エンディングノートの保管場所・置き場所・隠し場所決めのヒント

エンディングノートの保管場所・置き場所・隠し場所決めのヒント

エンディングノートの保管場所

エンディングノートには遺言書のような法的効力はありませんから、故人の希望を必ずかなえなければいけないことはありません。

しかし生前から家族にエンディングノートの存在を知らせ、時に一部を見せ、折りにふれて話し合いをしていれば 家族が個人の希望を無下に却下することはなかなかできない…かもしれません。

人が亡くなると 様々な手続きを取るあわただしい「非日常」に直面します。

多忙でいちいち細かいところまで気が回らなくなります。

そんな時に「そういえば故人がこんなことを希望していたな」などと振り返る余裕はほとんどないでしょう。

しかし普段から家族にエンディングノートの話をしていれば エンディングノートの存在を思い出してくれる可能性は高まります。

それに伴ってエンディングノートの置き場所も必然的に決まってくると思います。

【大前提】エンディングノートはしまい込むべからず!

まず大前提として、万一の場合にエンディングノートを早く見つけてもらうためには、わかりやすく、いつでも取り出せる場所に保管しておくことが大切です。

厳重にしまい込んでしまうと発見されないリスクが高まります。

置き場所は家族が「ああ、いつものあそこね」とわかる場所がベストです。

家族に見られてもいいエンディングノートなら冷蔵庫に保管するのもおすすめ

救急医療情報キットをご存じですか。

持病についての情報やおくすり手帳、保険証や診察券の写しをひとまとめに専用容器に入れたものです。

救急医療情報キットは 基本的に冷蔵庫のドアポケットに入れて保管します。

自治体でこれを無料配布しているところも多いです。

なぜ冷蔵庫のドアポケットか?それは場所とありかがほぼ万人共通だから。

冷蔵庫ならほぼ確実に台所にありますし、大きいので目立ちます。

さらに医療情報キットをドアポケットに入れておけば探し回る必要もなく すぐに見つかります。

駆け付けた救急隊員が見つけやすいから冷蔵庫に保管しておく…なるほどなぁと思います。

この救急医療情報キットの例にならって 医療情報が書かれたエンディングノートを冷蔵庫に保管するのも一つの方法です。

通帳を冷蔵庫で保管するお年寄りも結構いるんですよね。

私は郵便局に勤めていたのですが、貯金の窓口にいると、お年寄りがキンキン・冷えっ冷えの通帳を持ってやって来ることがよくあったんですね。

あぁ、通帳を冷蔵庫に保管してるんだな(笑)

火災が起こった時に冷蔵庫が耐火金庫代わりになることはないので 焼失から守られることはないですが、大きな目印としてはいいかもです。

そういえば線香くさい通帳を持ってくる人も けっこういましたねぇ(遠い目)

貴重品の保管はお仏壇がいちばん安心!と思ってご先祖様に守ってもらおうと 通帳を預けてるのかもしれません。

エンディングノートを仏壇の引き出しにしまっている人も多いです。

これは確かに「わかりやすい置き場所」という点では合格ですね。

医療のことががっつり書いてあるエンディングノートは 見つけやすさを重視して保管場所を決めましょう。

下駄箱の上だってOKです。

エンディングノートは更新するもの。すぐに取り出せる場所に置くべし

エンディングノートの保管場所

エンディングノートは一度書いたらハイおしまい!というものではありません。

考えや情報が変わったら書き直したり追記したりして 自分が納得のいく内容や最新情報に更新していくものです。

エンディングノートにはプライバシーや個人情報が書かれているので 保管や取り扱いは慎重になる必要が確かにあります。

ですが、金庫とかタンスの奥深くに厳重にしまい込むと ノートが二度と日の目を見ないこともあります。

こうなってしまっては本末転倒。エンディングノートを作った意味がありません。

どこを置き場所にするのも個人の自由ですが、保管場所の大前提は 「すぐに取り出せる」この点が大事です。

保管に気を配りつつ、いつでも簡単にノートを取り出して書ける環境を 工夫して整えておきましょう。

アナログかデジタルか?エンディングノートの保管場所決めの一長一短

エンディングノートの保管場所エンディングノートをどこに保管するか?は 人それぞれ考え方が違います。

これ!という万人共通の正解はありませんが、置き場所を考えるヒントを下記に挙げておきます。

エンディングノートがアナログ(冊子)の場合

エンディングノートの保管場所

  • 重要 エンディングノートはもしもの時にすぐに取り出せないと意味がない。ノートを託せる人に存在と置き場所を書面(メモ)で伝えておけば、保管場所には悩まない。
  • エンディングノートの保管場所は自宅が基本。他人に預けると忘れられる場合も。貸金庫に入れると万一の時に遺族が開示できないことがある。
  • エンディングノートお預かりサービスを利用するか、法律家に相談して預けておく方法もある。
  • 医療情報のエンディングノートは誰にでもわかりやすい場所に置く(冷蔵庫の中など)
  • 医療情報のエンディングノートは見つけやすい場所に置く(玄関の下駄箱の上とか)
  • 財産・相続情報のエンディングノートは内容に変更がないなら 自宅の金庫の中にしまっておいても問題なし。
  • どんなエンディングノートでも本棚には入れない方がいい (本に埋もれて発見されないことがある)
  • 更新が億劫にならないように、エンディングノートはすぐに取り出せる場所に置くのが理想的

エンディングノートがデジタルの場合

エンディングノートの保管場所

パソコンやタブレット、スマートフォンを利用したデジタルエンディングノートは 更新や保管が簡単です。

前述したとおり 紙のノートのような盗難や紛失、火災による焼失リスクがないことがメリットです。

さらに何かあってもデジタルデータ自体は無傷であること。

クラウド(ドロップボックスやグーグルドライブなど)で保管できる点。

デジタルエンディングノートは「経年劣化の可能性も考慮しなければいけない」紙のノートよりも 保存性では優れていると言えますが、保管においては注意すべき点もあります。

  • 信頼できるクラウドサービス提供業者を選ぶ。無料だと企業の都合でサービス停止もある。
  • 重要 データは「無形」なので、そのありかと開示方法を遺族に伝えておくこと。これを怠ると家族に見つけてもらえずじまいになる。
  • インターネットはウィルス感染や情報流出の可能性がゼロではない。データが改ざんされたとしても気づきづらい。
  • メモリ媒体の故障によるデータ消失の可能性がある。定期的なバックアップが必要。

 

デジタルとアナログはどちらも一長一短。

保管には十分に気を付ける必要があることに変わりはありませんので、保管とセキュリティは常に一対で考えていきましょう。

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