墓守り不在と経済的負担から墓じまいをした体験談
50代女性 父が亡くなり、母も高齢となり、子どもが私と妹の二人で跡継ぎが不在なことから墓じまいを決めました。墓じまいの費用はトータルで80万円ほどかかりました。
墓参りの度の墓の掃除や行事ごとの法要などの費用がかかり、経済的にも精神的にも大変となったことも理由のひとつです。
墓じまいでのトラブルはお金!年々経済的負担が増してきて…
年を追うごとに経済的負担が大きくなってきたことも、墓じまいした大きな理由です。菩提寺の住職が代替わりしたところで何かとお金の必要な話ばかりしてくるようになったのです。
今まで不要だった墓の管理料や盆と年末の水塔婆などの料金の値上げなどがありました。それらの経済的な負担で母や妹ともめることも増えました。
また、墓じまいには石材店だけでなく、お寺にも費用がかかる(離檀料など)と言われたので、石材店に相談してできるだけ費用を安くしてもらうように交渉しました。
妹の住まいが遠方なので私ひとりにこれらすべての負担がかかっていたことも、墓じまいのトラブルといえばトラブルでした。
【樹木葬】夫とは別のお墓に入ることを決めた私でも購入できる価格が魅力
私たちは樹木葬を選びました。見晴らしのいい場所で永代供養をしてもらえること、両親の墓地の隣に私の墓地も購入できるくらい経済的だったことから決めました。
母を連れて行ったら気に入ってくれたことや、祖父母の遺骨を同じ墓地の共同納骨堂に納められることなどが決め手となりました。
その樹木葬墓地は京都の宇治にあり、墓地とJR、京阪電車、近鉄電車の駅に一時間に1本の送迎バスがあるのでお参りがしやすく、法要なども依頼できる点が気に入っています。
緑が多くて流れる風が心地よく、季節を感じることが出来る立地がとても気に入っています。敷地が広くていつ訪れても管理が行き届いているので、気持ちよくお参りができます。またお参り後に散策や観光地巡りが出来るのもうれしい点です。
主人とは別のお墓に入ることを決めている私は、両親の隣で永眠することに決めました。死後も四季を感じてゆっくり穏やかに眠れる雰囲気があって、とても気に入っています。娘も結婚せずに私と同じ墓に入りたいと言ってるくらいです。
田舎の墓の手入れが大変すぎて墓じまいを決めた体験談
40代女性 実家の墓じまいをしました。うちの場合は費用はトータルで約100万円ほどかかりました。
田舎の山中に墓があり、実家から墓までの距離が遠く、墓自体がかなり古く、墓石も小さかったので、こまめに周囲の草刈りをしないと埋もれてしまう状態でした。
そこで親の死をキッカケに、実家の敷地内に新しい墓を建てることになりました。
境界線がない田舎の墓の手入れは想像以上に負担が大きい
元の古いお墓の隣には、ご近所のお宅のお墓がありました。墓じまいをしたとはいえ、はっきりとした墓の境界線がないために、周辺の草刈りの手入れを怠ると迷惑をかけてしまいます。
土地そのものは実家のものなので、墓はなくなっても定期的に手入れに通わねばならず大変でした。墓じまい自体にトラブル等はありませんでしたが、墓じまいした後にも手間がなくならないことが厄介でした。
実家は現在誰も住んでおらず空き家になっていますが、手入れの義務がある立場なので、新旧二つのお墓の手入れが必要になってしまいました。
その後、飼い猫が死んだので、古い墓の場所に猫を埋めて 極小の墓石を手作りして置いたところ、それを見た、隣のお墓のお宅が『また新しいお墓を立てたの⁉︎』とびっくりして連絡してきました。
極小とはいえ手作りの墓石の出来が良く見えて、本物の人間のお墓だと勘違いしたそうです。きちんと前もって報告しておかなかったことを反省しました。
新しいお墓を建立し父の石碑を設置して
古い墓を墓じまいし、遺骨は新しいお墓を建てて納骨しました。その新しいお墓は、実家の敷地内にあるので独立した状態ですから、周囲に他のお宅のお墓はないので迷惑をかける心配がありません。
お墓の手入れも自分で決めた周期で通うことができますし、年を取った親族も墓参りしやすい環境なので、改葬に新しい墓の建立を選択したのです。
お寺などの墓地にあるお墓ではなく、実家の敷地内にある点が気に入っています。以前の場所は山中で周囲には田んぼと畑があるのみでしたが、現在の場所は周りに住宅があるので常に人の目もあります。
手入れの範囲は広がりましたが、少しは賑やかな環境の方がご先祖さまも寂しくないと思います。あまりに人気のない場所だと墓参りに行くにも物騒で 足場も悪く危険ですから、安全面においても良かったと思います。
新しいお墓の側には、父親が読んだ句を刻んだ石碑が置いてあります。石は永久に残るものだからと、父が自身のこだわりで製作した物です。
自分亡き後も、何か形ある物を残したいと強く願う人だったので、石という形で残せて満足そうな様子でした。それをお墓に設置したので、きっと父も喜んでいると思います。
墓じまいしないと迷惑がかかる…という提案から永代供養墓に改葬
40代女性 2022年1月に私たちは墓じまいをしました。墓じまいにかかった費用は50万円プラス交通費と宿泊費の20万円で約70万円です。
元のお墓には祖父・祖母・叔父の3人の骨壺とそれ以前のご先祖のお骨が入っていました。祖父母の子どもで生きているのが叔母一人だけになったこと、その叔母が

