末期癌在宅看取りで訪問リハビリ職員が豊かな時の流れを感じた体験談
20代男性 これは余命3ヶ月のガン患者を寝たきりの状態でも自宅で看取るチームと家族の話です。
私は訪問リハビリの職員で、末期癌患者の70代のAさんのお宅に週2回程度訪問に行き、リハビリを行っていました。
穏やかで明るい末期癌患者と奥さんの様子に打たれた…
Aさんは末期癌患者です。余命宣告をされており、癌の場所が悪く 寝たきりの状態から起きることができませんでした。
病院で看取るという選択肢もある中、Aさんとその奥さんは自宅に戻って生活をするという選択をし、そこに私が関わることになったのです。
Aさんを自宅で看取るための訪問チームをケアマネジャーを中心にして作り、なんとか自宅で最期を迎えられるようにしようと協力体制を築きました。
しかし訪問チームを組んだとしても、ずっとAさんのそばにいてメインの介護をするのはAさんの奥さんです。
そこには苦しさが付きまとい、明るい環境の中で生活を送るのは難しいのではないかと感じる気持ちが私の心の中にはありました。
しかし、私が繰り返し訪問をする中で、非常に穏やかで明るい空気でほとんどの時間を過ごしているAさんとAさんの奥さんがいました。
この様子を拝見した私は、寝たきりの末期癌であっても 自宅で過ごすという選択肢の素晴らしさを再認識したのです。
在宅看取りの看護計画と看取りチームとは?
末期癌患者の看取りのためのチームは『ケアマネジャー』『Aさんの奥さん』『訪問診療の医師』『訪問看護』『訪問介護』『訪問リハビリ』そして本人である『Aさん』で組まれていました。
ほとんど毎日、朝・昼・夕と それぞれのメンバーが訪問するようにスケジュールが組まれており、専門性を活かしたケアを行なっていました。
ケアチームの訪問の時間のない時はAさんの奥さんがメインで関わり、夜間は訪問看護に緊急時の連絡が取れるような体制を取っていました。
末期癌の在宅看取りは悲しみよりも豊かな時間の流れを感じた…
在宅での医療や介護のケアサービスがある程度充実している中で、末期癌患者の自宅看取りの選択肢は、人生の最期を豊かに迎えることができる方法の重要な選択肢の1つであると感じます。
寝たきりの状態であっても、家族と少し会話をしたり、親族がフラッと来て話をしたり、コーヒーを飲んでテレビを見てみたり。
そんなことを自然と行いやすい自宅で最期を迎えるということは、悲しみの時間より豊かな時間なのだろうと強く感じました。
Aさんの家族にとって末期癌で寝たきりの状態であっても自宅で看取るという選択肢は、最善の選択肢だったのではないかと思います。
このような例があることは、どのようなら最期を考えるかという上でも重要ですし、要介護度が5のレベルであっても、自宅で最期を選択する方がいるのです。
在宅での医療・介護サービスの活用を考えることは、人生を豊かにする選択肢の1つになり得ますが、地域によっては在宅系のサービスが充実していない所もあります。
在宅医療を望んでいる方は、まずは詳細を自治体に問い合わせてみてください。
在宅医療は大変?実は「そんなことはなかった!」と言う人が多い
在宅医療には、医師だけでなく訪問看護師、訪問ヘルパーといったさまざまな人の手が入ります。リハビリや入浴も訪問してもらえますし、自宅をバリアフリーにする費用の補助、ベッドや車イスのレンタルサービスなど各種サービスの用意もあります。
そのために、思ったほどご家族の負担が多いということもなく、生活を送れます。実際、いざ在宅医療を始めてみると、最初に思っていた不安が杞憂だったとみなさん口にします。
私たちの患者さんの中には、そもそも見守ったり世話を焼いてくれたりするご家族のいない独居の高齢者もいますが、そんな患者さんでも、在宅医療が成立しているのです。
引用元:日刊ゲンダイ
【最後まで在宅】平穏に生きて死ぬための医療と在宅ケア
末期がんの方々のお宅に同行させてもらい、この間の在宅医療の進歩に驚いた。
まず、痛みのコントロールに使いやすい麻薬(モルヒネなどのオピオイド鎮痛剤)が次々と登場し、薬の副作用などで起こる吐き気、嘔吐、便秘などに対しても、副作用を抑える薬を使ったり、副作用の少ない薬に切り替えることができるようになった。
在宅医療自体も、訪問診療医、訪問看護師、訪問歯科、さらにはリハビリやマッサージ、訪問薬剤師などがチームを作ってサポートする体制ができてきたので、介護者も心強くなった。麻薬などの薬、医療器具の説明や使い方、これからどんなことが起こりうるのか、といったことを、日々の訪問の中で説明してくれる医師や看護師もいる。
とはいえ、在宅医療、特に緩和ケアに対しては、地域格差が大きいため、どこでもこうした支援があるとは言い難い。
引用元:最後まで在宅
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