生前整理は心の断捨離!空き家の解体費用をメルカリで稼いだ体験談
20代女性 当時の私はコロナ禍で就職できず、家で就活を行なっていました。
私の母は当時59歳。母の姉である伯母は当時64歳。祖母は当時85歳した。
借地の立ち退き要求!?裁判所からの呼び出し状が届いて…
事の発端は2020年3月末。今まで一人暮らしをしていた祖母が我が家にやってきて

最近,泥棒がうちの前をウロウロしているの。
認知症が入ってきた祖母は、人に見えないものが見えたり 聞こえないものが聞こえるようになった…と言い始めていました。
これでは一人暮らしをさせてはおけない!ということで 祖母は我が家で同居することになりました。
そして同居を始めて3ヶ月後の6月のある日、裁判所からの呼び出し状が届いたのです。送り主は祖母の家の土地の持ち主である地主で、内容は

違法建築の家とブロック塀の取り壊しをしなさい!
祖母はとても心配性な人なので、私たちはこの問題を祖母には伏せたまま対応することになりました。
訴状の取り下げと和解の成立
祖母の家は母や伯母が小さい頃から住んでいたものですが、土地は地主のもの、建物は祖母のものでした。
祖母が土地を借りた当時の地主は、今の地主の祖母に当たります。先代の地主(今の地主の父親)は優しい人でしたが、今の地主が娘さんの代になってから問題が起こり始めました。
今の地主には尋常でない職業の夫がいる…という噂を聞いていましたが、彼らは祖母に何度か立ち退きを要求する嫌がらせの手紙を送ってきました。
その件について伯母の知り合いである弁護士に相談をしていて、今回の件も同じ弁護士に相談しようしていました。ところが裁判所からの呼び出し状が届く少し前に その弁護士は病気で急逝してしまったのです。
今後のことを家族会議で話し合いをした結果、

癪だけど…事を荒立てず解決するには ある程度向こうの言い分を飲んだ上で、祖母の生前整理も兼ねて 家を取り壊すのがいいだろう。
…という結論に至りました。
その後に相手方の弁護士事務所にその旨を伝え、法廷で
…としたところ、和解が成立。
そして2020年8月から 私と伯母夫婦による祖母の家の解体と生前整理を兼ねた断捨離作業が始まったのです。
生前整理×断捨離の開始
空き家の解体費用は祖母の貯金を使うことにしましたが、生前整理の片付けにはお金をかけたくないと思いました。
そこで伯母と私は 祖母のもので私たちが残しておきたいもの 祖母が希望して残すもの その他の処分してもよいもの…に仕分けすることから始めました。
売れるものはメルカリを利用してすべて売却。こうして合計で15万円ほどの資金を調達し、空き家の解体費用に補填することにしました。
売れなかったものは分解してゴミに出し、鉄屑は無料回収を依頼。こうして私たちはほとんど余計な出費を出さずに祖母の生前整理を完了させました。
空き家の解体費用300万円!更地に戻し平穏な日々に戻るはずが…
2020年11月に解体業者に約300万円(税別)で家屋とブロック塀を全て取り壊し、地主の希望通りの更地に戻しました。
そして生活に落ち着きを取り戻した2020年12月。祖母に末期癌が見つかり、半年後の2021年6月に他界しました。
生前整理は心の断捨離!祖母の死を通して知った終活の大切さ
私は9歳の頃に母方の祖父が,20歳の頃に父方の祖父が,そして23歳で母方の祖母が亡くなりましたが、遺品整理などの いわゆる「終活」に関わったのは今回が初めてです。
祖母の最期の約一年間は一緒に生活しながら生前整理を手伝うなどして、私はゆっくりと祖母の終末に関わりました。
この体験から私が感じたことは

終活は 残してゆく者が残される者に迷惑をかけないために行うものだけではない。残される者が自分たちの心残りがないように、心の断捨離をしていくものなんだ…。
「遺族に迷惑をかけたくない」と考えている人は、生前整理を行っておいた方がいいと思います。
…と祖母の死に接してよく理解できましたし、最近は終活がブームになって エンディングノートが注目されている理由も理解できました。
私はこれから残された者同士がお互いに協力しながら、終活をサポートし合っていきたいと考えています。
そう思うのです。

