毒親とは?
毒親とは、子供のことを支配しようとしたり、精神的や肉体的に傷付けるなどして、子供の現在と未来に悪影響を及ぼす親のことを指します。
肉体的に傷付けたり、まともに養育をしなかったり、無視をする、罵倒したり人格を否定するようなことを言い続ける、といったひどい虐待レベルから、子供の個性を認めない、子供の考えや意見をいつも無視する、といった、パッと見は虐待とは分からないけど、子供にとってはとても悪影響を及ぼすレベルのものもあります。
毒親に育てられた子供には、感情が出せない、自分の考えが分からない、他人の目が気になる、といった弊害が起きやすくなります。
感情を出すと親に否定されたり嫌な思いをすることになるので、次第に感情を出さなくなったり、愛想笑いをするクセが染み付いてしまいます。
価値観や考え方を押し付けられることで、自分の考えが分からなくなるということも起きます。
感情が出せないことも相まって、自分が今楽しんでいるのか、辛いのか、そういったことも分からなくなるので、自分で考えて行動することが苦手になりやすいです。
また、親に認めてもらわなければならない、評価されるべきポイントがないといけない…と思うことで他人の評価をすごく気にしたり、他人の目を気にしてしまうことにもなりやすいです。
母親が嫌いな理由
血が繋がっている家族でも性格が合わなかったり、イライラすることはあります。
特に思春期になると、母親のことを煩わしく思うことが増えます。
子供を思う親心だと分かっていたとしても、干渉されたり過保護にされるとうるさいと感じてしまいます。
また、中には母親自身にあからさまな問題があり、ヒステリックでよく感情的になる、暴言を吐いたり人格を否定するようなことを言ってくる、暴力を振るってくる…といった場合もあります。
そこまでではなくても、話を聞いてくれない、意見を言っても取り合ってくれない、全部親の言うことを聞かなければならない…などといったケースもあります。
子供自身が既に一人暮らしをできる年齢であれば、物理的に距離をとることもできますが、まだ中学生、高校生で経済的に頼らざるを得ない場合、親と一緒に暮らす以外選択肢がありません。
学業や部活など頑張りたいことがあっても、家でのストレスが大きいとパフォーマンスも下がってしまいます。
父親が嫌いな理由
母親に対する感情は発達心理の観点からも重要視されてきましたが、父親に対する感情についての研究は実は近年になって進んできています。
父親が嫌いという家庭に多く見られるのが母親が父親のことを嫌っていたり、夫婦喧嘩ばかりしていたりという夫婦仲の悪さです。
特に女性は母親から父親への愚痴を聞かされやすく、父親のことを嫌いになりやすいようです。
中には、過干渉・過保護、暴力・暴言、モラハラなどあからさまな理由がある場合も考えられます。
それでも「父親が嫌い」ということに対して罪悪感を抱いてしまって、自分自身を責めてしまうというケースも見受けられます。
父親とはいえ、他人である以上すべてを分かり合うことは難しく、嫌いという感情は不自然なことではありません。
できれば父親のことを嫌いと思いたくない、これといった理由がなく父親が嫌いという場合には、父親との関わり方や情報を整理して、客観的な視点と照らし合わせてみましょう。
また、小さい頃から父親に対しての強い嫌悪感を持っている場合、自身の対人関係に対する考え方や姿勢にも、少なからず影響を与えている可能性があります。
子どもを支配する親に育てられるとどうなるか?
親であれば子どもの意見を尊重し、成長を見守るというのが理想ですが、中には子どもを支配しようとする親もいます。
子どもを支配する親は、まず子どもを一人の人間として見ていない、という特徴があります。
自分の所有物かのように扱い、子どもの人権は無視、全て自分が選んだとおりにさせたい…という場合が多いです。
習い事や将来の進路、毎日の服装や恋人など、全て親の思う通りにさせようとします。
また、もし言うことを聞かなかった場合、暴力や言葉で責めたりして、恐怖心を煽ってコントロールしようとします。
金銭を与えてコントロールしようとするケースもあり、金銭を与えることで優位な立場に立ち、子どもに言うことを聞かせるような親もいます。
こういった親に育てられた子どもは、常に親が幸せであることをベースに親に全てを決められているので、自分で物事を決めて、自分で幸せを掴んでいくということができにくくなってしまいます。
また、自分で何かを決められないということは、その分成功体験が少なくなり、自己肯定感が低くなってしまいます。
また親によっては、「お前は自分じゃ何もできない」というように否定を続けるケースもあるので、そういった親の場合、自分に自信が持てずに悩む人も多いです。
子どもを支配しようとする親に育てられると、子どもは自分に自信が持てなかったり、自己肯定感が低いままになってしまいます。
また、自分で何かを決めることも苦手で、自分で決めて、それが成功し、自信につながる、というプロセスをなかなか踏めずに辛い思いをする人も多いです。
社会人になって恋愛もするようになると、その辛さはより顕著になるでしょう。
しかし親のことをなかなか周りに相談できない、という人も多いです。
過干渉な親による弊害
誰しも、自分の子供はかわいいものですし、できればつらい思いをしてほしくない、幸せになってほしいです。
特に子供が小さいうちは、怪我をしないように、怖い思いをしないように…と手を差し伸べたくなりますが、子供が大きくなっても なんでも先回りしてアドバイスする、子供の行動を逐一把握したい、将来のことも全部指示してしまう…そのような状態であるならば、それは「過干渉」な状態でしょう。
