「病院に行けない」から始まった不安障害を自力で治す方法を考えた話
これは2019年10月から現在にかけて、不安障害者(私:当時19歳男性)が少しずつ寛解に向けてやってみたことについての話です。
私は中学生時代に身体的にも精神的にも負担のかかる、自分に無理を強いるような生活を続けてきました。あれもこれもやろうとしたり、とりわけ運動に関して体を酷使していたこと。また睡眠時間がかなり少なかったことによるストレスがあったのだと思いますが、おそらくその反動として ある日を境に食事が全く摂れなくなりました。
以降 数カ月間ほとんどずっと寝込み、体重もどんどん減少していきましたが、その頃から不安障害のような症状は出ていて、病院に行くことにも多大な勇気が必要でした。
そして病院に行くか死ぬか…という極端な選択を自分に課すくらいまで体重が減った頃、ようやく医療機関を受診する決断をしました。しかし運が悪かったのか…最初の病院での何回目かの通院で医療関係者から無慈悲な言葉を浴びせられてしまい、虚無感と失望で再び塞ぎ込んでしまいました。
不安障害で病院に行けないなら訪問診療(在宅医療)がある!
減少していく体重に危機感を感じて、自分に合う病院を探しに いくつかの医療機関を転々としていた矢先、訪問診療(在宅医療)という救済手段があることを知り、そこに頼るようになりました。
顔を見せれば薬を処方してもらうことも可能なので、病院でトラウマ的経験のある方や、メンタル的にちょっと外に出るのも難しいような人にも、訪問診療の選択肢を検討してみることをお勧めしたいです。訪問診療を中心にしているクリニックがあります。
私はあちこちで診察されてきた結果、自分でも困っているほどの日常生活に支障をきたす症状等を鑑みてくだされた診断名は「不安障害」そしてそれに対するアプローチを医師と相談しながら取り組んで行くようになりました。
不安障害は、恐怖感や身体的不快感が強まり、さまざまな支障が生じる状態を意味する診断名です。時には切迫した恐怖感や「このまま死んでしまうかもしれない」という差し迫った生命への脅威を感じる場合もあり、必ずしも明確な引き金がない場合も含まれます。よく知られているパニック障害や、全般性不安障害、さまざまな恐怖症などが、不安障害という大きなカテゴリーに含まれます。著しい不安という意味では共通していますが、症状の現れ方などを含めてそれぞれに特徴があります。
引用元:綱島こころクリニック
心理学から不安の捉え方を学んで実行してみた
不安障害において、私の場合は吐き気やパニック発作がネックでした。薬は吐き気を抑えるものだけを処方してもらい、あとは苦手意識がある、あるいは症状が出やすい環境に、段階を踏みながら徐々に飛び込んでみるような方法をとりました。
具体的には 少しずつ人や車の通りが多い場所に行ったり近づいてみたり。駅構内に入ったり、一駅だけ電車で移動してみたり…といった具合です。
そういった条件では、イヤーマフというアイテムが非常に心強い味方となってくれました。大きな音や喧騒に不安を感じるような方は 外出時にイヤーマフを携帯してみるようお勧めします。
そのほかには食事において「吐いてしまうかもしれない」という予期不安から吐き気を催してしまうことが頻繁にありました。これは不安に対する考え方を変えていく必要があると思い、本や記事等を読み漁るようになりました。中でも役に立ったのは、心理学的な不安への捉え方や、哲学的な感情の観察の仕方について学んだことです。
不安は脳が自分に何かを教えようとしてくれている(たとえば入念な準備やリスクヘッジの要求)と考えたり。人が多いとか喧騒が大きいとかいった、自分にはコントロールできないことは切り捨てるよう自分に言い聞かせたり。とにかく、自分に合った有効な対策を模索し続けることは大切だと思います。
摂食に問題がある人には散歩がおすすめ
また、食事や嘔吐に関して不安があり、拒食に陥っている方には散歩をおすすめしたいです。
私も未だに波があって外に出られたり出られなかったりしますが、やはり体重や食欲が回復する時期というのは、自転車や散歩などの運動習慣が身についているときのように思います。
さらに不安障害では外に出ることが難しく、つまりそれは友達に会ったり人間関係を構築することも容易ではないことを意味します。
SNSを無理のない範囲で活用してみて、自分と似た悩みを抱える方や健常者との交流を持ち、自分のことを少しずつ話せる相手を見つけていくことも、克服や自己受容に大きく貢献してくれると思います。
在宅医療って何?訪問診療と往診の違いは?
【関連記事】医療は受ける場所によって
①外来医療(外来診療):病院や診療所の外来に通って受ける
②入院医療:入院して受ける
③在宅医療:患者さんの自宅などで受ける
…の三つに分かれます。在宅医療のなかで医師が患者さんの自宅などに出向いて行う診療が「往診」や「訪問診療」です。医師が、診療上必要があると判断したとき、予定外に患者さんの自宅などに赴いて行なう診療が「往診」です。これに対して、在宅医療を行なう患者さんで、疾病や傷病のため通院が困難な方に対し、医師が、あらかじめ診療の計画を立て、患者さんの同意を得て定期的に(たとえば1週間に1回あるいは2週間に1回など)患者さんの自宅などに赴いて行なう診療が「訪問診療」です。
在宅医療は、医療関係者が、患者さんやご家族と相談の上、計画にもとづいて定期的に訪問し、治療や経過観察をする医療行為で、24時間体制で対応しています。在宅医療には、医師が訪問して診察や経過観察を行う訪問診療、看護師が訪問してケアを行う訪問看護、理学療法士や作業療法士が行う訪問リハビリテーションなどが含まれます。
引用元:エーザイ
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