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発達障害の引きこもり脱出!障害者手帳と年金を取得し就労した体験談

【監修者】
オレンジ@終活ガイド

生前整理という名の断捨離にいそしみつつアラカンでの熟年離婚を画策中のおひとりさま予備軍女性がこのブログの中の人です。終活に活かすため終活ガイド1級とホームヘルパー2級を取得しています。
 
ここでは人生100年時代に備えた終活と生活のヒント、怖いけど知っておいた方がいい話、トラブル回避のハウツーなどを「事実は小説より奇なり」みんなの体験談を元に紹介していきます。

発達障害の引きこもり脱出!障害者手帳と年金を取得し就労した体験談

発達障害の引きこもり脱出

これは2017年10月~2020年6月にかけて起きた、私の兄(当時30歳)の引きこもりのエピソードです。

兄は大学を卒業しましたが新卒の正社員採用がもらえず、就職に失敗しました。その後は派遣会社を転々としていましたが、なかなか職が見つかりませんでした。

どこに行っても仕事がうまくいかない兄がひきこもりに

発達障害の引きこもり脱出

兄はバイトや派遣先でいじめに遭ったこともあり「作業が遅すぎる!」といって即日解雇されたこともありました。

プールの監視員の仕事をしていた時は同僚にプールに突き落とされたり、イベントスタッフの仕事をしていた時は不況でシフトを減らされた上に「もう来なくても良い」と言われてしまいました。

どこに行ってもうまくいかない兄はとうとう仕事が無くなって、自分で職を探すこともなく家に引きこもるようになりました。それからは家族が仕事を探すように促しても逆切れするようになりました。

私たちは 兄に仕事がなかなか決まらなかったり、合わなくてすぐに解雇されてしまうのは本人のコミュニケーション能力の不足が原因ではないかと感じていました。

次第にセルフネグレクトに陥っていった兄

発達障害の引きこもり脱出

こうして家にひきこもるようになった兄は 自分の部屋からは出てくるものの 家の外にはほとんど出なくなりました。昼夜逆転の生活を送り お昼ごろに起きてきて、1階のリビングでずっとテレビを見ていました。

家族からすると ずっとソファに座ってダラダラしている兄を見ていて 腹が立ちました。親が仕事を探すように言ってもまったく聞く耳を持ちません。

お腹が空いても食事を買ってきたり、自炊をすることはありません。これまでのバイトで得た収入である自分のお金を使うことはほとんどなく、母親がスーパーのお惣菜やお弁当を買ってきて食べさせていました。昔から兄は家のご飯を食べないおかしなところもありました。

体調を崩して嘔吐や発熱があっても一切病院にも行きません。兄は完全にセルフネグレクトだったと思います。

心配した母が行政の相談窓口に兄のことを相談したことがあったようですが、

本人を連れてきてもらわないと対処できません。

…と言われたそうです。

発達障害の診断が下りて

発達障害の引きこもり脱出

そんな兄は度々、癇癪を起こして暴れていました。ある日の夜中には「眠れない!」と言って暴れだし「睡眠剤をよこせ!」と言って壁に物を投げつけたので、壁が大きくへこんでしまいました。

そこまで暴れているにもかかわらず 翌朝にそのことについて兄に尋ねると「覚えていない」と言うのです。

この出来事があって 家族は兄が完全におかしくなった!と心配し、兄自身も自分がおかしいことをようやく自覚して病院に行く決意をしました。

母が兄を精神科病院へ連れて行って受診させたところ、兄は「発達障害」の診断を受けました。確かに兄には少し変わった面があるなと私も感じていましたが、それが発達障害のせいだったとは思いもしませんでした。

その後に両親が行政に掛け合って 兄に障碍者手帳を取得させました。それで障碍者年金を取得しながら、障害者雇用で働くことを勧められたのです。

たまたま家の近所にサポートしてくれるところがあって、そこで仕事を紹介してもらえたので、現在 兄は紹介してもらった作業所に就職して就労しています。

発達障害者が取得できる精神障害者福祉保健手帳

発達障害の引きこもり脱出

精神障害者保健福祉手帳は、「一定程度の精神障害の状態にあること」を認定するものです。何らかの精神障害により、長期にわたり日常生活や社会生活へ制約を受けてしまっている方が対象です。例えば以下のような、精神障害のすべてが対象です。

・統合失調症
・うつ病、そううつ病などの気分障害
・てんかん
・薬物依存症
・高次脳機能障害
・発達障害(ASD、ADHD、SLD)

現在(2021年6月時点)の日本の法律では、発達障害は「精神障害」に分類されるため、精神障害者福祉保健手帳の対象となっています。

大人の発達障害の方にとって、精神障害者保健福祉手帳を持っているもっとも大きなメリットは、障害者雇用の求人に応募できるというものです。障害者雇用は、障害を開示した上で企業等に採用されるため、障害への理解や配慮を得られやすい環境で働くことが可能です。

障害年金と障害者手帳は、元となる法律や制度が異なりますので、直接的な関係はありません。申請手続きの際に、障害の状態を証明する書類としてお互いを利用できる場合がありますが、「障害者手帳がないと、障害年金が受けられない」「障害年金を受けていないと、障害者手帳が取れない」ということはありません。
引用元:ディーキャリア

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