過干渉な親の特徴として、子供が自分で考えて選択することを不満に思う、自分が叶えられなかった夢を押し付ける、子供の友達や恋人、夢も全部親が決めようとする、子供の意見を聞かない、といった特徴が挙げられます。
過干渉な親に育てられた子供は、まず主体性がなくなります。
自分の意見があっても全て親の意見にねじ伏せられてきたので、次第に意見を言わなくなり、意見自体を持たなくなってしまいます。
感情をうまく出せなかったり、自分で意思決定できない、指示をされるまで動けない…といった弊害が出てきます。
また、他人の顔色をすごく伺うようになるため、コミュニケーションがうまく取れないといったことも出てきます。
他人の顔色や評価を気にしすぎてしまったり、心を開けなかったり、集団の中でうまく適応できなかったりします。
親が過干渉だと、子供は自分で意思決定できなかったり、周りの人の顔色が気になってコミュニケーションがうまくとれないという弊害が出てきます。
周りに人とコミュニケーションがうまくとれないということは、過干渉な親がいることも周りに相談できない人が多いです。
子供を虐待する親
かわいい我が子のはずなのに、ついカッとなって手が出てしまった。怒鳴りつけてしまった。
そんな経験がある人は少なくないのではないでしょうか。
しかしそれがエスカレートすると、虐待になってしまいます。
虐待をする親は自身も虐待をされて育っていることが多く 子供を虐待死させてしまう親は100%虐待されて育っているという事実もあります。
自身が虐待されて育つと暴力が愛情だと思っていたり、感情のコントロールが苦手になるので、自分の子供にも暴力をふるってしまう可能性が高くなります。
虐待をしてしまう要因はそれだけでは決まりませんが、虐待をする大半の親は親自身も悩み、一人で苦しんでいることが多いです。
誰にも相談できず、一人で悩み続けた結果、無抵抗な子供へと矛先が向かってしまうのです。
虐待をしてしまう親は周りから見れば親が100%悪い!なんてひどいことをするんだ!と見えますが、実際は親自身も傷付いていたり、誰にも言えない悩みを抱えて辛い思いをしていることがほとんどです。
しかし、その悩みを誰にも言えないがゆえに、はけ口が虐待という形になってしまいます。
【共依存】依存症者が近くにいると共依存になりやすい
共依存とは、もともとアルコール依存症の旦那さんがいる奥さんが、夫の飲酒問題をなんとか救おうとして苦しんでいる状態からつけられた言葉で、お互い疲れ切っているのに依存しあって離れられないような関係を指します。
アルコール依存症者がいる夫婦だけでなく、相手への依存が強いカップル、子離れできない親子(特に母娘関係)、部下を支配下に置きたいと思っている上司部下など、様々な関係において共依存は起きる可能性があります。
そのほか、ギャンブル依存症、薬物依存症などの依存症者が近くにいる場合は、その人と共依存状態になることがあります。
共依存のこわいところは、一方が「あなたのため」という言葉を使って相手を思いやっているように見えますが、実は支配しようとしていることに無自覚であるという点です。
もう一方も「自分のためにしてくれている」と甘えてしまい、自分自身の考えや意思よりも、相手の機嫌に気を取られてしまいますが、それにも無自覚であることが多いため、お互いが共依存であることをなかなか気がつけません。
共依存はお互いに無自覚であることが多いですが、支配される側は相手の機嫌に気を取られて疲れやすくなるだけでなく、依存をやめにくくなります。支配する側も「相手のために」と心身をすり減らして、疲れやすくなります。
自分の気持ちや考えよりも相手のことに気を取られて疲れている方は 共依存関係にあるかもしれません。
親を許せない心理もまた苦しいもの…
親への憎しみや怒り、許せないという気持ちを抱えながら生きている人は少なくありません。
幼少期に親からされてきたことの異常さや理不尽さに、年齢を重ねてから気付くことがあります。
親の虐待やネグレクト、暴力暴言、過干渉、過保護などは、子どもが大人になってからも心や対人関係に影響を及ぼしやすくなります。
このように子どもの心に悪影響を及ぼす親のことは一般的に毒親と呼ばれています。
こうした毒親に「人生を狂わされた」と、親を許せない気持ちを抱えることがあります。
また、世間的には親子愛や親孝行などが良いものとして扱われることが多いため、自分が親を許せないことに対して自己嫌悪や罪悪感を抱えやすくなります。
親を許せないのは悪いことではなく、親を許さないといけないということはありません。
しかし、親を許せないことを周りの人に話しづらく、一人でつらい気持ちを抱えこみすぎてしまっている人は少なくありません。
カウンセリングでは、カウンセラーと対話することで、幼少期から抑え込んできた自分の気持ちに気付いたり、考え方や行動に変化が現れたりすることがあります。
親を許せないことでお悩みの方はカウンセラーや鑑定師に相談してみてください。きっとあなたらしく生きるためのサポートをしてくれます。
毒親カウンセリングのおすすめサービス
毒親に育てられた子供は感情がうまく出せなかったり、他人との付き合い方が分からず、悩みを抱え込んでしまう方も多いです。
常に母親や父親の顔色を伺ってしまい、いつまでたってもイライラや不安感が消えない、そんな風に感じている人もいるでしょう。
もし周りに相談しづらく、1人で悩んでいるようでしたら、カウンセラーや鑑定師に相談してみましょう。