エンディングノートの重要性を再確認した生前整理体験談
30代女性 なんとなくイメージ的に「生前整理なんてまだ早い」と思っていたけれど、友人を早くに亡くしたことで、生きているうちに持ち物を整理しておくべきだと思えてきました。
不要なものだけでなく自分が死んでから家族が処分に困るものもあるので、それらをあらかじめ処分したり、リスト化しておきました。
モノを捨てる、譲れるものは譲る、これでだいぶ物を減らすことができました。
また、パソコンやカメラなどのデジタル機器など、すぐに処分できないものを今後どう処分するべきかは、リスト化しておきました。
もうすぐ40代に突入し人生後半期に差し掛かってくる。そう考えると、30代でやる生前整理は決して早くはない終活だと思っています。
実際に生前整理を行ってみて感じたのは、手順がポイントだなということ。
まずは片付けがしやすい「物」から整理するのがいいと思います。
さらに自分の死後のことを考えて 自分の想いがこもっている物を先に整理しました。
これはやはり業者には任せることができない整理の順番です。
私の場合、想いがこもっているものは、写真、日記、手帳、衣類などです。
愛着のある物に関しては 形見分けや人に譲ることを前提にして生前整理しました。
物を減らすという目的もあって生前整理を始めたのですが、一度ですべて処分はできず。
随時見直して処分することに決めて、時折、見返しながら処分して ものを減らしていってます。
生前整理のやり方は、インターネットや書籍から情報が集められますが、私にとっていちばん役立ったのは、想いや伝えたいことを書いて残せるエンディングノートでした。
これはおすすめのツールです。
死後は、自分の考えていることなど、家族や友人は分からないでしょうから、伝えるメッセージを書いておけば、相続する家族の負担も減ります。
また、パソコンやスマホや一眼レフカメラなどのデジタル機器や、保存しているデータも処分には注意が必要です。
データ消去しても、itに詳しい人なら簡単に復元できることもあります。IDやパスワードが必要なこともあります。
なので、私は所有しているデジタル機器や契約内容を一覧表にしてまとめておきました。
解約できるものは解約、重要な情報やデータも確実に処分されるよう、専門業者の情報を書き記しておきました。
手書きでは判別できなかったりすることもあるので、念のため 手書きとパソコン入力したもの両方を残しておきました。


残された家族の気持ちを確認しながらゆっくり遺品整理した体験談
40代女性 父の遺品整理をしました。
半年前に病気がわかったのですが、父は遺品に全く手付かずのまま逝ってしまいました。
遺品整理で最初に行ったのは、在宅介護で使用した介護ベッドの返却でした。
その後、布団やポータブルトイレなど大きなものはすぐに焼却場へ持ち込み。
49日の法要が終わってから、洋服の整理を始めました。
まだまだ使えるきれいなものは私がもらい、下着類や使用感のあるものはすべて処分しました。
父の遺品で処分に困ったものは、趣味で行っていた謡本や袴です。
謡の本はほとんどが親戚から譲り受けたもので本棚一つ分あります。
どうしようかと迷ったのですが、仏壇のある部屋にインテリアとしておくことにしました。
部屋の数が多く、物理的なスペースがあったため、置いておいても困らなかったからです。
袴は、欲しいという方が見つかったので、その方に差し上げました。
次に困ったものは、父が仕事で使っていたカバンやノート類、ファイルでした。病気がわかる前まで使用していたものです。
父がメモとして残していたものは処分しても職場には迷惑は掛かりませんが、これらはとりあえず2年間保管したのち、処分しました。
電化製品や家具類は、まだ母が暮らしているので ほとんどがそのまま使用していますが、父が気に入っていたソファは処分しました。
いつもそこに父が座っていたので思い出はたくさんありますが、処分した理由は古くなってきて「座りにくいから処分する」と母が言ったからです。
ソファがなくなったらリビングが広く使えることも都合がよかったので、兄に手伝ってもらい、粗大ごみの日に処分しました。
父が乗っていた車は、8ヶ月後に売却しました。ディーラーから、定期点検の案内が届いたからです。
税金や保険料の支払いを考えて、またちょうど気持ちの整理ができた頃だったので、ディーラーを通して売却しました。
名義変更関係は母がメインで 私がサポート役として行いました。
私は実家から離れた場所に住んでいますので、気軽に帰ることはできませんでしたが、帰省した時にコツコツと遺品整理を行ってきました。
家は処分する予定がなかったので、遺品整理にじっくりと時間をかけることができました。
