孤独死対策

孤独死の遺族への請求はある?損害賠償や家族が置かれる立場とは!?

【監修者】
オレンジ@終活ガイド

生前整理という名の断捨離にいそしみつつアラカンでの熟年離婚を画策中のおひとりさま予備軍女性がこのブログの中の人です。終活に活かすため終活ガイド1級とホームヘルパー2級を取得しています。
 
ここでは人生100年時代に備えた終活と生活のヒント、さらにトラブル回避の方法を「事実は小説より奇なり」みんなの体験談を元に紹介していきます。

ちょいグロ表現が含まれます。
苦手な人はここでページを閉じてください。

孤独死の遺族への請求はある?損害賠償や家族が置かれる立場とは!?

孤独死の遺族請求

遺体が死後何日で発見されるかによってもケースバイケースですが、長期間遺体が放置されていた場合は腐敗が進んでいるので、お通夜や葬儀で遺族が遺体と対面することはほとんど無理だと思われます。

葬儀のときに周囲から批難されることも

孤独死の遺族請求

腐敗が進んだ遺体は「納体袋」と呼ばれるビニール袋に詰められて納棺されている状態での葬儀になります。

それよりもずっと腐敗が進んでしまった場合は 先に火葬してからの葬儀です。

葬儀がどんな形になるかや親族がどんな立場に置かれるかもケースバイケースとしか言いようがありませんが、ゴミ屋敷化していたりセルフネグレクトだったことが明らかになれば

なんでこんなになるまで気づかなかったの!?まさかこんなになるまで 放っておいたわけじゃないよね?

…などと遺族が詰め寄られたり、心無い言葉で批難されたりするケースも少なくありません。

近隣住民への謝罪とあいさつ回り

孤独死の遺族請求

孤独死した家族の部屋の清掃を始める前に、遺族は近隣住民に謝罪やあいさつ回りに行かなければいけません。

強烈な異臭や害虫の大量発生で多大な迷惑をこうむった近隣住民に謝罪するわけですが、一体どう謝罪したらいいのか?中にはキレて遺族を責め立てる人もいるでしょう。

誠心誠意 謝るのはもちろんですが…それこそ針のむしろだと思われます。

賃貸住宅のオーナーや大家さんから…

孤独死の遺族請求

しかし何といっても 孤独死が起こっていちばんの被害者は賃貸住宅のオーナーや大家さんです。

※この記事でいうところの孤独死は「単に一人暮らしの人が亡くなった」ではなく「一人暮らしの人が亡くなって、誰にも気づかれずに 腐敗が進むほどの長期間にわたり遺体が放置されていた」状態を指します。

すでに近隣住民からかなりのクレームの嵐だったでしょうし、さらに

特殊清掃してもきちんとにおいが取れるのか?事故物件になってしまって…(泣)  風評被害で次の入居者が決まらないのではないか?

…など 遺族に対しての同情など とてもできない状況下にいるかもしれません。

孤独死に間接的に巻き込まれてしまった人々に責められた遺族は、どうしようもない悲しみと罪悪感にさいなまれてしまうケースが多いです。

いちばん悲しんでいるのは遺族なのに それに輪をかけて。

でも遺族からしたら平謝りし続けることしかできません。

場合によっては賠償責任も発生する!?

孤独死の遺族請求

さらに場合によっては、近隣住民や大家さんへの賠償責任が発生することがあります。

賃貸住宅の契約内容や保険・保証の加入内容にもよりますが、こういった場合は敷金は返ってこない可能性が高いようです。

ほかの住人がこの件のせいで転居してしまった。どうしてくれるの?その分を賠償してほしいんだけど?

特殊清掃したって事故物件になったんじゃ、そうおいそれと人が入居してこないよ。告知義務に加えて 家賃だって下げなくちゃいけないし。次の入居者が決まるまでの家賃、お宅で補填してよ。

すぐ下の階に住んでいて 気持ちの悪い散々な目に遭ったんだよ。この精神的・肉体的苦痛をどうしてくれるんだ?

