死別うつ病と若年性認知症の限界家族が福祉支援で立ち直った体験談


死別うつ病と若年性認知症の限界家族が福祉支援で立ち直った体験談

死別うつ病

30代男性 これは社会福祉士の私が関わった、家族の死去がきっかけで崩れた親子が福祉支援を得て社会復帰できた話です。

Aさん(60代男性)は定年退職したのち 週数回のアルバイトをしていました。

同居する息子のCさん(30代)は会社員で、この家庭は3人暮らしでしたが、Aさんの奥さんが急病で亡くなりました。

そのショックからAさんはアルバイトどころか日常生活も満足に送ることが難しい状態となりました。

Cさんも同様に強いショックを受けてうつ病の診断が下り、休職することになりました。

当初はAさんの弟のBさんが仕事の傍ら 食事を届けに行ったり、家事を手伝ったりしていましたが、サポートの甲斐なく Aさん・Cさん親子は共にどんどん精神的に落ち込んでしまう様子でした。

死別うつ病

そのうちにAさんは物忘れが強くなっていき、覚えていないことが増えると同時に 生活が完全に乱れてしまい、片づけができない、深夜徘徊といった認知症特有の問題行動が増えていきました。

さらに息子のCさんはうつ病による休職期間が満了したあと 自然退職となりました。

こんな状態を見て困り果てたBさんが相談窓口に来られたのです。

私は別の社会福祉士と精神保健福祉士にこの件を伝え、この事案は福祉支援が必要な可能性があるため 地域包括支援センターと協働して この親子の支援チームを組むことになりました。

死別うつ病

父親のAさんは若年性認知症の可能性があることから 認知症外来を受診するとともに、介護認定調査を受けてもらいました。結果、認知症と診断され「要介護1」の判定となりました。

Aさんに対する支援は地域包括支援センターが中心になって、介護サービスを受けながら生活を整えていくことを目標としました。

具体的にはデイサービスとホームヘルパーを利用して生活習慣を整えて、外出して人と交流する機会を持つとともに、家事などを手伝ってもらいながらやっていくことでした。

息子のCさんの死別うつ病は引き続き精神科の治療を受けるとともに、福祉サービスを利用して社会復帰することを目標としました。

支援の具体的内容は以下の3点です。

うつ病の度合いによっては精神障害者保健福祉手帳が取得できる可能性があること。
自立支援医療受給者証を取ることによって医療費が軽減されること。
リワークや精神科デイケアなどを利用して、少しずつ働ける状態を目指すこと。

 

死別うつ病

Aさん・Cさん親子の生活の乱れや病状・症状はすぐには良くなりませんでしたが、支援を受けながら 少しずつ快方に向かいました。

Aさんの弟Bさんが相談窓口に来てから約9ヶ月経ち、Aさんのデイサービス通いと ホームヘルパーと一緒に家事を行うことが習慣として定着し、デイサービスでは仲の良い友達もできました。

Cさんは市役所障害福祉課職員と地域包括支援センターの紹介や手ほどきを受けながら 福祉センターで行われる当事者の集まりに足を運ぶようになりました。

さらに非正規雇用ではあるものの、Cさんは少しずつ働くことができるようになりました。

Bさんが比較的早期に相談に来たことと、Aさん・Cさん親子ともに治療意欲があったことで、早めの解決につながった事例です。

また、地域包括支援センターや市役所などと連携しながら支援チームを組んだことによって、専門的な支援に迅速につながりました。

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