私としては、できれば遺品整理はしないでそのまま父の思い出は残しておきたい気持ちもあったのですが、遺品整理は一番身近にいた母の気持ちがいちばん大切だと考え、母の意見を確かめながら行いました。
姑の急逝で終活の重要性を痛感した遺品整理体験談
40代女性 昨年姑が亡くなったのですが、しばらくの間 夫の実家の遺品などにはあまり手をつけていない状況でした。
姑は手芸や料理、園芸を趣味としていたので 以前からとても荷物が多かったことは知っていましたが、布や各種材料などの遺品整理が大変な状況になっていることに 亡くなってから気が付きました。
そこで小姑と夫と私、娘2人の5人が総出で遺品整理を行いました。
姑が作った作品はとても綺麗に作られて完成度が高いものも多かったのです。
そのせいで捨てるには忍びない・もったいないと思って、ついつい取っておこうとしたりしがちになり…なかなか整理も進まなかったです。
ちょうどその時期は年末だったので お店や各機関も閉まっているところが多く、残された趣味のものは本人や知識がある人にしか価値や保存方法、処分の仕方も分かりませんでした。
そういう事情もあって、本当にそれらをどう整理していいのかわからず、大変でした。
遺品整理をやってみて しみじみ後悔したことがあります。
それは本人の希望をたずねておかなかったこと。
姑は急に亡くなったのですが、それまではとても元気だったので 遺品整理のことや死後の希望などについてどうしても聞きづらく・・・そのせいで遺品整理をするにも不明点が多かったのです。
本人が生前に大切にしていたものや想い入れがあるものは やはり本人の希望通りにしてあげたいと考えていました。
これほど後々に困る結果になるのであれば きちんと話を聞いておけばよかった。
元気だからといって何も話をしてこなかったことは非常に後悔しています。
やはり生前の話し合いは大事です。つまり終活です。
現在元気であっても ある程度の歳を取ると いやな話ですが…いつ亡くなってしまうかは分かりません。
重い病気を患って意思疎通が出来なくなることもあります。
先立たれてしまった後では遅いので、しっかりと話し合いができるうちに 本人の意志を聞いておくべきだと痛感しています。
とはいっても、こういうのはやはりデリケートなお話。聞きにくいとは思います。
日頃からの日常会話、思い出話などを通じてヒントになることを得る、という意味でも コミュニケーションをしっかり行うことが大事だなと思いました。
その時の体調や状態を把握することにも繋がりますしね。
思い出の品を見て気持ちが吹っ切れた遺品整理体験談
40代女性 父とは随分長く離れて暮らしていたのですが、父が私に1年に2回程は会いに来てくれていたので、父との思い出はたくさんあります。
そんな父が5年前に病気で亡くなりました。
父は長いこと1人暮らしをしていて、近くには身寄りがいませんでした。
兄妹はいたのですがどちらも離れて暮らしていたので、私と主人でお葬式を済ませた後、父の借りていたアパートへ行き 遺品整理をしました。
私が父と最後に会ってから2ヶ月後に亡くなったので、すぐには父が亡くなった事を受け入れられないままに、遺品整理をすることになりました。
遺品整理をする前は「知らない父の一面を見ることになってしまったらどうしよう」と少し心配に思っていました。
しかし実際に荷物を片付けていくと、遺品のほとんどが日用品で、几帳面な父の性格らしく部屋の荷物は最小限で、きちんと整理整頓されていました。
はじめは父がお気に入りで着ていたスーツの上下や洋服などの遺品をどうしても捨てられずに 自宅に持ち帰ろうと思っていました。
遺品整理が半分くらい片付いた時、父の使っていた机の引き出しを開けると、私からの手紙や幼少の頃の写真が丁寧に束ねてしまってあることに気づきました。
私はそれを見た時に、初めて父が亡くなった事を実感して、大声で泣いてしまいました。
そのことがあってからは 吹っ切れたようにほとんどの物を処分しようと思えました。
父が大切にしていてくれた私からの手紙や写真は今でも大切に保管していますが。
荷物を処分した後、父が20年以上暮らしていたアパートの部屋を 主人と2人できれいに掃除しました。
父はこの家に1人で住んでどんな事を考えていたのだろう?何が楽しかったのだろう?…と色々な思いを巡らせながら。
これを読んでいる方にアドバイスがあるとしたら、当たり前の事ですが、親が元気なうちにどんな事でもいいから、連絡をとって話をして欲しいということです。
私も、今さらですが、もっといっぱい父と会ったり、話をすれば良かったと本当に後悔をしています。
最後に父の住んでいた家や荷物の遺品整理をしたことで、ほんの少しですが父の生き様を感じる事ができました。
