孤独死の原因!若者は脳卒中・心不全・自殺・セルフネグレクトが多い
おひとりさま人口の増加に伴い 最近日本で増加傾向にある孤独死は近年 社会問題化しています。
孤独死の最大の原因は単身世帯の増加と未婚化です。
内閣府の推計によると、2030年には50歳以上の男性の3人に1人は未婚者、つまり単身者になると言われています。
そもそも孤独死とは?
巷では一般的に「孤独死」という表現が使われていますが、厚生労働省では「孤立死」という表現を用いていますので、公的には「孤立死」(こりつし)が どちらかというと正しい表現のようにです。
孤独死(こどくし)とは主に一人暮らしの者が誰にも看取られることなく、当人の住居内などで生活中の突発的な疾病などによって死亡することを指す。特に重篤化しても助けを呼べずに死亡している状況を表す。
「孤独死」は日本で高齢化が問題化した1970年代にマスコミによって作られた造語で、1995年の阪神・淡路大震災から特に使用されるようになった語であるが、様々な解釈が存在しており合意された明確な定義があるわけではない。
なお、欧米にはもともと孤独死という概念は存在しない。日本の孤独死に関する報道記事は「kodokushi」のようにローマ字表記されることが通例となっている。
引用元:wikipedia
孤独死の定義とは?
日本ではひとり暮らしをしている人が誰にも看取られずに たった一人で亡くなった。そしてそのまま放置された状態でおおむね2日以上が経過すると「孤独死」という表現が使われることが多いです。
周囲に噂が広まることで地元メディアやニュースで取り上げられてしまったりすると 2日以上たたなくても「孤独死」と呼ばれたりしているケースもあります。
「孤独死」はイメージ的な要素が強い言葉なのかもしれませんが、2021年現在、孤独死には明確な定義が存在していません。
一人暮らししていれば孤独死のリスクは高まりますが、これはある意味致し方ないことで、亡くなって翌日すぐに発見されるケースでは「孤独死」という表現を使わないことが多いです。
「孤独死」とは、例えば引きこもりやセルフネグレクトに陥っている人が、その人の存在を気にかけてくれる周囲の人間がいないことが理由で、亡くなってしまっても誰からも発見してもらえない状態が続いた場合に使われることが多いようです。
孤独死=孤立死…という認識で間違いないですが、孤高死(ここうし)は意味合いがまったく違います。

孤独死の原因と死因!病死・自殺・事故死
引用元:日本少額短期保険協会
孤独死とは簡単に言うと、自宅内での死が判明したひとり暮らしの人の死亡を指すことが多いです。
さらに自殺・事故死・自然死(病死)のいずれか、つまり犯罪性がない亡くなり方をした場合を「孤独死」と想定しています。
2017年の日本少額短期保険協会調べの「孤独死現状レポート」によると、やはり圧倒的に多いのは病死ですが、自殺が意外に多いことがわかります。
また孤独死の原因が病死の場合、その多くは脳卒中や心不全など、年齢を問わず突発的に起こる病気が多いです。
事故死による孤独死は、入浴中に何らかの原因・事情により溺死してしまうとか、階段を踏みはずして転倒し打ちどころが悪くて死亡する…などのケースがあります。
孤独死した人が在宅医療を受けていた場合は主治医が死亡診断書を書き「病死」と診断されるため、当然犯罪性はないですから 警察が関与することもありません。
しかし継続的に診療を受けていないで孤独死した場合は、警察が関与します。
つまり検死医(警察医)による遺体の検視を行い、医学的判断を仰ぎます。
万一犯罪性が認められた場合、これは「孤独死」とは呼ばれませんが、遺体は大学病院の法医学教室などに搬送されて司法解剖が行われます。
孤独死は高齢者だけではない!20代30代女性は男性よりも突然死が多い
引用元:日本少額短期保険協会
孤独死というとひとり暮らしの高齢者というイメージが強いかもしれませんが、30代40代でも普通に起こりうるものです。
突然死の男女比は、男性約8割、女性約2割。年齢別では20~50代が約5割です。
さらにに20代・30代の女性に至っては 男性よりも突然死の割合が高いという結果もでています。
そして孤独死の平均年齢は、男性は59.6歳、女性は57.8歳です。
やはり女性の方が若いのですが、ただ、この数値には自殺が原因の孤独死も含まれています(自殺は15%)
これらからわかることは、孤独死は高齢者の問題ではないことと、ひとり暮らしであれば孤独死は意外と身近にある問題であること。
孤独死が増えている原因はおひとりさまの増加や、近所付き合いが希薄であること。
今は買い物もネットで済ませられるので ますますご近所や地域の交流が少なくなっていることなども挙げられるでしょう。

孤独死の原因に多い「セルフネグレクト」
ネグレクトというのは一般的には子どもや高齢者に向けられて起こる虐待行為のひとつです。
これは保護者が保護を受ける側に対してケアをしない無関心や怠慢のことを指します。
例えば子供に食事を摂らせないとか身なりや清潔感に気を付けなくなるなどの育児放棄や、高齢者を虐待する事案などです。
そしてこの「セルフネグレクト」は 自分自身に対する無関心・気にしない・怠慢です。
ろくな食事を摂らなかったり、自分の身なりをかまわなくなったり、病気なのに医療機関を受診しない、家がゴミ屋敷になる…などの行為を指します。
セルフネグレクトに陥った人の多くは社会性が欠落しており、人との交流がなくなって引きこもることが多く、果ては孤独死に至る大きな原因であるともされています。
昨今はセルフネグレクト=孤独死予備軍…といっても過言ではないほど、セルフネグレクトの孤独死が急増していることもまた事実なのです。
孤独死の発見日数!男性の方が長期間放置が多い傾向がある
引用元:日本少額短期保険協会
男性は女性と比べると長期間の死後放置後に発見されているケースが多いということです。
発見者の多くは親族と友人で、連絡がつかないのを不審に思い、訪ねてきて発見、通報というパターンです。
また新聞や郵便物がポストからあふれているのを不審に思った管理人や近所の人が気づくことも多いですし、家賃滞納や光熱水関係が長期間停止していて気づかれることもよくあります。
発見までの平均日数が37~42日というのが、何ともはや…ですね。
孤独死しても1~2日で発見される場合は、それほどは悲惨な状況にはなっていないことが多く(もちろんそれは季節にもよるのですが、1~2日程度ではウジがわくほどの日数ではない、という意味で)
死後2~3週間が経過して遺体が発見されるケースの多くは すでにウジ虫がハエに成長しています。
そうなると特殊清掃も大変になるレベルで 異臭やハエの大量発生などに近隣住民が気付き始めて発見されることになります。
病院に入院していても突然死はよくありますから、一人暮らしの突然死(=孤独死)を完全に防ぐことはまず不可能でしょう。
ですが、一日も早くそれが発見されれば周囲への悪影響も少なくて済みます。
孤独死が社会問題のひとつとして数えられる時代に呼応して、様々な見守りサービスが登場していますから、そういった便利なものをどんどん活用していきたいものですね。
