エンディングノートの葬儀・お墓・供養項目の書き方と注意点
葬儀 | 葬儀の形態…宗派など 葬儀社・式場の希望 葬儀の費用 葬儀の連絡を入れる人 喪主について |
供養 | 遺骨の供養 お墓 自宅での供養 以後の法要について |
葬儀についてのエンディングノートの書き方
まずはどんな葬儀にしたいのかを考えてみましょう。
- 一般葬
- 家族葬
- 家族葬のあと、お別れ会をする(友人・知人を招く)
- 一日葬
- 直葬(火葬だけ)
- あとのことは家族に任せる
引用元:おひとりさまの終活まるわかり読本
家族葬
最近の葬儀の形態は、もちろん地域によって異なりますが、都市部では半数以上が「家族葬」を選んでいるということです。
参列するのが家族とごく親しい人のみというシンプルなお葬式です。
故人の希望で家族葬を選んでも、「シンプル」の理由ゆえに葬儀の後にもめたり、後日多忙な思いをしたりと 大変な思いをすることもあります。
例えば葬儀に呼んでもらえなかった親戚とトラブルになったとか。
故人の交友関係が広い場合に、その後の弔問客の訪問がひっきりなしにあって対応に追われたとか。
一日葬
一日葬は、お通夜はなし。葬儀と火葬を一日で行います。
多忙な人には向きますが、あわただしいお葬式になりますし、菩提寺によっては一日葬を認めないところもあります。
直葬
直葬は、東京では5人に1人、行われているということです。
身寄りがなかったり、経済的に苦しい場合が多いです。
直葬を選んだものの、あとで家族が後悔することも少なくないという話も聞きます。
自分らしいお葬式とは
自分らしいお葬式をあげたいと考えている人は、葬儀の欄はぜひ書き込みましょう。
最近は自分で自分のお葬式をデザインする人も多いです。
たとえば生前に趣味があった人は、作品などの思い出をスライドショーにして上映したりします。
そういった希望がある人はエンディングノートに書き残しておけば、のちに希望を叶えることもできます。
葬儀に関する内容は、宗派や葬儀の連絡をする人、喪主の希望なども指定しておきます。
葬儀の生前予約についてのエンディングノートの書き方
お葬式は生前予約をすることができます。
生前に自分が選んだ葬儀社と契約して 葬儀内容や費用をあらかじめ決めておきます。
知らない業者を頼んで予算をはるかに超えるとんでもない費用を請求されることもあるあるな話なので、自分が納得した良心的な業者があれば、事前に予約しておくのはいい方法です。
病院で亡くなった場合、まずはご遺体を自宅まで搬送します。
何の伝手もなければ 病院と提携している葬儀社をすすめられて そのまま依頼することが多いです。
この時に費用について比較・検討する余裕がなければ、そのまま契約して、後々「うーん、あれはちょっと だったなあ…」となることもあります。
しかし事前に契約している業者があれば すぐに連絡できるので 後悔することは少ないでしょう。
ただし、本人が希望する葬儀と遺族が考えている葬儀が大きくかけ離れている場合は 本人の一存で生前予約を決めるのはトラブルの元です。
家族でよく話し合ってから生前契約を結びましょう。
互助会に加入しておくのも一つの方法です。

戒名についてのエンディングノートの書き方
戒名とは、故人が仏の弟子になった印としてつけてもらう名前ですが、戒名は悩む人が多いです。
ランクをどれくらいにするか。
金額はどのくらいになるか。
菩提寺がある人は戒名をいただかないと納骨できないケースもあります。
仏式の葬儀では仏の弟子になることが前提条件なので、戒名は必要とされていますが、最近は「戒名は要らない」という人も多いです。
それは菩提寺へのお布施が高額なことが理由のひとつです。
無宗教のお葬式を行い、散骨や樹木葬を選べば 戒名は必要ないでしょう。
ただし先祖代々のお墓があり、菩提寺との関係が深いお宅はそう簡単にはいかないかもしれません。
戒名は、実は生前につけることもできます。
戒名をどうするかをエンディングノートに書いておけば、遺族が悩まずに済みますので、この点はできれば事前に考えておいた方がいいでしょう。

