個人再生のメリットがデメリットより大きかった債務額500万円の話
これは2017年3月に生活費を補填するために使ったカードの多重債務の話です。私は当時45歳(女性)で、夫婦で一緒に個人再生を選びました。
私は広告業のデザインを生業としています。2015年ころから社会不況と業界不況が重なり、会社の業績が急激に悪化して、その年に勤続25年目にして初めての給料カットとなりました。
1年後には回復するだろう楽観視していたのですが、その年以降、業績は悪化の一途を辿っていき、それからの2年間、3回の給料カット、ボーナスも出なくなりました。
その間に二人目の子供も生まれたタイミングもあったので、生活は一変。悪いことは続くもので、父が交通事故に遭って資金が必要な時期に頼れなくなりました。
その頃には債務額は500万円に昇り、もう支払いの限界でしたので苦渋の選択をしました。夫婦で個人再生の手続きをすることにしたのです。
相談した先は弁護士事務所で、ネットで調べているときに債務整理に長けている法律事務所という口コミから決めました。
個人再生のデメリットがメリットより大きい!任意整理はやめて個人再生を選んだ
持家の有無、自家用車の有無、貯金額、債務総額500万円超(楽天・ライフ・ニコス・ジャックスなどのカード)などを指定された書類に書き込み、弁護士と私達夫婦での一問一答が始まりました。
最初の私たちの希望は「任意整理」でしたが、弁護士からは「個人再生」を推奨されました。

このケースでは 債務額の大きさ。リスクがあること。必要書類の多さ。認可まで時間が掛かる大変さはあるものの、月々の支払を最大20%まで圧縮できること。持ち家を維持できる事。3年で完済できる事などから、個人再生の方がおすすめです。
デメリットも当然ありますが、個人再生の方が私たちにはメリットが大きいと説明されました。
個人再生の認可までに行う事は多いし、裁判所とのやり取りという厄介な部分はありましたが、現状の債務の支払いの多さと比べれば…と思い、個人再生にサインをしました。
裁判所の認可までは10カ月掛かりました。
その間、毎月の家計簿の提出。車のディーラーに行って自家用車の下取り査定書の査定。不動産屋を呼んで持家の査定書を作成。現在の退職金の見込み表、会社の規定書。
お金に絡む財産の部分の査定書を全て作成し、出来た順から提出していきました。修正があるものは戻され、再修正して提出などをしていきました。
個人再生開始まで10カ月!月々の支払いは45,000円で3年で完済
認可が下りるまでの期間は、認可が下りたら毎月払うであろう金額分を弁護料として45,000円を支払いました。相談前は毎月10万以上は返済に回していたので、かなり助かりました。
全ての提出書類にOKが出て、法律事務所が申出書類を作成、裁判所に提出し、後は認可待ちです。その間、裁判所からの質問を法律事務所を介してやり取りを行いました。
相談してから10か月後、晴れて認可が下り、個人再生の支払い開始となりました。私は正直、認可まで1年は掛かると覚悟していたのです。その部分を問うと、

普通は認可までもう少し期間が掛かるのですが、勤続年数が20年以上のあなたのキャリアが大きく影響したのだと思います。
つまり安定して毎月返済できる人…と裁判所が認めたということでした。
その後も毎月45,000円を3年間支払いつづけて 完済することができました。
カードは5年以上は作れないのでローンも組めませんが、今は貯金もできるようになったので、弁護士に債務整理の相談をして本当に良かったと思っています。
個人再生のメリット・デメリット
- 資格制限の問題が生じない…就ける職業の制限などがない
- 借入の原因は問われない…ギャンブルの借金でも利用できる
- 持ち家を手放さなくてよいこともある…住宅ローンを支払い続けるタイプの個人再生手続きがある
- 愛車を手元に残せる可能性が高い…車の価値の分を返済できれば手放さなくても済む
- 信用情報機関に登録される(ブラックリスト)…登録機関は5~10年(機関により異なる)当分はお金を借りられないことを覚悟する必要あり
- 官報に記載される…記載されるタイミングは3回。一般人は官報などほとんど見ていないが、これをチェックしたヤミ金から借り入れの勧誘チラシが送られてくることがある
- 自己破産より経済的負担は大きい…個人再生は「圧縮された額を返済する手続き」
- 原則として弁護士等の選任が必須。個人再生手続き費用は高い
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