

祖父母もそれを承知で冷凍食品やお惣菜を買い置きしたりして、だいぶ叔父に気を遣っている様子でした。

祖父母はしきりと

仕事をクビになったとしても、結婚してさえいれば引きこもりにはならなかった。

…と話しており、疲れ果てた様子の祖父母も、かなりストレスが溜まっているようでした。

行政に相談したことに逆ギレして叔父は実家を出て行った

ミッシングワーカー

その後祖父母は叔父の引きこもりについて行政に相談し、職員が自宅を訪問しました。

しかし伯父はその呼びかけに無視を決め込んで一切応じませんでした。

行政に連絡されたこと自体が相当気に食わなかったようです。

祖父母から引きこもりに対する具体的な行動を起こされたことで、職員が帰った後に叔父は自分で部屋から出てきましたが、解決を急いだことが結果的にはそれが裏目に出ました。

その後叔父はアパートを借りて実家を出て行ったのです。

円満な解決ではなく、叔父は祖父母に対して随分と恨み言や脅迫めいたことを言い残していきました。

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叔父

お前らが年老いて死んだ時には、この実家に戻ってきて、全部自分のものにするからな。

…とまで宣言しました。

このような経緯から叔父は実家を出たものの社会的に立ち直りを果たしたわけではなく、現在は開き直ってニート状態にあるようです。

ずっと独身で大企業で働き続けてきたことから貯金はまだある程度あるようで、生活保護を受給するなどの状態には至っていません。

しかしこのまま放置しておけば間違いなくセルフネグレクトに向かう…と親族は心配しています。

ミッシングワーカーはニートではない

ミッシングワーカー

ミッシングワーカーとは「消えた労働者」・・・労働市場から消えた中高年を指しますが「ニート」ではなく、当然統計にも反映されていない存在です。

その数100万人超。日本の40代50代の働き盛りの人たちが統計から「消えて」います。

1997年と2017年の統計を比べると、40代50代の世代人口が160万人減少しているにもかかわらず、ミッシングワーカー数は73万人⇒103万人…4割以上増加しています。

さらにこの数年間は ミッシングワーカーが失業者数を上回っている結果も出ています。

「ニート」は働いておらず、職探しもしない。通勤・通学・家事や家事手伝いなどもしていない人たちのことを指しています。

一見してミッシングワーカー=ニート…と思いきや、日本ではニートは15歳から34歳までの「若年無業」に限定されていますので、40代50代はニートとは呼ばれません。

ニートへの支援は各地のハローワークや自立支援センターで進めているのですが、これらの施設は「ニート」ではない40代50代を対象にしていません。

こういった現状の不備もミッシングワーカーが増加する一因となっていますが、ミッシングワーカーが無職のまま老後を迎えて生活保護受給者になるとすると、それを支える国民の負担も大変なものになると予想されます。