香典と香典返しについてのエンディングノートの書き方
これまでは葬儀で香典をいただくのが一般的でしたが、最近は「香典を辞退します」というケースも多いのです。
お花やお供えを辞退するケースもあります。
香典返しについて 何か希望がある場合は、エンディングノートに書いておきます。
喪主と弔辞についてのエンディングノートの書き方
喪主になってほしい人や弔辞をお願いしたい人の希望もエンディングノートに書けます。
喪主はふつうは配偶者や成人した子供で、長男が多いですが、女性が喪主になってもOKです。
また、第2希望まで書いておいた方が、引き受けてもらえない時にも困らず済みます。
弔辞は死後に遺族がお願いするものですが、「この人にやってほしい」という希望があれば、それもノートに書いておけば、遺族が打診してくれるでしょう。
葬儀を知らせる相手・知らせない相手と死亡通知について
家族が亡くなった時に遺族が困る問題のひとつに、誰に連絡すればいいのかわからない!があります。
故人の年賀状や携帯電話やパソコンのアドレスを開いて 死亡通知を出す相手を調べるだけでひと仕事になってしまうケースもあります。
しかもその人たち全員に通知していいのかも迷うところです。
遺族にこういう手間をかけさせないためにも、交友関係をエンディングノートにまとめておきましょう。
あまり付き合いのない遠方の親戚の連絡先も同様に記入しておくと役立ちます。
①家族
②親族…兄弟姉妹・おじ・おば・甥・姪・孫・いとこ
③個人の関係者…友人・知人・会社関係・学校関係
④遺族の関係者…友人・会社関係・学校関係
⑥地域の関係者…近所・町内会・自治会
逆に葬儀に呼んでほしくない人もいることでしょう。
そういうときにもその人の名前と理由などを書いておいてもOKです。
しかしノートは残るものなので、あまり悪口は書かない方が良いですよね。
このあたりのことはなかなか厄介な側面もあります。
葬儀に呼ばないのが他人なら問題ないことが多いですが、親戚を呼ばないとなると話は別です。
後々こじれて残された親戚同士の関係が悪化することもありますので、注意が必要です。
さらにあなたが亡くなったことを連絡する時の希望を、エンディングノートに残せます。
葬儀前に葬儀の日時・場所を知らせる場合と、弔問客を呼ばない家族葬を選んだ時には葬儀後に知らせる場合があります。
地元の新聞に死亡広告をだすなどの希望がある場合にも、ノートに記載しておきます。
参列者へのメッセージについて
あなたから参列者のメッセージを喪主に読み上げてもらうこともできます。
メッセージを自分の声で伝えたい人は録音しておいて会場で流してもらうこともできます。
また参列者に手紙を書いておいて渡してもらう方法もあります。
これらの希望もエンディングノートに書いておけます。
【エンディングノート】お墓と供養項目の書き方と注意点
どんなお墓に入りたいかの希望をエンディングノートに書いておきましょう。
最近は墓石がないお墓も増えました。
墓じまい(改葬)も増加しており、納骨堂や樹木葬、海洋散骨や、遺骨をカプセルに詰めて大空に打ち上げる「宇宙葬」なる散骨まで登場しているご時世です。
お墓の継承者問題もむずかしいものがあり、特におひとりさまには「永代供養墓」に人気が集まっています。
- 先祖代々のお墓に入りたい
- すでに購入済みのお墓に入りたい
- 永代供養墓で合祀してほしい
- お墓を新たに購入してほしい
- 納骨堂に入りたい
- 海洋散骨してほしい。
- 手元供養してほしい(お骨をペンダントなどに加工する)
- お骨を自宅においてほしい
- 樹木葬にしてほしい
- 特に希望はない
永代供養墓について
永代供養墓は、永代といっても永久に供養をつづけるわけではないですが、三十三回忌などの節目まで お寺が供養をしてくれます。
供養の仕方はお寺や費用によりケースバイケースです。
契約期間まで個別に安置して その後他の遺骨と合祀するところや、初めから合祀されるなど いろいろあります。
永代供養墓ならお墓を継承してくれる人がいなくても問題ありません。
最近は仲の良い友達同士で永代供養墓に入る墓友同士で一緒のお墓に入るとか、説明会やセミナーで知り合って仲が良くなった同士で墓友になるケースなどがあります。
最近は「夫と同じお墓に入りたくない!」と考えている妻が多いですが、永代供養墓を利用すれば お墓と血縁は関係ないですね。
そういった希望もエンディングノートに書いておくといいでしょう。
樹木葬について
樹木葬は墓石の代わりに木を墓標代わりに植え、その下に遺骨を埋葬します。
植物の種類や埋葬方法はいろいろです。
樹木葬は1999年に登場し、自然志向の高まりもあって静かなブームとなっていて「土に還る」「自然に還る」という意味では散骨と同じです。

実は私も樹木葬を希望してまして…
個人的には散骨もいいなと思っているんですが、植物が好きなので樹木葬の方がいいなと。
樹木葬は継承者が必要ではなく、お墓を継ぐのも継がないのも自由です。
そういう自由さも人気の理由です。
樹木葬を希望する方は、その旨を一筆、エンディングノートに書いておきましょう。

仏壇と手元供養について
仏壇に手を合わせるのはご先祖様に感謝する意味合いだと思っている人が多いので、仏壇はご先祖様を祀るものと思っている人も多いのでは。
でも本来、仏壇はそれぞれの宗派のお寺ご本尊様を祀るためのものです。
仏壇が高額だったり核家族化が進んでいることで、最近は仏壇を置かない家庭も多く、仏壇を置かずに個人の遺骨や遺灰を家において供養する「手元供養」をしている人も多いです。
骨壺で好みのものを選んだり、ペンダントなどに加工してみたり、オブジェを作ったりする人もいます。

仏式ならばお寺の連絡先を書いておく
エンディングノートに書く葬儀の宗教が仏式ならば、お寺の連絡先も書いておきましょう。
最近はお寺との付き合いが希薄な人が多いので、遺族がお寺やお墓のことを知らないでよそのお坊さんを頼んで 後々トラブルになることもあります。
法要について
自分が亡くなった後の法要については 自分だけで決めない方がいいです。
故人の遺志も大切ですが、遺族にとって納得できるいい形でやってもらうことが大切です。
ですが、自分の希望をエンディングノートに書き残しておくのは問題ありません。
後の遺族の負担を軽くしたいなら
・・・などと書いておくといいでしょう。
そういった希望を書いておけるのが「エンディングノート」ですから。