認知症のゴミ屋敷住人が救われた話!地域包括支援センターの相談事例
30代男性 これは私の親戚が認知症になった時に地域包括支援センターで手続きをした体験談です。
Aさんは86歳女性。認知症になっていました。
Aさんは認知症になる前は地域の行事などもそつなくこなしていましたし、特に地域トラブルになるといったこともなかったです。
Bさんは58歳でAさんの息子です。
知的障害をもっていて地域の作業所に通所しており、あまり人とかかわりを持たないまま生きてきました。
母親が認知症、家がゴミ屋敷、知的障害の息子は我関せず
ある日、Aさんの近所の知人から私の元に連絡がありました。
福祉の仕事についている私に Aさんの家を何とかしてほしいという相談です。
私はAさんは親戚のおばあちゃんだという認識がありましたが、Bさんとは会話をしたことがないため、どんな人かもわかりませんでした。
連絡してきた知人からの話を聞くと Aさんの家がゴミ屋敷になっているとのことで、実際に行ってみると自宅の中が、まあひどいことになっていました。
私は小さい時にこの家に遊びに行ったことはありましたが その時と同じ家か!?と思うほどの惨状でした。
家に外にゴミがなかった分だけましなのかもしれませんが、庭の草木も手入れされていない様子で、草ボーボーでした。
Aさんに話を聞いてみても、こちらの話が頭に入っていかないようでしたので 数分のうちに

あっ、このおばあちゃんには認知症が始まっているな。
…と直感的に感じました。
私は自分の親に連絡し、状況を説明。
さらに地区の地域包括支援センターに電話して 対応をお願いすることになりました。
ちなみにBさんもお話を聞くことは聞いたのですが、まったく何も答えてもらえませんでした。
地域包括支援センターの担当者会議に参加
少し時間がかかりましたが、その後に地域包括支援センターが担当者会議をすることになり、私もそちらに参加することになりました。
そこでは、Aさんの履歴やBさんの成育歴等が細かく記録されているのが確認されました。
親戚の私ですら知らないようなことばかりがでてきて、

役所の人たちはどこからこれだけの情報を仕入れているのだろうか!?
…と思ったものです。
最終的な結論として、地域包括支援センターから、Aさんにケアマネージャーと法定後見人をつけることが決まりました。
法定後見人の候補として私の名前もあがりましたが、

私はAさんたちの相談や手続きなどはできますが、後見人は家庭の事情から引き受けられません。
…とはっきり伝えました。
私の家族等にもこの話が回ってきましたが 無理であることを伝え、Bさんのケアマネに今後は積極的に自宅に行ってもらうように伝えて、担当者会議は終了しました。
法定後見人と介護保険の導入は8050問題対策にも
それからはあまりAさん達とは直接関わってはいませんが、地域包括支援センターの支援が介入したことで それなりに通常の日常生活を送ることができているようです。
今現在私がAさんに対してしていることは、書類の作成等です。
Aさんのケアマネから

Aさんの施設入所等の書類手続きの時は手伝ってほしい。
…という連絡がありました。
ケアマネにできることにはある程度限界があるようです。
そこで書類などは私が作成して、できる範囲では協力させてもらえればと思っています。
この機会に自分の両親ですらまだ利用していない介護保険利用の一連の流れを知ることができて、

日本っていうのは、結構手厚い福祉国家なんだなあ。
…と感じたものです。
私は親戚という関係でしたが、自分の両親が「これは介護保険が必要かも!?」ということがあると思います。
私は福祉職に就いていたのですぐに地域包括支援センターに連絡ができましたが、普通に働いているとそんな名前も場所も知らない・聞いたこともない人が大半だと思います。
地域包括支援センターは皆さんの身近にありますので、介護や福祉のことで困ったら調べて連絡してみてください。
地域包括支援センターとは?
地域包括支援センターは高齢者の相談窓口として介護サービスや保健福祉、日常生活サポートなどを担っています。
高齢者支援がメイン業務なので利用対象者は65歳以上の人と、その人を支援している関係者です。
高齢者と支援者が離れて暮らしている場合には、高齢者が住む地域の地域包括支援センターに相談します。
地域包括支援センターでの相談自体は無料でできます。
地域包括支援センターには、社会福祉士、主任ケアマネージャー、看護師、保健師が所属しており、それぞれの専門分野を担当します。
社会福祉士…総合相談、高齢者の権利擁護事業(虐待防止、早期発見等)
主任ケアマネージャー…ケア会議、ケアマネージャーの統括
看護師、保健師…介護予防プラン、要介護状態の予防など

