救急車を呼びすぎる隣人トラブルの騒音を相談支援事業所が解決した話
これは2017年6月に起きた、統合失調症を持つ男性が近隣住人とトラブルを起こした話です。
統合失調症でアルコール依存症の男性Aさんは当時53歳。
私は当時39歳の訪問介護事業所のヘルパーで、当時48歳の男性Bさんはその利用者さんです。
AさんとBさんは同じアパートに住んでおり、私はBさんの身の回りの世話をしに週2回アパートを訪れていました。
【隣人トラブル】深夜の騒音!毎晩やってくる救急車のサイレンで眠れない!
私は訪問先のBさんから、同じアパートに住むAさんに関する相談を受けました。
Bさんは1階の部屋に住んでおり、Aさんはその真上の2階の部屋に住んでいました。
Aさんには統合失調症とアルコール依存症があり、入退院を繰り返しているといった状況でした。
Aさんはどうしてもアルコールが止められず、飲酒をしては具合が悪くなり、その当時毎晩のように救急車を呼ぶようになったそうです。
統合失調症の薬はアルコールと併用すると強いめまいやふらつきなどの副作用が出てしまうため、体調が急速に悪化して動くことができない状態に陥るのです。それで焦って電話を掛けていたのです。
毎晩のように深夜に救急車がサイレンを鳴らしやって来るため、Bさんを含め近隣の住人は夜も眠れず大変困っていると聞きました。
救急隊員の方も毎度の事と分かってはいても、通報されれば行かない訳にはいかずにとても困っている様子だったとBさんは話していました。
隣人トラブルを相談支援事業所へ相談
そこで私は 当時働いていた会社の系列の相談支援事業所の相談支援専門員の男性Cさんに、事の顛末を説明し、対策を考えてもらうことにしました。
たまたまその事業所は私が勤務する事務所と同じ建物内にあり、Cさんとは顔見知りで仲が良く、仕事終わりに二人で飲みに行くといった間柄だったので、気軽に相談できました。
Cさんは市役所の福祉課へ連絡し、Aさんの状況等の説明をしました。
どうやらAさんは市役所内でも有名人だったらしく、担当している相談支援事業所もすぐに判明したため、そこに連絡をし、Aさんの現状を説明しました。
その流れから すぐにAさんは市内にある精神科病院に入院となりました。
Aさんを担当する相談支援事業所では、Aさんの酷い状況を把握していなかったようでした。
このまま治療を終え退院したとしても、また同じことを繰り返してしまう可能性が高いと判断し、Aさんの家族の協力も得て 退院後は県内にある障害者施設に入所になったとのことでした。
隣人トラブルは状況を把握して早めに適切な役所へ通報!
精神疾患を持つ人が、殺人などの痛ましい事件を起こし、ニュースに出る事がよくあります。
そんな人たちでも、身の回りにいる親族や友人・同僚などが早くに気づいて、通院や服薬、入院治療まで持っていくことができていれば、そこまでの事件は起こさなかったのかもしれません。
ここ最近の精神薬の発達は素晴らしいです。しかるべき治療を受け、服薬を続ければ精神疾患はかなり抑え込むことができます。
身の回りに、理解しがたいようなおかしい行動、言動がある人を見かけたら、すぐに市役所なり相談支援事業所に連絡をしましょう。
相談支援事業所って何?
障がいを持つ方が置かれている状況や抱えている悩みの相談に応じ、暮らしについて一緒に考えることを「相談支援」と言います。主に相談内容に対する情報提供や助言、必要な障害福祉サービスの利用につなげる支援や、関連機関との連絡調整などをおこないます。
「相談支援」は市町村の福祉窓口のほか、「相談支援事業所」で提供しています。
相談支援事業所で提供している相談支援は4種類あり、利用者からの相談内容によって「基本相談支援」「計画相談支援」「地域相談支援」「障害児相談支援」に分けられます。
引用元:ジョブメドレー
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