親の死後の兄弟絶縁は確定!親の葬式にも出ない兄と絶縁状メールの話
これは2018年に私の家族に起きたエピソードです。
当時の私の家族構成は父親83歳と母親87歳。2人は宮崎の実家で暮らしていました。
長男である兄56歳は東京で暮らし、次男の私は福岡で暮らしており、両親が困った時には私が帰省して面倒を見ることにしていました。
父の危篤時から遺産相続の話をする兄
3年前のある日、難病で入院していた父親(当時83歳・宮崎県在住)が危篤状態に入りました。
病院から父の危篤の連絡が入り、そろそろ危ないと思われた時期に 私のもとに兄から再三電話が入りました。内容は父が亡くなった後の遺産相続の分配についてです。

お父さんはまだ亡くなってないし。今はとてもそんな話が出来る状態じゃないよ。
…と兄に伝えたところ、気を悪くしたのか何か勘違いしたのかわかりませんが、兄はプツッと電話を切り、こちらから電話を掛けなおしてもまったく音信不通となりました。
親の葬式にも参列しない兄
それどころか 兄は父の葬儀にも参列せず、その後の四十九日から一回忌も欠席。結果、次男である私が葬儀をはじめ死後事務の一切合切を取り仕切ることになりました。
音信不通といっても父の葬儀中に一度だけ兄からメールが来たのです。

棚の中の物は俺のだから触れるなよ。
葬儀に来ないだけでなく、告別式が行われている最中にそんなメールを送ってくる兄の心境が理解出来ませんでした。
遺産分割協議で決裂し兄の希望通りに妥協したが…
その後の遺産相続協議では、法律上の分割は当然のこととして、私的にポイントにしたかった話が 今後の母の介護と介護費用の捻出についてです。
認知症気味の母親はこれまでは父が何とか面倒をみてきたのですが、父に先立たれたこれからは一人暮らしを余儀なくされています。私は兄に

お互い実家から遠距離で生活をしているけれど、私だけが今後も自腹を切って定期的に宮崎まで介護に向かうのは経済的に厳しい。母の介護費用を遺産分割で考慮してほしい。
…と伝えました。
実は兄は母と折り合いが悪かったのです。
それだけを考えても母の介護に協力することは考えられませんでしたが、やはり介護にも介護費用にもまったく関心を示さず、母のための話し合いの場を設けるそぶりも見せませんでした。
そしてしまいには

お前とはまったく話にならんから 第三者を立ててくれ!
とりあえず私は自分の妻を間に入れて話し合いを進めようとしましたが、それでも膠着状態に変わりはありませんでした。
こういった遺産相続のもめ事が進んでいる最中にも 母の介護をやらなくてはならない自分がいます。
山積した父の死後事務処理と介護疲れと相続税の申告の問題などを考えているとだんだんと面倒な気分に陥ってしまい、最終的には兄の思う通りの内容で妥協し、遺産相続を完了させることになりました。
兄からの絶縁メール
相続が完了してしばらくしてから兄から妻へメールが送られてきました。その内容は 今回の件で妻に間に入ってもらったことへのお礼と 私への間接的な絶縁状です。

次男とはもうこの先、話をするつもりはない。
あれから3年が経過しましたが、私と兄との間での直接的な電話やメールはありません。
ただし建前上、父に関わる法要の案内状は送っています。葬儀にも参列しなかった兄が 法要に参加することはありませんが。
その後の母は階段で足を滑らせたことで約半年の入院生活を送り、現在は介護老人保健施設(老健)に入所しています。
私は今でも自費で福岡から宮崎へ月に一度帰省しながら母の様子を見に行っており、将来に向けて有料老人ホームを地元で探している最中です。
親の死後の兄弟絶縁は確定
おそらく兄と私は今後も話をすることはないですが、次回面倒なことが起こるとすれば、母の他界によって相続が発生する時でしょう。
兄は父の時と同様に母の葬儀などにも参列するつもりはないだろうし、父の時のように相続のお金の話しかしてこないと想定されます。
また私と直接的に話をすることを拒むことも予想されますから、今度は私の方から第三者を立てるように兄に言うつもりです。
兄のことだから弁護士を依頼しそうなものですが、長引く遺産相続協議は体力も浪費するし、時間ももったいないので 早期解決をいちばんに考えるつもりです。
そしてそれさえ終われば 兄との関係も完全にゲームオーバーであることは間違いありません。
介護に後見したら相続で寄与分が認められる?
子供たちのうち、一番年上の長男が「自分が何十年も年老いた父親の面倒や介護をしてきたのに、相続できる財産が親の面倒を見なかった弟たちと同じ割合なんて納得できない!」と考えるかもしれません。
この意見にほかの兄弟が納得するかどうかはわかりませんが、もしも相続人のうちの一部の人が、被相続人に何らかの貢献をしていたら、それを遺産分割の時に考慮してもらいたいと考える人は少なくないと思います。
民法では、相続人の被相続人に対するこうした貢献を遺産分割に反映させる制度が用意されています。それが「寄与分」の制度です。寄与分が認められた相続人は、寄与分が認められた分だけほかの相続人より財産を多く相続することができます。
しかし、実際に遺産分割が行われるなかで、寄与分が考慮されるケースはそこまで多くありません。
相続人の一部の人が寄与分の主張をし始めた場合、被相続人に対する貢献の話ですから、ほかの相続人は面白いはずがありません。また、被相続人に対する貢献は一見して数字に表れづらいこともあり、感情的な対立になりやすいという事情があります。
そのため、寄与分の主張を強くすると、話し合いで折り合いがつかず、裁判所での調停や審判で決着をつけざるをえないということもあります。そうなると、いつまでたっても遺産分割協議が終わらず、手間と時間がかかってしまうのです。
同居している親子であれば、歳を取った親の面倒をある程度見ることは、法律上当然とされています。ですので、程度の問題ではありますが、「特別の寄与」として主張したい事実が、「親の食事の世話をずっとしていた」とか、「病院の送り迎えをずっとしていた」という内容では、「同居している親子であれば当然です」とされてしまう可能性が高くなってしまいます。
寄与分の主張または特別寄与料の請求は、相続人間で事実関係の争いになるなど、相続に関する紛争につながる可能性があるので、実際に寄与分や特別寄与料の請求を検討される際は、弁護士などの専門家にご相談されることをお勧めします。
上記引用元:相続会議
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