不眠症と睡眠障害の違い
疲れているのに上手く眠れない。夜中にちゃんと寝れないため日中の活動に支障をきたしている。そんな不眠症の悩みを抱える方は多いです。
厚労省の調査によると、5人に1人が自分は不眠だと感じていて、10人に1人が長期的な不眠に悩まされていると報告されています。
また、3人に1人が過去に不眠で悩んだ時期があるとしており、不眠はとても身近な悩みだということが分かります。
不眠症にはいくつかタイプがあり、なかなか眠りにつけない入眠障害、途中で何度も目が覚める中途覚醒、朝早くに目が覚めてその後眠りにつけない早朝覚醒、時間は寝れているけど疲れが取れない熟眠障害があります。
睡眠の質が下がることで、日中に眠くなったり疲れが取れない、集中力が低下したりすることを不眠症としています。
不眠症の原因は様々ですが、長期化している場合、「また今日も眠れないかもしれない」というプレッシャーでさらに眠れなくなっているケースが非常に多いです。
寝たいのに寝れないのはとてもストレスになりますし、日中の仕事や運転などでミスをしないかなどと緊張状態にさらされるのも、精神衛生上よくありません。
入眠障害とは?
入眠障害になると、「今日もまた寝れないのではないか」という不安がだんだん強くなり、その不安からさらに寝つきが悪くなるという悪循環になりやすいです。
疲れが取れずに明日また頑張らなければならないのか、日中は眠たいのにどうして夜寝られないのか?
そんな風にストレスが溜まるうえ、日中の仕事や生活に支障が出てもなかなか睡眠のせいと周りに言えず、辛い思いをする人が多いです。
中途覚醒とは?
不眠症というと寝付きが悪くなる入眠障害のイメージが強い方も多いですが、実際には中途覚醒に悩まされる人も多くいます。
中途覚醒は、それ自体がストレスとなるだけでなく、深い睡眠をとることがなかなかできないため、身体の疲れもとれにくく、疲れとストレスが蓄積されていってしまうといった悪影響が挙げられます。
人が眠りにつくと、最初は浅い眠りから入り徐々に眠りが深くなっていきます。
しかし夜中に何度も起きてしまうと、この深い眠りが邪魔されることになるので、睡眠時間が短い人より、睡眠時間自体はそこそこ取れていても何度も起きる人のほうがつらいと言われています。
早朝覚醒とは?
早朝覚醒とは、朝起きたい時間の2時間以上前に目が覚めてしまい、その後寝付けないことです。
1日2日ではなく、何日もそれが続くとだんだんと疲れが溜まってきますし、それによって日中の生活に支障が出始めると、なんとか眠りたいという気持ちが強くなり、その不安によってさらに睡眠の質が悪化してしまいます。
早朝覚醒になる原因は2つあり、1つ目は加齢によるものです。
年齢が上がると、睡眠導入物質であるメラトニンの分泌量が減るため、睡眠を維持することができず、早く目が覚めてその後寝付けなくなってしまいます。
2つ目は、うつ病によるものです。うつ病になっていなくても、うつ病一歩手前にいるような、極度のストレスを溜めている状態だと、早朝覚醒が発症しやすいです。
加齢によるものであれば病院で薬を処方してもらうことで改善されますが、ストレスによるものやうつ病によるものの場合、薬だけでなく、カウンセリングなどでストレスの緩和をすることで、症状が改善されるケースもあります。
熟眠障害とは?
しっかり寝たはずなのに疲れが取れない、朝まで寝たのによく寝た気がしない。そのような症状が続くことを、熟眠障害と言います。
熟眠障害は、このような「朝起きた時に、ぐっすり寝たという満足感がない」ことが週に2回以上あり、日中に強い眠気を感じたり生活に支障をきたしている状態のことを指します。
熟眠障害になる大きな原因は2つあり、加齢によるものと、ストレスによるものがあります。
歳を重ねるとともに睡眠力はどうしても低下してしまうため、眠りが浅くなるのはある程度仕方がありません。
しかし原因がストレスの場合、熟眠障害によってさらにストレスや疲れが溜まり、睡眠に対するこだわりが強くなったり、眠れないのではないかという不安からさらに睡眠の質が悪化する恐れがあります。
睡眠障害カウンセリングのおすすめサービス
睡眠障害は、睡眠薬治療もとられる場合がありますが、慎重な取り扱いが必要で、かつ抵抗があるという方も多くいます。
まずは生活習慣を改善したり、他の眠れない原因や眠り過ぎてしまう原因などを解決したりして、睡眠薬に頼らない睡眠障害の解消を試みるようにしましょう。
心の健康状態を意識して、無理なく、客観的かつ専門的な意見を取り入れながら睡眠障害を解消していきたい方は、ぜひうららか相談室のカウンセリングを活用してみてください。