慢性アルコール中毒体験談!アルコール依存症になりかけた女性の話
20代女性 これは私が中絶したことが引き金となってアルコール依存症になりかけた話です。
私は夫(当時35歳)と出会って夫の猛アピールから交際、同棲からとんとん拍子に結婚に進みました。
お互い会社員をしながら順調に交際を続け、交際3年ほどしてからお互いの親に会い、あとは結婚の挨拶を…というタイミングで、気をつけていたにも関わらず まさかの妊娠発覚。
夫は若いころに両親の反対を押し切って結婚したことにより 実家から勘当されていました。
その結婚は数年後に破局して離婚に至りましたが、その数年間は両親と音信不通だったということで、夫はその過去をとても後悔していました。
そのせいもあって今回の結婚は

結婚はきちんと両親に認めてもらってからにする。
…というのが大前提でした。
中絶してから「本当は産みたかった」に気づいて錯乱
そんな中、番狂わせの私の妊娠の発覚。
私が妊娠を報告した時 夫は頭を抱えて

もし産むなら相当な覚悟をしてほしい。本当にごめん。
…と言いました。
その姿を見た私は 初めての妊娠を拒絶されて 正直絶望しました。
実は私自身も急に家を飛び出して夫と同棲をしたりした経緯があり、ずいぶん親に心配をかけてきた手前、これ以上迷惑をかけられない…と思い、今回の妊娠をあきらめました。
妊娠は早い段階で気が付いたのでつわりなどもなく、堕胎手術をするのも 初めはなんとも思っていませんでした。
しかし術後に麻酔が切れかかり、意識がもうろうとしている中で

私の赤ちゃんがいなくなったー!!
…と私は錯乱状態で泣き叫びました。その時やっと

私はほんとうは赤ちゃんを産みたかったんだ。
…と自分の本心に気づきました。
夢みた新婚生活が破れ飲酒量が増えて毎日がブラックアウト
元々好きだったお酒の量が増えていったのもこの頃からです。
飲んでいて記憶をなくすのは当たり前。
私は車を運転しないので、ほとんど毎日二日酔いになるほど飲んでいました。
しかし、つらさを忘れるためにお酒に溺れて、完全に希望を失っていたわけではありませんでした。

両家へ正式に入籍の挨拶をして、幸せな新婚生活や新婚旅行。それから落ち着いたら必ず赤ちゃんをお迎えするんだ。
…と心に決めていたからです。
ところがほどなくして急転直感の展開になりました。
入籍から2週間ほどした時、義父が急死。脳こうそくで意識不明のまま病院へ運ばれ、亡くなったのです。
人生のすべてを義父に捧げているような義母は憔悴しきってしまいました。
そこで遠方に住んでいたにもかかわらず 夫は連休とあらば義実家に帰るようになり、私にとっての夢みた新婚生活も何もありませんでした。
そんなむなしさを埋めるように 私の飲酒量はどんどん増えていきました。
毎日ブラックアウトです。
半日出勤の日は帰ってからすぐにビール。
ビールを飲みながら家事をする。
それが悪化し、夫が帰る頃には泥酔状態で口論もしばしばでした。
夫への不信感からぷつんと糸が切れて飲酒がやめられなくなって…
そんな中 義母にも病気が見つかり、夫から

母が心配だから、子供は落ち着いてからにしよう。
…と言われました。
その言葉に唖然とした私は夫への不信感が募り

この人は 自分の両親を安心させたいがために、初婚の私を選んだだけだ。私のことなど二の次でどうでもいいと思っている。
…と思うようになり、うつ状態になって仕事に行く気にもなれない日が続きました。
それからは段々と仕事に行く前にも飲酒をするようになり、そんな日々が数ヵ月続いたところで、突然ぷつんと糸が切れたように仕事に行けなくなりました。
出社前はビール2本までと決めていましたが、3本飲んでも5本飲んでも、足が動かず 体が言うことをききません。
なんとか職場に電話だけして、そのまま潰れるまで再び飲酒をし、そんな日が3日続き、見るに見かねた夫から仕事をやめるようにと言われて そのまま退職しました。
アルコール依存症ではなかった!慢性アルコール中毒を自力で克服
退職後も朝から飲酒。
そして夫の帰宅後に怒鳴りあいの口論を続け、遠方の実母を夜中に呼びつけた末に 私は実家に逃げました。
それからは両親の支えもあり、禁酒を始めました。
禁酒初日は脂汗が止まりませんでした。
お酒を休もうにも変な妄想に取りつかれ 被害妄想のオンパレード。
禁酒3日目ぐらいまではこの状態が続き 地獄でした。
それからアルコールの問題を取り扱う精神科に行きました。
MRIを撮影したところ、脳の萎縮などの問題は見つかりませんでした。
さらにカウンセリングでは家族構成や今までの経緯を説明し、心理テストのような用紙に記入する物もありました。
これは結果の伝え忘れか結果を告知しないものなのかわかりませんが、何だったのか未だわかりません。
カウンセリングの結果、医師からは

現在飲酒を自発的にやめられているので、アルコール依存症ではありません。断酒会などは高齢男性や重度の人が多いので、あなたには向かないと思います。
…と言われて 受診は終了となりました。
アルコール依存症ではないと言われて安心はしましたが、

これだけの症状が出ているのに依存症じゃないのか!?
…と驚きました。
私のケースはアルコール依存症まではいかず、その手前の慢性アルコール中毒のようでした。
それから4か月ほど実家で過ごしてから夫が待つ家に帰りました。
その後は夫も私に合わせて禁酒してくれて、義実家に帰る頻度も減らしてくれたので 私も落ち着きました。
「アルコール中毒」には急性アルコール中毒と慢性アルコール中毒の2種類があります。
急性アルコール中毒とは 短時間に大量のアルコール飲料を摂取したことで、意識を失い 生命さえも危険な酩酊状態となってしまう。
慢性アルコール中毒とは 長い期間において大量のアルコール飲料を摂取したことにより 身体的にも社会的にもさまざまな問題を引き起こしてしまう。
俗に呼ばれる“アル中”とは、厳密には「アルコール依存症」を指します。アルコール依存症とはアルコール摂取に関するコントロールが効かなくなった状態を言います。
引用元:札幌障害年金相談センター
アルコール依存症に悩む人は禁酒の「環境」を整えることが大事!
それから1年後に私は無事妊娠・出産し、今は一児の母です。
今は禁酒はやめてたまには飲んでいますが 家以外で飲むことはありませんし、飲み過ぎないようセーブできるようになりました。
あの頃の悪夢は二度と起こらないと思います。
アルコール依存症は精神的な辛さから飲酒に走ることがほとんどで、それは本人にしか解決できない問題でもあるのですが、完全に一人きりでの禁酒はかなり難しいです。
私の場合は実家に戻っていて家族の目があったから、我慢できたことが大きかったです。
特に離脱症状が強い時はそう感じましたし、少しずつ落ち着いてくると 熱いお茶などを飲むことでアルコール欲を我慢できるようになりました。
アルコール依存症に悩む方は 時間を作って 禁酒をする環境を整えてみることから始めるのがいいと思います。