それはつらい作業でしたが、父の遺品整理をできたことはよかったと思っています。
買い取り業者を利用しながら親子で生前整理した体験談
40代女性 一軒家で一人暮らしをしている70代の母は病気をしたこともあってか、生きている元気なうちに、生前整理をしたいと言い出しました。
母は物を大事にする人のため、実家には洋服や趣味の着物、帯、食器類が大量にありました。
それに加えて私の独身時代の洋服や大量のマンガ本などの荷物も、実家で溢れかえっていました。
ちょうど1年前に、母が足の手術をした事をきっかけに私が時々家事をサポートするために実家に帰っていたので、その頃から少しずつ生前整理を始めることにしました。
最初はあまりの荷物の多さに何から手をつけて良いか分かりませんでしたが、まずは私の独身時代の荷物の山から手をつける事にしました。
洋服は独身時代のものなので 今はもう着ないものばかり。思いきって処分しました。
大量のマンガ本は古本屋に持っていって買い取ってもらいました。
大好きで集めたマンガばかりでしたので、自分としてはかなり思い切りが必要でしたが 「仕事と子育てに追われている今、マンガを読む時間はないだろう」と自分に言い聞かせて、すべて売りました。
母の洋服は状態の良いものや これから着るだろうと思うものは残して、あとは処分しました。
私が着なくなって捨てようと思っていた服を 母が「もったいない!」とすべて取っておいたことがわかって驚きましたが、それらも全て処分しました。
母は習い事の趣味を持っていて、元気な時によく着ていた着物や帯もたくさんあり、いずれは私に着てもらおうと思っていたみたいでした。
しかし、私が着物を着る機会も 母の様に趣味で着る事もなかったので、着物を買い取ってくれる業者に査定してもらいました。
大島紬や当時高かった着物も状態が良くなかったのか、着物や帯20枚程でたったの5千円の買い取りでした。
さすがにもう少し高く買い取ってもらえるだろうと思っていたので、この安さにはびっくりしましたが、母はもう手放す覚悟ができていたようで、そのまま買い取ってもらいました。
食器は未使用品がたくさんあったので、リサイクルショップで買い取ってもらいました。
こんな具合に半年かけて母と私で生前整理をして、自宅の荷物は半分以下になりました。
あまりに荷物が減ってしまい ちょっと寂しい気持ちがしましたが、母は本当に必要な物だけが残ってすっきりしたと言っていました。私より母の方がさばさばしていましたね。
私も母が元気なうちに生前整理できて良かったなと思いましたが、母が大事にしていた着物だけはやはり手元に置いてあげれば良かったなと、ちらりと後悔しています。
生前整理をしていると途中からだんだんと疲れてきて、判断力がなくなってくることもあります。
そういう時は何でも捨ててしまうモードになりがちですから、本当に必要かどうか、一度周りの人に見てもらうのも生前整理のコツのひとつかなと思います。
祖父のお宝コレクションでひと悶着した遺品整理体験談
30代男性 田舎の80代祖父が亡くなりました。
祖母 伯母 父 は近くに住んでおり、自分は都会に離れていました。
祖父は蒐集が好きで、珍しいものを多く所持していました。
動物のはく製や貴金属、装飾品、庭に巨石、いくつもの盆栽、焼きもの、古美術、骨董品など。
亡くなった後、多くの買取業者がやってきていくつかを査定して買い上げていってしまいましたが、どうやらそれらの業者は骨董品屋や古美術品に精通していない単なる「リサイクルショップ」だったことがわかりました。
遺族に相場観がなかったため かなり安く買いたたかれてしまっていたのです。
売ってしまったものは戻らないのでそのままですが、これから売ろうとしていたもの、処分しようとしていたものについては保留できるものは保留し、いったんリスト化して共有することになりました。
そしてその後、骨董品の鑑定士がいる買取業者に査定をお願いし、私が感じていた相応の価値の査定額を出してもらいました。
この業者なら信頼に足る!と感じたので、すべての骨董品の買取をお願いしました。
やはり「餅は餅屋」です。
「買い取ってくれるならどこでもいいや」というスタンスで適当な店に売られては、骨董品自体が泣きます。
それに次の時代に継承されるべき価値あるものが失われていくことは社会全体の損失にもつながります。
古いものは得てして「ゴミ」のように思われたり扱われたりしますが、なんとなくピン!とくるものがあった時には、捨てる前に鑑定に出すことをおすすめします。
鑑定といってもお金を払って専門家に見てもらうのではなく、骨董品を専門に扱う査定士がいる買取業者に査定をお願いすればいいのです。
きちんとした業者なら、出張査定だけでも無料でやってくれますので おすすめです。

