孤独死の特殊清掃の費用の相場は?いくらかかるのか?
引用元:日本少額短期保険協会
このグラフでは 孤独死してから発見されるまでの日数が14日以内が45.8%を占めています。一人暮らしは孤独死しているのが発見されづらいのかもしれない…と思わざるを得ません。
発見されるまでに時間がかかればかかるほど、当然のことながらシミや異臭などの「物理的瑕疵」が発生します。※瑕疵…きず。欠点 これらは特殊清掃業者に依頼しないと一掃することはできません。
特殊清掃にはさまざまな方法があります。床の解体工事まではやらずに 床の表面部分と室内の消毒をするシンプルで応急処置的な特殊清掃。解体作業をして床下まで徹底的に清掃や消臭処理を行うもの。壁紙まですべて剥がしてオゾン脱臭に至るまでのフルクリーニングをするものなど。
一般社団法人 日本特殊清掃隊HPによると、特殊清掃の費用は「特殊清掃●●●パック」のような定額サービスで概ね10万円前後。完全消臭まで行う特殊清掃で30万円から80万円程度が相場だということです。
日本少額短期保険協会の調査によると、残置物処理費用は220,661円(平均) 原状回復費用は381,122円(平均)となっています。
もちろん特殊清掃は物件の傷み具合や価値によって変わりますし、依頼する業者によっても費用はまちまちであることは言うまでもありません。
孤独死の特殊清掃は 汚れの除去、消臭、虫の駆除、場合によってはリフォームに至るケースもあります。いずれのケースでも「特殊」であるだけに 費用は高額であることは間違いありません。

こどくし
孤独死の特殊清掃費用の負担は誰に行く?相続放棄はできるか?【賃貸】
特殊清掃の費用負担は基本的に遺族側に行きますが、しかし孤独死している人には身寄りがないことも多いです。
そういった場合、「確実に高額な」特殊清掃費用の負担はどこに行くのか?
まずは遺族が特殊清掃費用を負担。原則として相続人が支払うのだが…
結論からいうと、特殊清掃費用は相続人が支払うことになります。
相続人=遺族です。まずは遺族に請求が回り、支払い義務が生じます。
もし遺族がこの支払いを拒否したいのであれば、家庭裁判所で相続放棄の手続きを正式にとる必要があります。

そうぞく
孤独死の遺族にはお金の問題だけではなくやることが山積していますし、場合によっては損害賠償が請求されることもあります。

孤独死者に身寄りがないと友人・知人に連絡がいくことがある
孤独死者に遺族も身寄りもいない場合は 残されていた遺品や手紙や携帯電話の履歴などをたどって 友人・知人に 孤独死の連絡や請求が告げられることがあります。
もちろん友人・知人にはこの支払い義務はありません。万一請求されたとしても拒否することができます。
支払い手がいなければ賃貸物件の大家さん特殊清掃費用を負担する
最終的に八方ふさがりの場合、特殊清掃料金や賃貸物件の修復にかかった費用は、この物件の大家さんのところに行きます。
この大出費のとばっちりは大家さんが全部かぶります(ほとんどの大家はそういう事態に備えて保険をかけていますが)
自治体は身寄りがない人の葬儀(火葬代)は出してくれますが、特殊清掃や修復費用などは出してくれません。
孤独死の後始末とその落とし前は 家族・親類・縁者・不快な思いをする近隣住民・大家さん・自治体関係者をまき込んだ 広範囲にわたる大騒動に発展することは必至です。
そう考えると、とても恐ろしくなってきませんか。でも、誰もが「孤独死」する可能性はあります。特におひとりさまは 日ごろから強く孤独死対策を意識しておきたいものです。
もしも孤独死してしまったとしても、一刻も早く遺体を発見してもらうことができれば、ここまで最低・最悪な顛末は回避できるのです。

