適応障害とは?
適応障害とは、職場や学校・家庭など、特定の環境において、特に新しい環境下での強いストレスが原因で様々な心身の症状があらわれ、日常生活に支障をきたしてしまう心の病気(精神疾患)です。
転職や就職、異動、転勤、ハラスメント、入学、転校、いじめ、結婚、離婚、出産、失恋などがきっかけになることが多いです。
心理的な症状:気分の落ち込み(抑うつ)、不安、イライラ、怒り、焦り、無気力など
身体的な症状:腹痛、頭痛、動悸、めまい、不眠、食欲不振、倦怠感など
行動上の問題:遅刻、無断欠勤、早退、暴飲暴食、無謀な運転、他人への攻撃など
適応障害の症状は、ストレスの原因から離れれば改善します。
会社や学校にストレスの原因がある人は、うつ病と違って休みの日には症状が見られないため「甘えではないか?」といった勘違いをされることがあります。
過剰適応とは?
過剰適応とは、職場や学校、友人関係、家庭といった環境の要求や期待に対して、自分の気持ちを無理に抑えてでも完全に応えようとすることで、気づかないうちに心身への負担がかかることをいいます。
過剰適応は、心身症(おもにストレスが原因で身体に不調が現れる疾患)を抱える人に見られる特徴として使われてきた概念です。
過剰適応しやすい人は、周囲から真面目・いい子・頑張り屋などと言われることが多くなります。
生まれつきの脳機能の違いによる発達障害を抱える人は、次のような特徴が原因の一つで過剰適応しやすいといわれています。
ASD(自閉スペクトラム症) 建前と本音の使い分けの困難さ。ルールへのこだわり。空気を読むのにエネルギーを使いすぎるなど
ADHD(注意欠陥・多動症) 興味のあるものに集中しすぎる。周りが気になりすぎる。計画がうまく立てられずタスクを抱えすぎるなど
そのほかに、他人から嫌われるのではないかという見捨てられ不安が大きい人も、過剰適応しやすいといいます。
抑うつと適応障害
抑うつとは、今まで当たり前のようにできていたことへの興味や意欲がほとんどなくなってしまうほどの絶望感や悲しみに持続的に陥っている状態を指します。
誰しもつらい出来事によって気分が落ち込むことはありますが、数週間も数カ月もやる気が起こらない、少しの希望も感じられないという場合には、抑うつ状態に陥っている可能性があります。
抑うつ状態はうつ病などの気分障害の主な症状ですが、適応障害やパーソナリティ障害でもよく見られ、しばしば身体的な不調も伴い、不眠や倦怠感、疲労感などの症状が見られます。
抑うつ状態かもしれないと思ったら、まずは医療機関で診てもらうことが最重要です。
抑うつ状態を伴う精神障害の治療には、適切な休養、主に抗うつ薬による薬物療法、そして根本的な原因の解決や予防・ストレスケアなどの効果が期待されるカウンセリング(認知行動療法などの精神療法を含む)の3つを軸に進められていくのが基本です。
また、ショックな出来事があったときや大きなストレスを感じたとき、精神的な違和感を感じたらカウンセリングを受けることによって抑うつ状態を伴うこころの病を予防する効果も期待できます。
気分の落ち込みや意欲の減退などに気づいたら、一人で判断するのではなく、専門家へ相談することが大切です。
適応障害カウンセリングのおすすめサービス
適応障害はストレスの原因を取り除くことで改善しますが、職場や学校、家庭に原因があり、簡単には取り除けないことも少なくありません。
根本的な克服や再発予防のためには、自分のストレス耐性を高めることも大切です。
ストレス耐性は人によって異なり、ものごとの捉え方(認知)や過去の経験など、様々な影響を受けています。
カウンセリングでは、カウンセラーと一緒に環境調整の方法を考えるだけでなく、カウンセラーとの対話により、自分の考え方のクセ(認知)や行動・対人関係のパターン、抑え込んでいた感情などに気づくことで、ストレスとうまく付き合えるようになったり、ストレスを抱えにくい自分を目指したりすることができます。