墓じまいをしないと あなたたち姪に迷惑がかかるでしょ?
…と墓じまいを申し出てくれたことが墓じまいをすることになったきっかけです。
当事者が互いに遠方なので連絡や意思疎通が大変だった
ずっといつかはやらないと…と思っていた墓じまいですが「いざ、やろう!」と思い立ったのが2020年1月の墓参り時です。「来年しようね」と申し合わせていたのですが、コロナ禍でにっちもさっちも行かない状況になりました。
墓じまいの主導の叔母は福岡在住、私たち姉妹二人は山口と千葉在住なので、まず集まることができなくなったのです。高齢者はTV電話などを使用できませんし、対面でないと意思疎通も大変です。
しかもお墓は四国の香川県。香川県にあるお墓のお寺さんはとても良心的でしたが、墓じまいに関してはノータッチだそうで、石屋さんを紹介していただくだけで あとは自分達だけで墓じまいを進めました。
魂抜きの日を2021年12月28日と決めて予約していたのですが、お寺さんが11/28と勘違いしていたことによる伝達ミスがあり トラブルになりました。
こちらは福岡、山口、千葉からわざわざ出向いているのに 到着してからトラブルを知り

今日はできないのかしら?私たち抜きで別の日にしてもらうしかないかしら?
…と思案していたら、お寺さんが急遽準備してくださり、なんとか事なきを得ました。石屋さんにだけは正確に日時が伝わっていたようで助かりました。
年末のことで 石屋さんがもう冬休みに入るとのことで、実際に墓石を砂利にして元あった場所を平らにするのは年明けの1月になりました。
伝手をたどって墓じまい。永代供養墓へ改葬することを決意
私たち姉妹は実家のある福岡の、自分たちの両親のお墓がある霊園の永代供養墓にでも入ったらよい…と考えていましたが、高齢の叔母が、

もうあんたたちは供養しなくてよい。無縁仏にしよう。
…と提案しました。
叔母が「自分たちで骨壺を持って移動するのは大変だから」と持ち運びを嫌がったので、結局石屋さんにお願いして 石屋さんのツテで香川県のお墓があったところとは別のお寺さんで永代供養してもらうことになりました。
新しい供養先の永代供養墓については土地勘がないため私はよくわかっていないのですが、お墓に入っていた叔父の子ども(私から見たら従妹)に 将来に叔母が亡くなった時、相続が発生したら伝えないといけないので 石屋さんというツテがあるところで良かった(後からでも石屋さんにどこか聞ける)と思っています。
お墓に入っていた叔父は離婚していたため、実は従妹とは疎遠になっています。今回石屋さんが墓じまい時にお墓の文字を写してくださったので(お墓の文字が色が抜けてて写真では読めなくなっていた)疎遠になっている従妹でも探すのにも非常に役に立ちそうで良かったです。
私はやはり地元が一番だと思うので、お墓に入っていた祖父・祖母もずっといたお墓からそう遠くないところが新しい供養先となって良かったのではないかと思っています。
祖母の樹木葬に参列した体験談!自然に還りたい希望が叶えられた
40代女性 2018年10月に喪主の家族として祖母の樹木葬に立ち会いました。私にとっては初めての樹木葬体験です。
それは2人分の骨壷を収納するタイプの樹木葬で、墓石が樹木であるというもので、これを見て私は

石の下で冷たく眠るより、温かく自然の下で眠ることができる方がいいな。
…と思いました。
この木が祖母のお墓だと思うと 祖母が生まれ変割ってくるような気持がして 自然と気持ちが前向きになり、生前の祖母の笑顔が目に浮かぶ様でした。
祖母がこの埋葬方法を選んだ理由がわかりましたし、親族もみな満足していました。また、祖母の新しいスタイルを受け入れる姿勢にも感心したのを覚えています。
私も主人とよくお墓の話をしていますが、二人とも自然が大好きで山にもよく出かけることから、後々子供たちに迷惑をかけない様に夫婦で合同の樹木葬にしたいと考えています。
しかしいろいろなトラブル(運営する会社が倒産してその土地が置き去りで荒れ果ててしまう等)を耳にしたことがあるため、私はお寺が経営している樹木葬の墓地をリサーチしています。
子ども達は「普通にお墓を建ててほしい」と言いますが、将来必ず重荷になる日が来ること、自分はいつか自然に還りたいという希望などを ゆっくりと伝えていきたいと思っています。