【遺品整理バイト体験談】業者トラブルのクレーム対応を身近で見た話
2017年9月に私は遺品整理のアルバイトをしていましたが、これはそのときに故人の遺品整理の金銭のことでクレームをつけられた話です。
といっても個人的にクレームをつけられたのではなく「会社」に受けた苦情ですので、クレーム対応や顧客との話し合いは業者の上役がやりました。
その遺品整理業者に遺品整理を依頼したのは60歳の女性です。
90歳過ぎの母親が他界し 遺品整理を行うことになった女性は、少しでも遺品整理にかかる費用を抑えたいということから見積もりを依頼しました。
そして見積もり費用が思っていたよりも安かった…ということから契約いただいたと会社からは聞いていました。
遺品整理当日に見積もりよりもはるかに多い作業が追加された
作業当日になり、自宅に私を含めた遺品整理スタッフ2名が作業をしました。
作業を始めてみると、確かに不用品の量は訪問見積もりの時点で見積もっていた通りでした。
しかし作業が進むうちに埋もれていた不用品が出てきたり、急遽予定に入っていなかった階段作業までお願いされたり。
エアコンの取り外しの追加、その場で運び出せない家具が出てきたのでその場で解体(分解)作業の追加があったりと、見積もり時よりもはるかに多い作業の追加により、料金も加算しなければなりませんでした。
遺品の処分量は2トン平トラック4台分ほどで約10万円が相場ですが、その2倍近い請求額になりました。
請求した時点では既に作業は終わっていましたから、依頼者も納得しての支払いをしたはずでした。
「したはず」というのは作業の終了時には苦情はなく、きちんと支払いをしていただいていたからです。
後日このお客さんがクレーマーになることなど、この時は想像もしていませんでした。
「高価な遺品を安く買いたたかれた!」というクレーム
一般的に遺品整理業者では骨董品も買取していますが、

高価な遺品を安く買い叩かれた!
…と女性からクレームが入り、トラブルになりました。
買取した骨董品はかなり古いものでしたが稀少性は認められず、各所に汚れやヒビなどが見られたため 市場価値がないと査定されたものです。
しかもこの買取のときも、

買取価格に納得できない場合には ムリに売却しなくても良いですよ。
…と伝えてありました。しかし女性は

母のコレクションを保管する場所がないし、形見分けする方々もいないので、この場で買取をお願いします。
…とおっしゃったことから、その場での買い取りとなったものでした。

料金は見積額よりはるかに高いのに、遺品がこんなに安く買いたたかれるなんておかしい!
…というクレームを入れてきたのです。
さらに依頼人が買取相場を分かっていないこと、故人の骨董品が高価な品物か安価な品物かを判断できていなかったことも苦情に繋がったため、

高価な可能性がある品物だったと思うのであれば、何社かに見積りを取ってからでも売却するのでも遅くはなかったのでは?
…と話し合いをしました。
「追加料金がかかるなんて聞いてない!」というクレーム
基本的に依頼する側は 遺品整理の事前見積もりの訪問時に「追加料金がかかることがある」という説明があるかどうかを確認し 把握しておくことを怠ってはいけません。
■見積書はあくまで「仮」であること。■「追加費用が発生することを書面と口頭、両方で伝えていた」こと。
この女性は私の会社が行ってきたこれら2点の説明をまったく把握していませんでした。
さらに見積書がきちんと存在し、口頭で契約を迫ったワケではないことなども併せて説明したそうです。
一人暮らしの高齢女性に無理やり契約を迫ることもしておらず、見積もり担当者は事前に、

見積もり時に、だれか親族の人に立ち合いをお願いした方がいいのではないですか。おひとりだけで契約しない方がいいと思うのですが。
と勧めたにもかかわらず、女性は

私一人で大丈夫です。自分で決めて契約しますから。
…ということで、自分一人で対応していたのです。
ここまでいろいろ話し合いを重ねた結果、

遺品整理が終わった後に親戚から「その遺品整理業者、追加料金の請求はおかしいよ。それにいろいろとぼったくられたんじゃない?」とか言われたから「そうなのかな?」と思って…
最終的にこの女性は周囲の親戚筋から煽られてクレームをつけたことを謝罪してくれたそうです。
そしてこちらからも 独居の女性にもう少し配慮ができればよかったことを謝罪し、トラブルが解決したということです。
遺品整理を依頼する側も常に確認することを怠ってはいけない!
プロの遺品整理業者に遺品整理を依頼すれば、お客さんは無事に作業が終了することをイメージしがちです。
しかし遺品整理からは金品が出て来たり、遺族が処分できない大切な品物がでてきたり、依頼人の急なリクエストによる思いもよらぬ追加作業が発生するのは日常茶飯事です。
ですから作業終了後に部屋の中の様子がおかしいと思えば、依頼者側はその場で説明を受けたほうが良いです。
また、遺品整理のビフォー・アフターの写真を撮影しておいたり、遺影にきちんと手を合わせてくれる業者かどうかをチェックするなど、依頼者もすべてを業者サイドに任せっぱなしにしないことが大切です。
