実家が空き家をどうする?売却か管理かで裁判になった体験談
30代女性 これは2020年8月〜2021年2月に祖父母の家とその土地で親族がもめて裁判までもつれ込んだときの話です。
5年程前に76歳で亡くなった祖父の家がしばらく放置され、空き家となっていました。
この家と土地を相続したのは、私の母(50代)と叔母(40代)の2人で、共有名義にしていました。
空き家の換気や適度な掃除、庭の草刈りなどは周囲の家の迷惑とならないように定期的に行っていたのですが、この家は法事や仏壇への挨拶以外ではほとんど使われていない状態でした。
遺産相続についての祖父からの遺言などはなく

思い出の多く残る実家を残したい。
と希望する私の母と

金銭面や労力の面で維持管理が面倒だから、取り壊して売却したい。
…と考える伯母の間で 空き家と土地の今後について 真っ向から意見が対立していました。
空き家と土地の今後を巡って共有名義の姉妹が裁判で決着をつけることに
相続人の2人の間では 事あるごとに祖父母の家と土地の維持管理について話題には上がっていたようでしたが、当事者同士の一般的な話し合いでは決着がつく気配はありませんでした。
元より年齢が10歳離れていて折り合いの悪かった姉妹です。
毎度喧嘩のように議論がこじれてしまうということもあり、お互いにそれぞれの弁護士を通して話を進めることになりました。
両者の亀裂が決定的なものとなった2020年8月から弁護士を探す作業が始まりました。
母はそれほど時間をかけずに知人の紹介で神奈川県の弁護士会に所属する弁護士に相談する運びとなり、その弁護士の提案もあって裁判を行うことが決まりました。
2020年秋にはその弁護士の指示のもとにさまざまな資料の作成に取り組んでいたことを、傍観していた私も記憶しています。
そこから何度か裁判所に足を運ぶこととなりました。
当事者ではない私はその辺りの事情を正確には把握していないのですが、共働きの両親は休みの週末には毎週のように裁判の準備をし、裁判所にも月に一度程度行っていたようでした。
裁判で母の希望が通ったが数百万円のお金が消えた…
そして2021年2月に最後の裁判が終わり、問題は一旦解決となりました。
結局、裁判によって出た結論は「祖父母の家と土地はそのままのかたちで残す」
母が勝訴(または和解)したことで 今後の維持費は全面的に母が負担し、管理の責任を負うことも決定しました。

実家を買い上げた。
…と母が言っていたので、共有相続していた祖父母の家やその土地に関して、母から叔母へ金銭の受け渡しがあったものだと推察されます。
共有名義を個人名義にしたのでしょう。
弁護士費用については「そこそこの金額がかかった」と母から聞いています。
詳しい金額は教えてもらえなかったのですが、娘である私の将来のためにとこつこつと貯めていた300万円の貯金と、同様に貯めていた私の弟の貯金(こちらも300万円)の一部を「一時的に使ってしまった」と申し訳なさそうに言われました。
母亡き後の空き家の相続問題はどうなる!?
あれからもう一年経ちましたが、裁判での完全決着となったため 問題がふたたび起きている様子はないようです。
家の維持や管理については 母を中心に私の家族全体で行っている状態であり、裁判にかかった金額と比べると維持費用はさほどがかかっていません。
しかし築年数が浅い住宅ではないため、今後なにかしらの改修工事を行うことになるのは明白です。
また現在は私の母の名義となっている祖父母の家と土地について、その次の相続についてはなにも決まっていません。
私と弟のどちらが相続するのか、父がどの程度関与するのかなどは不透明です。
母の希望だったとはいえ、今後の相続問題を考えると頭が痛い問題がひとつ増えてしまった感が否めません。