発達障害の引きこもり脱出と支援の体験談!7040問題が解決した話
30代男性 これは社会福祉士の私が関わった、発達障害を持ち引きこもっていた大人が社会参加できるようになった時のエピソードです。
ある日、相談窓口にBさん(70代男性)が相談に来られました。

40代の息子(Aさん)が何年も引きこもっています。以前は働いていたのですが、ちょっとしたことで辞めてしまい、そのまま再就職も職業訓練も何もせず、引きこもってしまいました。今の私たちの生活は私の貯蓄と年金、たまにシルバー人材センターで得た収入で何とかなっていますが、今後自分がいなくなったら息子がどうなるか心配です。
社会福祉士と精神保健福祉士にこの件を情報共有し、Bさんからの相談を継続的に受けるようになりました。
相談を数回経た後、私たちはBさん宅を家庭訪問をして Aさん本人と会うことができました。
Aさんが仕事をやめた原因を、父親のBさんは「ちょっとしたこと」と捉えていて、Aさんのしんどさを理解できていない様子でした。
また、Aさんは話し方が独特でたどたどしく、また言葉のチョイスも独特で 伝わりにくさが見られました。
そこで、Aさん本人はもとより Bさんをはじめとする家族への支援、そして専門的な支援につなげるためのチームが組まれました。
まずはじめに、Aさん本人が「精神的にまいっている」ということから 精神医療につなぐことを考えました。
…と言っていましたが、父親のBさんは
2人の意見はかみ合っていませんでしたが、精神保健福祉士からの説明と説得により、息子のAさんが精神科を受診することを父親のBさんがなんとか了承し、Aさんは精神科を受診することができました。
そして精神科においてAさんに大人の発達障害の診断が下りました。Aさんは、
…と一定の納得がある、ホッとした表情をされていました。
その後、精神保健福祉士から障害者手帳を取れる可能性があることを情報提供し、精神科の初診から半年後、Aさんは障害者手帳を取得することができました。
精神障害者手帳の取得まではスムースに進みましたが、Aさんが働きに行けない状態は依然続いていました。
長く引きこもりだったAさんには 障害福祉サービス事業所を利用して外に出る習慣、どこかに通う習慣、人に会う習慣をつける必要がありました。
そこで社会福祉士が障害福祉サービス事業所の管理者をしているEさんに相談し、Aさんの事業所への利用を検討しました。
Aさんが実際にその事業所を利用するまでには数ヶ月の時間を要しましたが なんとか事業所に通えるようになりました。
父親が息子の障害を受け止めるのにも時間はかかりましたが、
…とおっしゃっていました。
しかしながら、障害福祉サービス事業所からもらえる工賃だけではとても生活していけません。そこでBさんなりに調べて
…という相談に至りました。
この件にかかわった職員全員が障害年金の制度自体は理解していましたが、実際の申請は本人や家族がすることになるので、その手続きの負担感を心配していました。
しかしAさん自らがインターネットで社会保険労務士に委任できることを調べ上げ、社会保険労務士のサポートを受けて手続きをしたことで 無事に障害年金を受給することができました。
このように、社会福祉士、精神保健福祉士、障害福祉サービス事業所、精神科医、社会保険労務士などといった専門家たちのサポートによって、福祉的就労や障害年金の受給を通して 引きこもりの人が再び社会参加できるようになった成功事例もあります。
同じような悩みや不安を抱えている人は、一度行政に相談をしてみることをおすすめします。
