高齢者の引きこもり体験談!祖母の家がゴミ屋敷(汚部屋)になった話

高齢者の引きこもり体験談!祖母の家がゴミ屋敷(汚部屋)になった話

高齢者の引きこもり

30代女性 これは祖母の引きこもりとゴミ屋敷化の話です。

当時祖母は74歳でした。

祖母はもともとは社交的で 近所の人や友人など 家に人を呼ぶのが好きな人でした。

しかし祖父が亡くなってしまったことをきっかけに あまり家の中に人を入れたがらなくなりました。

それに伴ってお正月などに親戚で集まることもなくなってしまいました。

祖母とは電話で話すことはできます。

しかし「会おうよ」と言っても なぜかわかりませんが そういう誘いを嫌がるようになっていました。

家の中に入れてくれない祖母の挙動不審の原因は汚部屋だった

高齢者の引きこもり

そんなある日、旅行のお土産を渡すために母と私で一緒に祖母の家に向かいました。

家から出て来た祖母は 私たちが玄関に入ることも許そうとしません。

あまりにも様子がおかしいと思い 母が無理やり中に入っていくと、家の中がまさにゴミ屋敷のような状態になっていて驚きました。

家の中がゴミ屋敷状態だったために人に見られたくなくて引きこもっていたのか?

数ヶ月も引きこもっていたせいでゴミ屋敷のようになってしまったのか?

どちらかは分かりませんでしたが、どちらにせよ とんでもない状態になっていたことに変わりはありません。

二世帯住宅で息子夫婦がとなりにいても引きこもり

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このときの祖母は1人暮らししていたわけではありません。

二世帯住宅で叔父夫婦と同居していたのですが、食事は完全に別々で、祖母がリビングに出てくることもほとんどなかったそうです。

基本的に自分の部屋に引きこもりっぱなし。携帯電話もパソコンも持っていないため 娯楽も情報を得るのも全てテレビからでした。

そのためひたすら毎日テレビを見つづけて 人と会話することもなく日々を過ごしていたようです。

家族が仕事でいない間に買い物に出かけてパンなどを買いこんできてはまた部屋に引きこもり、部屋の中で買ってきたものを食べたり寝たりの繰り返し。

祖父が亡くなってからは叔父家族とのコミュニケーション自体がなくなっていたようです。

祖母が誰とも会わず 話もしない毎日が当たり前になっていました。

この光景を見た私の脳裏に「同居孤独死」という言葉が浮かんできたときには、正直鳥肌が立ちました。

今、同居している親の死に気づかず子どもが放置するケースが各地で相次いでいる。一つ一つを詳しく調べたところ、仕事を持ち外からは「普通」の生活をしていると思われていた子どもが放置するケースが少なくないことが分かってきた。私たちは遺体を放置した人々を独自に取材。「早く気づくべきだった」「親に申し訳ない」。一つ屋根の下でも、生活は別々。互いに干渉しないようにして暮らしている親子。同居する親子にいま何が?
引用元:NHKクローズアップ現代

汚部屋の片付けと共にすさんでいた祖母の心が回復

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私たちが祖母を少しでも外に連れ出そうと試みても嫌がるため 事態が動かず 本当に困っていました。

外に連れ出したところで家がこのままでは何も変わらないだろうと思い、とにかく まずは家をなんとかしようということで 私と母で祖母の家に通いました。

祖母から嫌がられ拒否されながらもなんとか家に入り 汚部屋の片付けをしていきました。

最初は頑なに拒否して祖母の口調が攻撃的になっていたので、なんだか以前の祖母と違う人のようで少し恐ろしく感じました。

それでも少しずつ部屋が片付いていくにつれて 祖母の不思議と口調が穏やかになっていきました。

ある程度ゴミが捨て終わって部屋がスッキリすると、祖母もきちんと綺麗にしていた頃を思い出したかのように嬉しそうな表情へと変わりました。

【同居孤独死の予防】祖母を独りにしない配慮を同居家族にお願いした

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更に私たちは叔父夫婦に 朝昼晩のうち1日1食でもいいから祖母と一緒に食事をする時間を作るようにお願いしました。

祖母にも部屋のベッドの上などで食事をしないように伝え、家族がいない時間帯でも必ずリビングに出てきてしっかり席に着いて食事をするように話しました。

最近は叔父夫婦の息子夫婦も一緒に暮らして3世帯で住むようになったため、祖母が1人きりになる時間も減り ずっと部屋に引きこもることはなくなりました。

コロナ後の高齢者の孤立はさらに深刻化する

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高齢者の孤立も、コロナ後はより深刻化している。例えば、孤独死を取り巻く現場は、コロナ禍によってさらに危機的な状況へとシフトしたのだ。これまで可能だった民生委員などの地域の見守り活動が困難になり、高齢者が長期間にわたって、家の中で亡くなっていても発見されないという事例が相次いでいる。

『私たち個人個人にできることとしては、まずは自分がどういう社会階層や社会関係にいるか、客観的な視点を持つことが大切です。自分が相対的に低い不利な立場にいることを自覚すること。外から自分を客観的に見ることができたときに初めて何をすべきかが明確になるからです。まだまだ自分たちが社会的弱者であることを認めたくない人の方が多い。だけどそれを続けると、困窮した時に誰も助けてくれる人が周りにはいなくなることにつながるんです。』

自分の状況を見つめるのは、とてつもない痛みが伴うという現実がある。皆、小さいながらも自分のプライドにしがみつくことでアイデンティティを必死に保って生きている。だから助けを求められない。

しかしそれは、徐々に自分を追い込み、がんじがらめとなって最終的に次第に息ができないほどになる。アップアップして苦しみ、最後は酸欠状態となる。それが今 日本社会を覆っている膜の正体なのかもしれない。
引用元:家族遺棄社会

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