空き家解体費用300万円の補填で生前整理と断捨離に奔走した体験談

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【監修者】
オレンジ@終活ガイド

生前整理(身辺整理)という名の断捨離にいそしみつつ、アラカンでの熟年離婚を画策中のおひとりさま予備軍・関東在住50代女性が「オレンジログ」の中の人です。

終活に活かすため終活ガイド1級とホームヘルパー2級資格を取得。最期まで在宅で過ごしたいおひとりさまの痛くない死に方を模索・実践していきたいと考えています。

「事実は小説よりも奇なり」このブログでは多くの方のリアルな体験談をもとに、人生100年時代に備えた使える生活&終活のお役立ち情報を紹介していきます。

空き家解体費用300万円の補填で生前整理と断捨離に奔走した体験談

空き家解体費用

私は当時23歳で コロナ禍で就職できず、家で就活を行なっていました。

私の母は当時59歳。母の姉である伯母は当時64歳。

祖母は当時85歳。それまでに脳梗塞,がんといった大病をしながらも元気に生きてきた人です。

アルコール中毒の父(私の祖父)がいたため,母と姉妹との絆はかなり強固なものでした。

これは私たち家族に起きた終活にまつわるトラブルのエピソードです。

裁判所からの呼び出し状が届いて…

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事の発端は2020年3月末。今まで一人暮らしをしていた祖母が我が家にやってきて

最近,泥棒がうちの前をウロウロしているの。

…と言うのです。

認知症が入ってきた祖母は、人に見えないものが見えたり 聞こえないものが聞こえるようになった…と言い始めていました。

これはとても今まで通りに一人暮らしをさせてはおけないということで 祖母は我が家で同居することになりました。

そして同居を始めて3ヶ月後の6月のある日、裁判所からの呼び出し状が届いたのです。

送り主は祖母の家の土地の持ち主である地主で、内容は

違法建築の家とブロック塀の取り壊しをしなさい。

…ということでした。

祖母はとても心配性な人で 何か起こると自分を責めるところがありました。

このことを祖母に知らせれば「娘や孫に迷惑をかけるなんて死んでしまいたい」となるのは必至だと思った私たちは、この問題を祖母には伏せたまま、伯母夫婦・母・私の4人で何とかすることになりました。

訴状の取り下げと和解の成立

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もともと祖母の家は母や伯母が小さい頃から住んでいたものですが、土地は地主のもの、建物は祖母のものでした。

祖母が土地を借りた当時の地主は、今の地主の祖母に当たります。先代の地主(今の地主の父親)は優しい人でしたが、問題だったのは 今の地主が娘さんの代になってからです。

今の地主には尋常でない職業の夫がいる…という噂を聞いていましたが、彼らは祖母に対して今までも何度か嫌がらせのような手紙を送ってきていた経緯がありました。

その件については伯母の知り合いである弁護士に相談をしていましたので、今回の件も同じ先生に相談しようと私たちは考えていたのです。

ところが裁判所からの呼び出し状が届く少し前に その弁護士は病気で急逝してしまったのです。

それにより 私たちはゼロから自力でこの件を解決をしなければならなくなりました。

ずいぶんと家族会議で話し合いをした結果、

癪だけど…事を荒立てず解決するには ある程度向こうの言い分を飲んだ上で、祖母の生前整理も兼ねて 家を取り壊すのがいいだろう。

…という結論に至りました。

その後に相手方の弁護士事務所にも電話でその旨を相談し、法廷で「家屋及びブロック塀をこちらの負担で取り壊すので、訴状を取り下げてほしい」としたところ,和解が成立。

かくして2020年8月から 私と伯母夫婦による祖母の家の解体と生前整理を兼ねた断捨離作業が始まったのです。

お金をかけない生前整理×断捨離の開始

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空き家になっている家の解体作業の費用は祖母の貯金を使うことは決まっていました。

しかし生前整理に関する片付けに関しては なるべくお金をかけたくないと思いました。

そこで伯母と私は  祖母のもので私たちが残しておきたいもの  祖母が希望して残すもの  その他の処分してもよいもの…に仕分けすることから始めました。

その他の処分してもよいものは メルカリやリサイクルショップを利用して売れるものはすべて売却し、取り壊しの費用に補填することにしました。

私は祖母の持っていた毛糸などの手元に残さないことを決めた私物をメルカリに出品するなどして販売し、そこで合計で15万円ほどの資金を調達しました。

また、売れなかったものについては伯母夫婦が解体したり、チェーンソーで手頃な大きさに分解したりして 自分たちでゴミの日に出しました。

鉄屑については無料回収にお願いするなどして、私たちはほとんど余計な出費を出さないようにしながら祖母の生前整理を完了させたのです。

空き家の解体費用300万円かけて更地に戻し平穏な日々に戻るはずが…

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2020年11月に解体業者に約300万円(消費税別)で取り壊しを依頼し、家屋とブロック塀を全て取り壊し,地主の希望通りの更地に戻しました。

この一連の作業が終わり、生活に落ち着きを取り戻した2020年12月。

体調を崩して病院を受診した祖母に末期癌が見つかり、その半年後の2021年6月に祖母は他界してしまいました。

現在、祖母の遺骨は伯母夫婦の家と私の家に分骨して手元供養していますが、母たちの悲しみが落ち着いたら祖父が眠るお墓へ納骨をすることになっています。

祖母の死を通して知った終活の大切さ

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私は9歳の頃に母方の祖父が,20歳の頃に父方の祖父が,そして23歳で母方の祖母が亡くなりましたが、遺品の整理などのいわゆる「終活」に関わったのは 今回の母方の祖母が初めてとなります。

祖母の最期の約一年間、一緒に生活しながら生前整理を手伝うなどして、私はゆっくりと祖母の終末に関わりました。

伯母夫婦と母は2020年12月から2021年6月まで、伯母夫婦の家で祖母の看病と介護に携わりました。

それらの体験から私がしみじみと感じたことは

終活は 残してゆく者が残される者に迷惑をかけないために行うものだけではない。残される者が自分たちの心残りがないように、心の片付けをしていくものなんだ…。

…ということでした。

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「残された人に迷惑をかけたくない」と考えている人は、きちんと生前整理を行っておいた方がいいと思いました。

遺品の整理や亡くなった後の連絡先、遺産について、死後の処置や葬儀についても話し合っておくことが本当に大切なのだと祖母を失ったことで理解できましたし、終活がブームになり エンディングノートが注目されている理由もよくわかりました。

私はこれから残された者同士、お互いに色々な話をしながら それぞれの終活をサポートし合っていきたいと考えています。

そうやって相手の望みをできる範囲で叶えてあげられたら、お互いに後悔の少ないやさしいお別れを迎えられるのではないかと思うのです。