孤独死とペットの終活!おひとりさまが家族を道連れにしない対策の話
日本は少子化が進み、人口も減少しているのが現状ですが、今は子供の数よりもペット(犬・猫)の飼育数の方が多いそうです。
犬の飼育数は減少傾向ですが猫は増えていること、また3世帯に1世帯がペットを飼っていると言われています。
ペットの存在が寂しさを緩和し、癒してくれるということで おひとりさまの高齢者でペットを飼っている人は多いのではないかと思います。
愛するペットを最期まで守るための4つの対策
自分もペットも元気なうちに里親を探しておく
ペットと最期まで一緒にいられる介護施設や高齢者向け住宅を探す
ペット信託(民事信託)の利用。遺言による負担付き遺贈を利用してペットにお金を残し養育してもらう
飼い主自身が孤独死しない対策を講じておく

【ペットの里親探し】自分もペットも元気なうちに里親を探しておく
里親を探す方法はいくつかあります。
ネットのコミュニティサイト、ペット好きが集まるサークルで仲間を作るなどが、一番手っ取り早くできるやり方です。
地域のペットサークルなどに顔を出して人間関係を築いておけば、もしもの時にペットを引き取ってくれる人と出会うかもしれません。
ネット上には里親募集を行うコミュニティサイトや団体が多くあります。
里親探しでは この人にペットを託してもいいのか?を見極めるのがなかなか難しいこともあります。
里親候補者とまめにメッセージをやり取りするなどして、相手の人となりを知ることが大切です。
ペット入居可の介護施設・高齢者向け住宅を利用する
最近はペットを飼育している高齢者が多くいるので、最期までペットと一緒にいたい!というニーズに応えた施設が増えてきています。
ただ、犬の場合は対象が小型犬以下のサイズなど、限定的なところが多いようです。中型犬や大型犬は施設で飼うことはなかなか難しいと思った方がいいかもしれません(もちろん可能性はゼロではないですが)
介護施設や高齢者向け住宅で「ペットも入居可」であることはもちろん、ペットのシャワースペースやドッグランなどの設備を設けた施設も登場しています。
飼い主に万一のことがあった時に動物愛護団体やNPO法人などと提携して、そのままペットの面倒を見てくれたり、ペットが亡くなった場合は火葬して埋葬までしてくれます。
こういった施設を選べば、最後まで安心してペットと暮らすことができます。
ペットにお金を遺す!ペット信託や遺贈の利用
基本的に日本では、法の上ではペットは「物」扱いになりますので、ペットに遺産を相続させることはできません。
でも家族信託や遺贈の制度を活用して、自分亡きあとの里親さんにペットにかかるお金を残し、生涯の世話をお願いすることは可能です。
ペット信託(民事信託・家族信託)
財産を預けて託した人にペットの世話を任せるのが「信託」です。
ここで託された側の人は「受託者」と呼ばれます。
引用元:おひとりさまの終活まるわかり読本
受託者自身がペットを飼えない場合は、ペットの世話は飼育を引き受けてくれた里親か施設(老犬・老猫ホームなどの)に依頼し、そこにかかる費用に信託金を使うこともできます。
これは飼い主が亡くなった後だけでなく、生前からも任せることができるので、安心確実な方法です。
遺言による負担付き遺贈
遺言で里親(=後継者)にペットを譲ることを明記し、世話をお願いするのが遺言による付託付き遺贈です。
ペットとその養育のための遺産をセットで託す形です。
引用元:おひとりさまの終活まるわかり読本
自分の死後のことなので、本当にペットのためにお金が使ってもらえるのかどうかが心配な場合は 遺言執行者を選んでおきましょう。
遺言執行者が、ペットの世話をろくにしないで遺産だけを使い込んでいないか、きちんと遺言が実行されているか。ペットと遺産を譲り受けた「受託者」を監視してくれます。

飼い主自身が孤独死しない対策を講じておく
さいごに…現実的かつ とてもイヤな話をします。
おひとりさまの中には「もし自分に万一のことがあったら…」と 共に人生を歩んでいるペットのことを心配する人も少なくないでしょう。
「孤独死」は高齢者に多い…というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、若い世代の孤独死も頻発していますし、男性よりも女性の方が突然死が多いというデータもあります。


最近は未婚者のみならず死別や離別によるおひとりさまが増加していることもあって「孤独死」も増加傾向にあり、それに伴って孤独死の発見が遅れてペットが道連れになるケースも増えています。
また、運良く残されたペットが亡くならずに発見されたとしても、その子に新しいもらい手・里親がつかないことも多くあります。
自治体によっては一時的に市区町村がペットを引き取ることもありますが、最終的に自治体がその子の里親を見つけられなかった場合は 保健所で殺処分になる可能性も…これでは飼い主の道連れになったのとほぼ同じことです。
若い世代の人でも明日の命の保証はありません。いつ人生が終わるかもわかりません。
守りたい家族(ペット)がいる方は、ペットのことだけでなく、ご自身の孤独死対策もしっかり考えておくことをおすすめします。
