自己愛性パーソナリティ障害と発達障害の併発を療育で克服する体験談
20代男性 これは私(当時18歳:大学生)が自己愛性パーソナリティ障害と診断されたときの話です。
なぜか「自分はすごいんだ!」と思い込んでいた私は18歳で起業し

必ずうまくいく!自分には才能があるんだから。
…と信じて疑いませんでした。
常に人を見下していたことからモラハラを指摘され、周りの人たちが自分から離れていく時でさえ、私が考えていたのは

みんな人を見る目がないんだ。それで私の才能のすごさに嫉妬しているだけの話だ。
その様子を見ていた家族が私の「異常さ」を指摘するようになって
…と初めて考えるようになりました。
しかしメンタルクリニックは自分にとって少しハードルが高いと感じたために医療機関は受診しませんでした。
それでまずは通っていた大学のスクールカウンセラーによる心理カウンセリングを受けて 自分の傾向を教えてもらうことにしました。
その心理カウンセリングの流れから医療機関の受診をすすめられたため、私は思い切ってカウンセラーから紹介された精神科を受診し、「自己愛性パーソナリティ障害」であると診断されました。
この診断を受けてから自分なりにいろいろと調べていきました。
そして周りに自分の性格をたずねては その特徴に当てはまっていることに納得がいった私は、ようやくその事実を受け入れるようになりました。
自己愛性パーソナリティ障害は、過剰な自信や誇大な願望、他人に対する尊大な態度や非共感性を特徴とするタイプです。自分のことを特別だと考えていて、自分の利益のためなら他人を利用し犠牲にすることにも、まったく心痛みません。このタイプの人にとって「世界は自分のために存在している」からです。賞賛されることは大好きですが、少しでも批判されると激しい怒りを覚えます。このタイプも遺伝的要因が半分くらい関わっています。バランスの悪い養育環境も多く見られます。このタイプの人は幼い頃に溺愛され、甘やかされた人に多いと言えます。ただ同時に卑屈な思いや劣等感を味わう状況が併存しています。
自己愛性パーソナリティ障害の人は、他人を利用することを当たり前だと思っています。献身的に尽くしても、あまり感謝を覚えることもなく、逆に、些細なミスやうまくいかないことがあると、自分に原因があっても、周囲に責任転嫁して、攻撃してきます。よかれと思って欠点を指摘したりすれば、激しい怒りを買い、集中攻撃を食らうことになります。 引用元:ササッとわかる「パーソナリティ障害」
自己愛性パーソナリティ障害は発達障害の二次障害だった!
精神科の心理カウンセリングでは 自分の人生の振り返り、幼少期から現在に至るまでの出来事などについて聞かれました。
他には知能検査やさまざまなテストがあり、私は発達障害(ADHD)を併発していることもわかりました。
…と医師とカウンセラーから言われました。
この指摘を受けて、私は環境を変えるために大学で支援を受けることに決めて、スクールカウンセラーや学生支援センター、ゼミの教授などに いろいろな配慮をしてもらうようになりました。
具体的には授業後に個別に質問する時間を設けてもらう。自分の書いたノートを見てもらう。論文を書く時には、スケジュール管理を学生支援センターにお願いして進捗管理をしてもらう。
スクールカウンセラーには週に一度カウンセリングをお願いして 学校の困りごとがないかを聞いてもらう…などのたくさんの支援をいただきました。
その他には障害者の団体に入って孤立しないようにしたり、家族と自分の間でしっかりとルールを決めた生活をして揉め事を減らす努力をする等、学校外での支援も多くしてもらいました。
自己愛性パーソナリティ障害の克服に必要な4つのこと
大学に通っている間には各方面からさまざまな支援や配慮をいただきましたが、こころの病を寛解に向かわせる上でもっとも大切だと感じたのは 悩みを1人で抱え込まないことです。
そして自己愛性パーソナリティ障害の場合は 特有の「人を見下す癖」を減らしていくことを 常に意識しながら行動することです。
精神科への通院は今でも月に一度続けていて、精神安定剤を処方してもらっていますが、その薬の副作用で太ってしまいました。
そのため最近はダイエットのために運動もしているところですが、運動もメンタルヘルスにはとても効果があるとされています。
そのほかには患者会にも薬の副作用の悩みを持つ人が多くいるので、その人たちはどう対処しているのかを質問したり、そのアドバイスを取り入れて対応しています。
それから心がけていることは、孤立しないようにすることです。
自己愛性パーソナリティ障害は、その性質上 人が離れていきやすいので、人とのコミュニケーションの取り方について療育を受ける様にしています。
療育でカバーし切れるほど人間関係は単純なものではないのですが、何もやらないよりはやった方が改善は早いでしょう。
私は療育を始めてからの方が格段に人間関係は良くなっていると思います。
もし何らかの揉め事が起きたら すべてを自分の力で解決しようとせず周りに助けを求めることも大切です。
正直に話して相手に謝るようにもしていますが、謝ってなんとかならないことも多いので、その時はまた対策を考えないといけないな…と感じることもあります。
自己愛性パーソナリティ障害と発達障害を抱えて生きていくには支援先を増やすことが重要!
今は支援先を増やすことを重要だと考えており、いろんな人の意見を聞いて取り組んでみて 自分にはどれがうまくいくのかを試行錯誤している段階です。
支援先を増やすメリットはいろいろありますが、特筆すべきは自分だけでなく家族の支援をしてくれる団体もあることです。
私は家族の支援をもっと早く知りたかったし、受けていれば良かったと感じています。
家族に負担をかけないようにすることは 家族との関係を悪化させない秘訣です。
現在でも模索中なところは多いですが、今はすでに大学を卒業して就労しているので、障害者職業センターやジョブコーチに相談をして悩みを聞いてもらったり、苦手な業務を減らしてもらうようにお願いしています。

