自閉症スペクトラムと診断され入院と認知行動療法をおこなった話
これは2018年10月から私(当時51歳女性)が精神科入院をし治療を受けた話です。
幼少期からずっと春など季節の節目には体調を崩すことが多かったのですが、住んでいたのが田舎でもあり 情報や相談機関が全くなく そんな状況に苦しむばかりでした。
思春期のころになると言葉が出なくなり不眠も伴うようになったため、大学病院の思春期外来に通院したことを手始めに、その後、内科から精神科まであちこちの病院を転々としたのですが、結局どこに行っても診断に至りませんでした。
会社員時代にパニック状態になったことをきっかけに、ある臨床心理士の元で認知行動療法・精神分析を受けて次第に改善していくも、出産後にまた体調を崩し、ついに精神科入院になってしまいました。
精神科系薬物の過剰投与や自殺企図を経て、やっと二回目の精神科入院で心理検査などを受けて「自閉症スペクトラム」の診断にたどり着きました。
思春期のメンタル症状悪化原因のひとつは機能不全家族にあった
自閉症スペクトラムの症状は個人差が大きく 知能指数にもばらつきがありますが、私の場合はWAIS-II(知能検査)の結果によると119と平均以上の知能に分類されます。
就学期は勉強の面は問題なかったので抱えている苦しさが表面化しづらかったのですが、社会性を求められる場面が多くなる思春期以降に 徐々に抱えている問題や生きづらさが表面化してきました。
私の場合は問題を難しくさせた要因の一つとして、父親がアルコール依存症の一歩手前で母親とは共依存の関係にあったことが挙げられます。つまり機能不全家族そのものでした。
その母親が私の教育に手こずったようで、母親は父親から受けるストレスを2歳下の妹に当たることで発散しながらも 過干渉であり続けました。
核家族で逃げ場のない対人関係の下で 私は自分の心身を守る術を持たず、中学生の時に自宅上空を飛行する旅客機の音に「墜落するかも!?」という恐怖を覚えるようになり、不眠になりました。
大切な睡眠を失ったことで登校が難しくなり、パニック、うつを繰り返す思春期でした。
もしも当時に今のような整った相談機関・医療機関につながっていたなら、大人になってからの離婚や燃え尽き症候群や精神科入院は避けられたのかという思いが強いです。
自閉症スペクトラムにアルコール・カフェイン・買い物依存症併発で認知行動療法へ
私が最終的に自閉症スペクトラムという診断にたどり着いた最後の入院治療(3か月)についてお話しします。
その病院ではきちんとしたチーム医療が行われており、まずきちんとした診断を行うための前段階として体調を整えるための適切な服薬管理が行われました。作業療法も並行して行われたので 長時間のWAIS-IIやロールシャッハ検査に耐えうるだけの集中力や忍耐力を 2週間程度で取り戻すことが出来ました。
処方薬を減薬しながら作業療法士さんとの散歩も行われ、気分転換もできたところで気持ちよく検査を受けることが出来ました。その結果に基づき、自分に足りない能力がはっきりし、それを強化するためのプログラムが組まれました。
まずは、社会性を高めるためのロールプレイを含む認知行動療法です。それと並行して過去の様々なトラウマに対するケアが臨床心理士によって行われました。
私の場合、アルコール依存症、カフェイン依存症、買い物依存症を併発しており、それに対する認知行動療法も行われました。
治療は必ずしも楽しいことばかりではなく、プライドからはねつけたくなったり落ち込んだりもしましたが、適切にフォローされました。一番苦しかったのは、対人能力の中でも対異性の認知行動療法です。
体調の悪い時は気分が安定せず、うつの後には揺り戻しの躁が訪れますが、その際は必ず異性への関心が高まってしまいます。
それは自分の本来の人格とは別の所にあるのですが、生身の身体なので冷静さを取り戻した時に情けなさを伴います。
定期的な診察時にドクターが

あなたが悪いのではありません。病的な状態なので、服薬管理をすれば治るのですから。
…と励まし続けて下さったことが本当に励みになりました。
自閉症スペクトラムは自己肯定感が低くなりがちで、私の場合は服薬によっては消えないきついフラッシュバックや聴覚過敏も伴い、日常生活・社会生活を困難にしています。
服薬しても副作用が出やすくて調整は苦労の連続ですが、

突然死のリスクが上昇する精神科系薬物を自分の身体に合わせて上手に使いこなすこと。そして信頼できるドクターや相談機関を味方につけることで、よりよい人生を送ることができるから!
…と自分を励ます日々です。

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