もしも下の階まで体液が滲出していたら、場合によっては下の住人に修復作業が終わるまでの間 部屋を明け渡してもらう必要も出てきます。

その間に住人にはホテル住まいをしてもらう手配をすると思われるので、遺族にはそのホテル代の補填分も請求される可能性があります。

一人暮らしでなくなった=孤独死ではない

孤独死の遺族請求

これらの損害賠償が請求されたとしても それらがどこまで認められるか、どこまでの賠償が要求されるのかはわかりません。

大家さんは殺人・事故・自殺・火災などで入居者が死亡した場合に備えて保険に入っていることが多いです。

原状回復費用や家賃保証のある保険に入っていれば、遺族や保証人にふりかかる補償は少なくて済むかもしれません。

また入居者に過失がないなら損害賠償請求ができないこともあります。

さらに事件性がない死亡(病死や老衰などの自然死)では事故物件扱いにならなかったり、過去の判例では「半年以上経過していると告知義務はない」とされたこともあります。これらの多くは「孤独死」とは呼ばれません。

【孤独死の原因】高齢者だけではない!女性は男性より突然死が多い!
孤独死とは?その原因や死因、発見日数・セルフネグレクトについて解説します。少々のグロ表記あり。

しかし遺族には前出の要求がなされることが、可能性としてはゼロではないと思っておいた方がいいです。

賃貸住宅の孤独死は「孤独」では済みません。大勢の赤の他人をまき込みますから、遺族の後始末の疲労困憊は計り知れないものになることが想像できます。

特殊清掃の費用のリアル!100万円以上かかるのはザラにある。

孤独死の遺族請求

特殊清掃はまず孤独死現場にしみついてしまったにおいを除去するところから始まり、その後に遺品整理が始まるので、普通に考えても一般的な遺品整理費用の2倍以上はかかると考えて間違いありません。

体液による家屋への浸潤の度合いにより、料金は変わります。

木造住宅1階で孤独死があった場合、基礎部分まで体液が侵食してしまい、においが染みついてどうにもならないということもあります。

その部分を大々的に破壊する大工事になった場合など、100万円単位で特殊清掃費用がかかることもあります。

孤独死の遺族請求

部屋がゴミ屋敷化して天井までゴミが積み上がっていたり、トイレが使えなくなっていて汚物や排泄物が山のように出て来たり、室内がカビとウジ虫の楽園になっていることもあります。

特殊清掃が数日間に渡る戦場のような室内にやってきた特殊清掃人に

思い出の品を見つけてほしいんですけど…

…と言いたくても言える状況ではないことも多いです。

一般的には特殊清掃に立ち会う遺族はあまりいないようですし、孤独死現場の遺品整理では「すべて捨ててください」と廃棄を依頼されることが多いようですが…。

孤独死の事故部屋の特殊清掃費用は?遺品整理は?費用は誰が払うの?
孤独死現場の特殊清掃ってどんな感じ?特殊清掃や遺品整理の費用はいくら?誰が払うの?少々グロ表現あり。

無縁死の行旅死亡人や孤独死が増加!遺体の引き取り拒否は悪なのか!?

孤独死の遺族請求

孤独死者とは似て非なる行旅死亡人。

行旅死亡人こうりょしぼうにんとは身寄りがなかったり身元不明のまま亡くなった人を指します。

行旅死亡人とは日本において、本人の氏名または本籍地・住所などが判明せず、かつ遺体の引き取り手が存在しない死者を指す言葉で、行き倒れている人の身分を表す法律上の呼称でもある。
「行旅」とあるが、その定義から必ずしも旅行中の死者であるとは限らない。
引用元:wiki

行旅死亡人の情報は 行方を捜している遺族が見つけて申し出られるように国の官報に掲載されており、インターネットで閲覧することができます。

しかし もしも数年会っていなければ風貌はかなり変わっていることもありますし、性別・その時の服装・亡くなった時の状況くらいの情報しか掲載されていない官報から、人物の特定はなかなかできるものではないようです。

行旅死亡人も孤独死も「無縁死」引き取り拒否されれば行き先も同じ

孤独死の遺族請求

遺族に見つけてもらえない行旅死亡人は「無縁死」ですが、孤独死者も「無縁死」と呼べます。孤独死者の遺体引き取り拒否が後を絶たないからです。

「無縁死」の行旅死亡人も孤独死者も、引き取り手が現れなければ自治体で火葬され、一定期間遺骨を保管したのちに 無縁墓地などで合祀されることは同じです。

ほとんど知らない人の遺体を引き取れますか?

孤独死の遺族請求

「引き取り拒否」という表現には誰もが冷酷さを感じるかもしれません。

しかしそんな遺族を「なんてひどい人たちなんだろう!」などと批難できるでしょうか。

例えば未婚のおひとりさまが高齢で亡くなった場合、遺骨の引き取り手は甥や姪に頼まなければいけないことが多いです。

血縁者なので「引き取ってください」と言われるのは仕方がありませんが・・・

「顔も見たことがない」「冠婚葬祭の席で大昔に1回会っただけの人だから覚えていない」「もう十年以上もあったことがないし」…などの理由で遺体の引き取り拒否をされるケースがかなり多いそうです。

ある日突然 警察から連絡が来て

あなたの伯父さんが亡くなられました。他に身寄りがないので、あなたに遺体を引き取ってもらいたいのですが。

…などと言われたら?

あなたは素直に「はい、わかりました」と言えますか? …私は無理です、たぶん(爆)

【送骨】遺骨を郵送しその後の供養までサポートする新しい葬送のすすめ

孤独死の遺族請求

昨今は忘れ物を装って電車の網棚やお店のトイレ、神社やお寺の境内に骨壺を置いていく遺骨の置き去りが多く、年々増加傾向だそうです。

遺骨をしかるべき保管場所以外に放置すると刑法190条の「死体遺棄」にあたり、3年以下の懲役に処される。罪に問われたくないという思いや、「捨てるのは忍びない」という意識が手伝い「忘れ物」という形で放置される例が増加している。

2010年11月、ある男性が2008年に両親の遺骨を遺棄したとして逮捕された。逮捕まで2年もかかったのは、男性が貧困の末に住む家すら失っていたからだった。

男性の両親は東京都内に住んでいた。母親が死亡すると、その遺骨は父親が管理した。ところが父親も数年後に死亡、最終的に両親の遺骨を引き取ったのが逮捕された一人息子だった。

男性は仕事の都合でかつて住んでいた宮城県仙台市まで車を飛ばし、市内の駐車場に車ごと遺骨を放置。その後職を失い、親類を頼ることもできず、家を売り払い、ホームレスとして路上生活を送っていた矢先に逮捕された。男性は、「金がなく、どうしようもなくて捨てた」と供述したという。

2007年には神奈川県藤沢市で、寺の境内に夫の遺骨を遺棄した疑いで73歳の女性が逮捕されている。この女性は、「これ以上は保管が困難」という理由とともに「子供に迷惑をかけたくなかった」と漏らした。

遺骨は白い布にくるまれ、ポリ袋に入れられた状態で境内に置かれていた。遺骨の中には火葬許可証の切れ端があり、記載された受理番号から女性だと特定された。

「墓を見つけて納骨する金銭的余裕がなかった。自分の先行きも長くないと思った」逮捕後、女性はこう供述している。

夫は2004年に病死しており、しばらくは遺骨を自宅で保管していたが結果として寺に放置した。遺骨が置かれた直後、せめてもの誠意なのか、それとも遺骨を弔えなかった罪悪感からか、寺に「供養してください」という手紙とともに現金2000円を送ったという。

引用元:週刊ポスト2015年9月18日号

一方で、顔を見たこともない親族が孤独死し、

親戚から遺骨をなかば押し付けられるような形で自宅に保管せざるを得なくなって…正直困惑しています。

…というケースも最近多発しています。

最近は遺族が直接遺骨を受け取らずに 行政から直接永代供養先までゆうパックなどで贈る送骨サービスが多く利用されています。

困っている方は一度検討してみることをおすすめします。

 

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